Toshi「洗脳 地獄の12年からの生還」

私がXを初めてちゃんと聴いたのは2008年の復活ライブのTV中継だった。(もう6年も前になるのか…)
冒頭の「THE LAST SONG」からその声に心を鷲掴みにされた。

それまで「RUSTY NAIL」くらいしか聴いたことがなかったが、そのライブで観た「Silent Jealousy」や「ART OF LIFE」はその後、HR/HMにのめり込むきっかけには十分すぎる衝撃だった。

その頃のTOSHIはまだ洗脳状態にあり、MCもどこかそういった意識を感じさせた。
しかし、hide memorial summitやその後の活動を本当に楽しそうに行う彼の姿を観て、ファンはもしかしたら…という期待を抱いたことだろうと思う。

その期待通り、彼は帰ってきた。
同じ頃発表された新曲「JADE」は名曲である。
まるでYOSHIKIからTOSHIへのメッセージが音楽を通じて伝わったようなストーリー展開に、新規ファンながら熱いものがこみ上げてくるのを感じたのを覚えている。

そんなTOSHIが、12年の洗脳生活を告白したのがこの本である。
三者的視点で見れば明らかにアウトなのだが、TOSHI自身の思いと一緒に綴られることでその恐ろしさが真実味をもって伝わってくる。

ファンアイテムとしてはやや重いが、記録としても興味深い内容だ。