People In The Box「One Man Tour 2019『Tabula Rasa』 @ LIQUIDROOM」

PITBの新アルバムリリースツアーに行ってきました!
今年はめちゃくちゃLIQUIDROOMに行ってるな…。

 

■セットリスト
01.装置
02.いきている
03.木洩れ陽、果物、機関車
04.風景を一瞬で変える方法
05.忘れる音楽
06.泥棒
07.まなざし
08.ブリキの夜明け
09.聖者たち
10.2121
11.八月
12.もう大丈夫
13.無限会社
14.ミネルヴァ
15.かみさま
16.懐胎した犬のブルース

 

En.
17.世界陸上
18.スルツェイ
19.ヨーロッパ

 

新作Tabula Rasaを突如配信リリースしてからのツアー。
このアルバムが非常に素晴らしかったので、ライブもとても楽しみにしていました。

 

セットリストはTabula Rasaの流れを軸にしつつ、過去の曲を織り交ぜたもの。Vo波多野さんはギターをぶら下げながらキーボードを弾き、要所要所でギターに持ちかえるというスタイルでした。

 

装置でのこれでもかというような韻の踏み方はライブだとよりリズミカルでふわふわと。そのぶん最後の轟音は利きますね。いきているは特徴的なリズムのリフレインが印象に残る曲ですが、PITBにしては少ない音数の中で、ここまでの構築美を出せるのかという気持ちになります。Dr山口さんはACID ANDROIDでも感じましたがよりタイトに、より抜けのよいショットを放つようになっており、かつてはもっとゴーストを多用していたイメージだったのですが研ぎ澄まされた印象でした。カッコよかった。

 

ある意味で予言めいていた泥棒につづいてまなざしの流れは社会への視線を強く感じさせるもので、そこからのブリキの夜明け、聖者たちの異質感も大変に心地よく聴きました。八月ではキーボードによるアレンジでこれも良かったですね。PITBはいつもライブアレンジが凝っていて最高なので、いつかナンバーガールとかKing Crimsonみたいに記録シリーズとか言ってライブ音源出しまくってほしいな…。

 

Ba福井さんの印象的なイントロからのミネルヴァからかみさまへ。前回のKodomo Rengouツアーでの演奏はドゥームな印象を受けましたが今回はよりロックな方向性で、それでもこの曲の神性というかホーリー感はまったくゆるぐことなく響きました。こちらの涙腺はゆるみました。

 

アンコールでは世界陸上。このリフ本当に複雑ですよね。前回ツアーでは大変そうでしたが今回はむしろ楽しそうで、マジか…となりました。これまたホーリー感の強いスルツェイから、ヨーロッパで終演となりました。

 

本当に素晴らしいライブでしたし素晴らしいアルバムです。Kodomo Rengouで吹っ切れたなと思いましたが、まだまだ進化を止めることはなさそうですね。

 

 

森下唯「ミクロ・マクロ @ 調布市文化会館たづくり くすのきホール」

森下さんのピアノを聴いてきました!

 

■セットリスト
01.6つのバガテル 作品126(ベートーヴェン
02.エスキス 48のモチーフ 作品63/第4巻(アルカン)
03.ピアノソナタ第29番 変ロ長調 作品106「ハンマークラヴィーア」(ベートーヴェン

 

En.
04.スケルツォ(アルカン)
05.幻影(アルカン)

 

アルカン作品を積極的に取り上げてくれる森下さん。今年の演奏会ではアルカン作品に加え、ベートーヴェンの長大なソナタを含む重厚なプログラムでした。

 

6つのバガテルはベートーヴェンの最後のピアノ曲とのことですが、バガテルらしい遊び的な部分や場面転換など、アルカン作品に似た匂いを感じる箇所もあり面白かったですね。特に4が好きなのですが快速でありながら繊細で気持ちよく聴きました。

 

エスキスは楽曲のタイトルを舞台上に映す演出付き。映像的な表現が多いアルカンなので、これは良い試みだったと思います。(パワポだったんですね)録音でも非常によかったのですが、やはり実演だと弱音の響きがしっかり聴き取れてよかったです。「ヘラクレイトスデモクリトス」での場面転換や「小悪魔たち」でのおもしろさ、「夢の中で」で音が静かに空間を満たしていくような様は特に印象的でした。やはり森下さんはダイナミクスの扱いがとても心地よいんですよね。

 

ハンマークラヴィーアは40分ほどにもなる長大な楽曲で、特に第3楽章が長い緩徐楽章です。とても心地よかったのですが、気温的に絶妙にちょっと暑いくらいの環境と薄暗さで、うっかり意識がとびかけました…。しかし森下さんの集中力はすさまじく、4楽章の最後まで端正な演奏を楽しませてくれました。この曲は事前にさらっとくらいしか聞いたことがなかったのですが、4楽章のフーガなど面白いと感じる部分も多々あり、これから掘ってみようかなと思いました。

 

アンコールはエスキスから2曲。超スピードでのスケルツォのあとは染み入るような幻影で終演となりました。

 

アルカンの代表曲はだいたい取り上げてきたかな、という状況で次はどんな手がくるかな、と楽しみです。シューベルトとかリストのソナタとかも凄いことになりそう…。(と思って過去の演奏曲目を調べたら、もうやったことあるんですね。)

下村陽子「Music 4Gamer # 5 下村陽子 30th Anniversary ORCHESTRA CONCERT -THANKS Again!!- @ Bunkamura オーチャードホール」

ゲーム音楽をはじめ多方面で活躍する作曲家、下村陽子さんの30周年記念コンサートを聴いてきました。

 

■セットリスト
01.「ストリートファイターⅡ」(Arr.穴沢弘慶)
02.「スーパーマリオRPG」(Arr.亀岡夏海
03.「LIVE A LIVE」(Arr.竹岡智行)
04.「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」(Arr.亀岡夏海
05.「ゼノブレイド」(Arr.穴沢弘慶)
06.「舞台&アニメ」より(Arr.森下唯)
07.「ひるね姫~知らないワタシの物語~」(Arr.森下唯)
08.「マリオ&ルイージRPG」(Arr.竹岡智行)
09.「ラジアントヒストリア」(Arr.穴沢弘慶)
10.「FINAL FANTASY XV」(Arr.和田薫
11.「キングダム ハーツ」シリーズより(Arr.亀岡夏海

 

En.
12.APOCALYPSIS NOCTIS(Piano 下村陽子
13.Song Of MANA

 

僕にとっての下村さんの音楽は「スーパーマリオRPG」で、プレイしてから20年ほどたって社会人になってからサウンドトラックを探してTSUTAYAめぐりをしたものでした。

 

今回は30年を総括した内容で、カプコン時代、スクウェア時代、フリーランス時代の代表曲の数々がオーケストラアレンジにて披露されました。

 

どの曲も素晴らしく(いろんな曲をやるため、1曲ごとは一瞬で過ぎ去っていきましたが…)楽しい演奏会でしたが、特に思い入れの強いマリオRPGではフィールド曲やモンスター戦に加え、名曲「森のキノコにご用心」とエンディング曲である「楽しいパレード 愉快なパレード」が演奏されました。特にパレード曲は某夢の国テイストを入れつつもマリオと下村さんのテイストを混ぜ合わせた素晴らしい曲で、当時はこの曲を聴くためだけにゲームクリアするという日々を過ごしていたものです。今回はワンフレーズだけで過ぎ去っていきましたが、管弦楽で鳴らされるパレードのサウンドには感無量でした。

 

聖剣伝説LOMではホームタウン ドミナにはじまり焔城やタイトルテーマが演奏され、感動的でした。下村さんの民族的な風味も感じさせつつ壮大なオーケストレーションとメロディを積み上げていくスタイルはこの作品でかなり効果的に表現されていたと思います。

 

休憩を挟んで後半では宝塚の「天は赤い河のほとり」やハイスコアガールひるね姫といった多様な形態に向けた楽曲群。ドラマティックなメロディラインや透き通ったピアノフレーズなど、これぞ!といった感じでしたね。これらの編曲を担当した森下さんは屈指のアルカン弾きでもありFF15のピアノアレンジDiscの演奏なども担当した方ですが、この日も立たせるところをキチっと立てる最高の演奏を聴かせてくれました。

 

マリオ&ルイージRPGではうってかわって底抜けに明るいサウンド。かと思えば最後の「イン・ザ・ファイナル」ではFFにも通じるシリアスな世界観を聴くことができました。続く「ラジアントヒストリア」はオーケストラに合う楽曲が多く、初めて聞きましたがかなりかっこよく好印象でした。

 

本編最後はFF15とKHのメドレー。FF15ではピアノから始まる「Somnus」から「Valse di Fantastica」、「Valied in Black」、コーラスがさえわたる「OMNIS LACRIMA」と来て「夜に満ちる律べ」で締め。どれも最高にかっこよく、和田さんによる重厚なオーケストレーションも効果絶大だったと思います。KHでも「Dearly Beloved」など印象的な楽曲たちが披露され、感動のうちに本編終演となりました。

 

アンコールでは下村さんがピアノを演奏してのFF15「APOCALYPSIS NOCTIS」。これもピアノが強烈なアクセントになりつつフルオーケストラのかっこよさが堪能できる曲ですがここまでの流れに場のテンションも最高潮になっており、かなり熱い演奏となりました。最後は聖剣伝説LOMより「Song of MANA」で終演。下村さんも「私の30年、はやっ!」と仰っていましたが、本当にあっという間の時間でした。まだまだ精力的に活動してくれそうで嬉しいですね。いい演奏会でした。

 

東京佼成ウインドオーケストラ「第145回定期演奏会」

 

01.前奏曲とフーガ 変ホ長調「聖アン」BWV552(J.S.バッハ/D.ハンスバーガー編)
02.楽しい鐘の音(J.S.バッハ/P.グレインジャー編)
03.ウィンド・アンサンブルのためのシャコンヌJ.S.バッハ/伊藤康英 編)
04.デチューン(酒井健治)
05.吹奏楽のための協奏曲(高 昌帥)

 

TKWOの定期演奏会に行ってきました。
指揮は正指揮者の大井剛史さん。

 

前半はバッハの編曲もの、後半は吹奏楽オリジナルという構成。

BWV552はストレートな編曲で整理された和音が綺麗。まるで一人がオルガンを弾いているかのように同じ方向を向いて団結したサウンドと、吹奏楽ならではのカラフルさを楽しむことができました。
続くグレインジャーでもその響きは同様で、よりビートを感じさせる編曲も相まってとても満足度の高い演奏に仕上がっていたと思います。

 

そして前半の山場であるシャコンヌは圧倒的な出来。伊藤さんの編曲もものすごいのですが、構築力がものすごい。こんなにドラマティックな曲になるとは。大井さんの棒はいつも通り端正。締めるところは締めつつも奏者にゆったりと表現させ、楽しい緊張感を味わいました。

 

後半は委嘱新作のデチューンから。複雑な響きや音量操作の指定によるクローズアップ、反復による意識付けなど様々な仕掛けがあり、わくわくしながら聴くことができました。コンテクストを使ったメタ的なフレーズの使い方って面白い発想ですね。また聴きたいです。

 

最後は吹奏楽のための協奏曲。バルトークを想起させるタイトルですがその名の通り、各パートに難所が用意された大変な難曲でした。しかしTKWOの演奏は本当に見事。オーボエコントラファゴット、アルトフルートやクラリネットをはじめとしたソロも素晴らしく、25分が本当にあっという間でした。

 

いつもは2階席から聴いているのですが、今回は1階席の前方で聴いてみました。バランスはやはり2階席で聴いた時のほうがよいのですが、各パートの息遣いや細部は近い分聴きとりやすく、ハマってしまいそうです。

 

来期の演奏会予定も発表され、どれも期待できる内容ばかり。できれば全部聴きに行きたいですよね。楽しみです。

 

cali≠gari「「ただいま、ビクターーーー。」 -déraciné,either…or a sentimental contract-」

 

■セットリスト
01.ママゴトセンター -Rebuild-
02.マッキーナ -Rebuild-
03.偶然嵐 -Rebuild-
04.-踏- -Rebuild-
05.淫美まるでカオスな
06.ハラショー! めくるめく倒錯 -Rebuild-
07.コック ア ドゥードゥル
08.その斜陽、あるいはエロチカ
09.オーバーナイトハイキング
10.月光ドライブ -Rebuild-
11.東京ロゼヲモンド倶楽部
12.飛蝗者読誦 -Rebuild-
13.混沌の猿 -Rebuild-
14.シャ.ナ.ナ -Rebuild-
15.スクールゾーン -Rebuild-
16.電気睡蓮 -Rebuild-

 

En1.
17.続・冷たい雨
18.冷たい雨
19.この雨に撃たれて

 

En2.
20.マネキン
21.ヘルニア
22.クソバカゴミゲロ

 

おもしろかったです!!

艦隊これくしょん「佐世保鎮守府開庁130周年記念『ちんじゅふ。』2019 in 佐世保鎮守府 Special Opening Live @ アルカス佐世保」

艦これのイベントのために佐世保遠征してきました!

 

主軸としては記事タイトルのライブ(9/13~14)と太鼓演奏(9/15~16)なのですが、他にも佐世保をめぐるスタンプラリーや約30店舗の飲食店とのコラボなど、かなり大規模なイベントでした。

 

私は前半のライブチケットがとれたのでその日程を主軸に2泊3日してきました。まずは全体の感想を。ライブ感想はまとめて最後に。

 

□9/13

 まずは陸路で佐世保入り。博多まで新幹線で行った後に高速バスで福岡から佐世保まで。13時過ぎに佐世保市民ホール(旧佐世保鎮守府凱旋記念館)に着きました。その時点でそこそこ人は並んでおり、まずはたい焼き屋で1時間弱。焼きあがるのにそこそこ時間がかかるため、列の長さの見た目以上に時間がかかっていました。クロワッサン風のサクサク生地を使ったたい焼きで、私はカスタード味を食べましたがとてもおいしかったです。たい焼きの周りの四角い枠まで含めて食べることができ、満足感もありました。

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 そのあとは物販列へ。この日はかなり天気がよかったこともあって日差しがめちゃくちゃキツかったです。合計3時間くらいは並んだと思いますが欲しかったものはおおむね購入でき満足でした。ここでスタンプラリー台紙も入手。本当ならここで佐世保バーガーでも行きたかったところですが、もうライブまで時間が迫っていたためスタンプラリーを優先して6か所ほど回った後にアルカス佐世保に向かいました。終演後は長崎に宿をとっていたので高速バスで長崎まで。移動で疲れ切っていたのでココイチでサクッと食べて就寝。

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□9/14

 長崎⇒佐世保の始発の高速バスに乗って佐世保へ。この日の目当ては島瀬公園のコラボバス貯金箱。8時半くらいに公演に着いたときにはすでに公園内でぐるっと待機列ができていました。運営の方からの「販売開始を1時間前倒し、限数も1つに設定」とのアナウンスがあり拍手。実際に9時過ぎから物販が始まりましたが、ものが1種類しかないこともあってものすごい速さで物販列が溶けていっていました。物販後は公園内で西海学園高校吹奏楽部の演奏を聴きました。小編成ながらトランペット、アルトサックス、パーカッションの子たちをはじめいい演奏でした。艦これの海色も演奏。

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 物販はこの時点でやり切ったので、スタンプラリーの続きをしに行きました。楽しみにしていた鯨瀬埠頭はとても眺めもよく、また来たいなと思いましたね。

 

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 スタンプラリーを無事に終えてからは海上自衛隊佐世保資料館(セイルタワー)へ。ここはとても面白かったです。7階建てで、まずは一番上にのぼってから降りてくるに従い、昔⇒現在の歴史を振り返ることができる構成になっていました。各展示もとても詳しく充実しており、これだけでも数日ないと見切れないな、という感じ。ここも是非また来たいですね。セイルタワーの後はライブの昼公演へ。

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 昼公演の後は少し時間があったのでご飯に。イタリアンレストランのレガーレというお店でレモンステーキをいただきました。薄いステーキにレモン風味のソースをかけていただく料理で、レモンのさわやかさがとても心地よくおいしかったです。アーケード内のBigmanさんで佐世保バーガーもいただきました。

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 夜公演のあとは港まわりをうろうろしながら遠征音頭大会に参加。多用途支援艦あまくさが泊まっていました。遠征音頭後は長崎に戻ってらーめん柊の本店で担々麺をいただきました。

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 以上が今回の佐世保遠征のあらましでした。ここからはライブ内容について。3回とも見ましたがまとめて書きます。

 

■特別映像上映
01.アニメ予告映像
02.アーケード予告映像
03.シズメシズメ(龍玄とし)
04.提督との絆(龍玄とし)

 

まずは特別映像。アニメ新作の予告とアーケード予告も面白かったですがやはり武道館ライブの録画2曲がよかったですね。ちょうど仕事のヤマが年始にあったので行けなかったため、こうして映像で見ることができたのはとても嬉しかったです。ToshIの持ち味である澄んだ高音が生きていたのはやはり「提督との絆」で、アレンジも相まってEndless Rainっぽさがありましたね。

 

■セットリスト(1MYB)
01.ロマンスの神様(広瀬香美)
02.Groovy!(広瀬香美)
03.モドレナイノ(広瀬香美)
04.渚を越えて(広瀬香美)
05.強襲!空母機動部隊(Instrumental)
06.華の二水戦(山田悠季)
07.鎮守府の朝(宮川若菜タニベユミ)
08.佐世保の時雨(タニベユミ)
09.秋の鎮守府(Instrumental)
10.泡沫のシャングリア(Instrumental)
11.ゲレンデがとけるほど恋したい(広瀬香美)
12.提督との絆(広瀬香美)

 

En.
13.月夜海(広瀬香美)

 

 冒頭から広瀬香美さんが登場して「ロマンスの神様」。これは最高のスタートでしたね。1日目からコーラス部分での観客の反応も最高で、広瀬さんも想定外のウェルカムムードに嬉しそうでしたね。(この後、3回目にはもうコールアンドレスポンスが完成に至ってました)
 広瀬さんもノッてきたようで、2日目は「冬の深海からやってきました、冬の女王こと広瀬香美でございます!」とニコニコの自己紹介になってました。


 広瀬さんの歌を生で聴くのは初めてでしたが(むしろ私にはヒウィッヒヒー時代の記憶が強い)、高音でのハリやメロディの崩しかたのおしゃれさなど、とても楽しく聴くことができました。艦これ楽曲もバンドアレンジされておりかなりハードロック色が強い方向でしたが、ハードな演奏の上に乗る広瀬さんの歌のかっこいいこと。広瀬さんメタル歌っても最高そうだな…と思わされました。特に3回目の「渚を越えて」は筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい出来でしたね。

 

 バンド1MYB(第一音楽遊撃部隊)も素晴らしかったですね。キレのいいカッティングからメタリックな速弾きまでこなすギター、ボトムを支えつつステージングで全体を盛り上げ、スラップでキメもつくるベース、多彩な楽曲の雰囲気付けに貢献するキーボード、抜けの良い音のパワフルなプレイから繊細な味付けまでこなすドラムと期待していた以上のゴリゴリのサウンドで興奮しました。インストでの「強襲!空母機動部隊」でドラムのタム回しからの疾走フレーズが最高。

 

 華の二水戦では山田さんによる歌唱。1回目、3回目は矢矧、2回目は阿賀野でした。歌も伸びがあってとてもよかったですし、ダンサーさんの阿賀野姉妹とも息があった振り付けでキレイでした。鎮守府の朝は宮川さんとタニベさんによる歌唱。朝潮と時雨コンビですが曲中の掛け合いでは「朝潮→白露→大潮→時雨」(一番艦同士、二番艦同士絡み)、「朝潮村雨→荒潮→時雨」「朝潮→夕立→満潮→時雨」という濃さ。メインは宮川さんでタニベさんはコーラスをしていましたが、回を重ねるごとにハモリがどんどんうまくなっていっていたのもよかったです。

 

 まさかの新曲「佐世保の時雨」ではタニベさん歌唱。疾走感のあるロックな曲で、哀しみを受け入れつつも未来に向かってしっかりとした覚悟を持って踏み出す時雨が表現されており、素晴らしかったです。艦娘想歌とかで発売してくれるのかな…?

 

 阿賀野型、金剛型のダンサーによるシンクロした踊りを堪能できた「秋の鎮守府」(霧島さんがキビキビした動き、榛名さんがやわらかい動きになっていたの、完全に解釈一致でよかったです)の後はバンドのみで「泡沫のシャングリア」。ギターの速弾きがある非常にメタル的楽曲ですが見事な演奏で、こちらも回数を重ねるごとにメンバー間でのやりとりが増えていて楽しかったですね。ギターソロ部分でギターとベースが背中合わせに弾く様子などは綺麗でした。

 

 最後は広瀬さんパートで、「提督との絆」で本編終了。アンコールは「月夜海」でした。これらのしっとりした楽曲では広瀬さんの歌唱力が存分に発揮され、細やかな表情づけや盛り上げかたなど、とてもきれいで感動的でした。

 

全体を通してとても楽しいイベントでした。特にライブは本当に良かったのでソフト化を期待してしまいます。バンドのみなさんも魅せるプレイで素晴らしかったので今後もこのメンバーでの活動をしてほしいなと思ってしまいますね…!呉鎮守府も130周年とのことでこんどはそちらでもコラボがありそうなにおわせがありましたが、佐世保もまた来たいので是非定期的にやってほしいですね!

cali≠gari,acid android「8/37 A pool without water “It always seems impossible until it’s done” @ LIQUIDROOM」

 カリガリwith上領亘さんを観てきました!

 

acid android
01.intertwine
02.daze
03.ashes
04.roses
05.chill
06.swallowtail
07.let's dance
08.violent parade
09.violator

 

acid androidは初めて見ました。
ラルクのドラマーであるyukihiroさんのソロプロジェクトで、サポートはギターにTHE NOVEMBERSの小林祐介さん、ドラムにPeople In The Box山口大吾さんという布陣。NOVEMBERSもPeopleも聴いている私としてはたまらないものがありました。

 

特にPeopleが大好きなこともあってほぼ大吾さんのドラムを観ていましたが、持ち味である抜けのいいショットと細やかなゴーストはここでも健在で、とても気持ちよかったです。ミドルテンポの楽曲が多くじわじわと盛り上げる構成で、let's danceあたりからクライマックスで一気にはじける印象でした。violent paradeのテンポチェンジ部分などカッコいい箇所も多くゾクゾクしながら聴けました。

 

cali≠gari with 上領亘
01.動くな!死ね!甦れ!
02.トカゲのロミオ
03.-踏-
04.暗中浪漫
05.とある仮想と
06.禁色
07.天国で待ってる
08.マシンガンララバイ
09.わるいやつら
10.淫美まるでカオスな
11.この雨に撃たれて
12.セックスと嘘
13.いつか花は咲くだろう

 

En.
14.IDENTITY CRISIS(グラスバレー カバー)with yukihiro

 

上領亘さんはGRASS VALLEYSOFT BALLETなどそうそうたるバンドを渡り歩いてきた方で、その正確かつパワフルなドラムはSOFT BALLETの過去映像などでも知っていたのですが、近年はカリガリのアルバムにも参加してくださっていて、アルバム「12」の頃から、生で見たいなあ…無理だろうけど…と思っていました。今回ついに観ることができて感無量です。

 

セットリストは今までのカリガリ作品に上領さんが参加した楽曲を主軸にしたもの。まずは動くな!死ね!甦れ!でジワジワと開始したのですが、もともとSOFT BALLET系統のイメージのある曲だけに納得感のあるサウンドになっていました。そしてまさかの「トカゲのロミオ」。これにはぶっ飛ばされました。もともと比較的単純なビートの上で展開していく系の楽曲でしたが、リズムのとらえ方からアレンジが入っており、目まぐるしく風景が入れ替わるカラフルな楽曲に変貌。この時点で「感無量」とかの感情は彼方に吹っ飛び、ただただステージ上で繰り広げられる予測不能の展開にあっけにとられていました。「とある仮想と」での前半の打ち込みとの絡みは熟練の技を感じさせ、後半への盛り上がりもすばらしく感動したあとは「0」バージョンでの禁色。メインリフの裏で鳴るタム回しを実際に観ることができて感動しました。青さんのギターも気合入ってましたね。

 

MCで緊張していると言っていた通り、確かにここまでの演奏は素晴らしかったもののちょっと硬かったかな、とは思っていましたが、喋ったことで少しほぐれたのか、MC明けからの演奏はさらに絶品になっていました。「わるいやつら」でのめちゃくちゃ手数が多いフィルの部分はどうやっているんだろう?と思っていたので凝視していましたが、凝視してもわからないものはわからないということがわかりました(?)。すさまじかった…。「淫美まるでカオスな」は森岡賢さん追悼ライブでも披露されましたが、さらにドラムの自由度が増していたように思え、最後の疾走するビートに行く前でのドラムパターンがかなり派手になっていました。カリガリの曲は表拍を休んで裏にアクセントを持ってくる仕掛けが結構あるのですが(特に石井さん楽曲)、このタイプのフレーズでの上領さんの光りっぷりがものすごくて、非常にタイトに、流れに沿いつつもインパクトを追加して、なおかつノールックでシンバルを決めていく様子は本当にほれぼれしました。

 

新曲のサブスク配信が思っていたより好調のようで、CDも買いなさい!とのお叱りのあと(ぼくはCD買ったうえでサブスクで聴いていますよ!)に「この雨に撃たれて」が演奏され、続いて「セックスと嘘」「いつか花は咲くだろう」で本編終了となりました。上領さんにばかり目がいってしまいましたがこの日はカリガリメンバーも全員調子がよく、かつてなく楽しそうに歌う石井さんやドラムと絡みに行く村井さん(天国で待ってるの間奏などは格別!)、いつか花は咲くだろうでの青さんのギターソロなど、見所も多かったです。

 

アンコールではyukihiroさんが参加してグラスバレーのカバー。全員が楽しそうに演奏しており、本当に夢のような時間でした。

 

期待していた以上のものすごいものを観ることができたなという感じです。難しいだろうとは思いますが、これは何かしらの形でソフト化して形に残してほしいですね…。お願いします…ほんと…。