Marty Friedman「Inferno」

近年はJ-Popのカヴァーアルバム「TOKYO JUKEBOX」シリーズやももクロカヴァーから始まった「鉄色クローンX」での活動など、企画物でのリリースが多かったマーティ。久しぶりの新作、しかもメタルに振り切った作品である。

マーティ・フリードマンの音楽は一言では表現しにくい。
MEGADETH在籍時の彼のプレイを想像すると大きなギャップがあるだろう。

演歌に影響を受けた泣きのギター、音運びは健在だが、今やそれはマーティを構成する要素の1つに過ぎない。
1曲目「Inferno」からマーティ節が全開。メロディの歌わせ方はもはや職人芸だ。

多彩なゲストを迎えているのも今作の聴きどころ。
ロドリーゴ・イ・ガブリエーラやアレキシ・ライホなど、そうくるか!と思わずニヤッとしてしまう。
中でもジェイソン・ベッカーとの共作はカコフォニーを思い出させる。
クラシカルな旋律と、不協和音の絶妙なバランス。

マーティの音楽を聴いたことがない人にも入門としてすすめられる、クオリティの高いアルバムだ。