読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

久石譲「WORKS IV -Dream of W.D.O.-」

WORKS IV-Dream of W.D.O.-

WORKS IV-Dream of W.D.O.-

久石譲のWORKSシリーズ最新作が発売された。
前作から9年ぶりとのことで、収録曲は最近のものが多い。

特にスタジオジブリ作品である「風立ちぬ」と「かぐや姫の物語」のサウンドトラックから再構成された楽曲たちがアルバムの重要な位置を占めている。
どちらも実際に映画を観に行ったのだが、特に「かぐや姫の物語」は良かった。ことに「天人の音楽」は印象的だった。
サウンドトラック版での素朴な編成とは一味違う、オーケストラをふんだんに使ったサウンドが楽しめる。
映画音楽はたいてい、人物であったり物であったりにテーマ曲が設けられていることが多いので、映画を観てからの方が数倍楽しめる内容となってはいるのだが、純粋に音楽だけを取り出した場合でも十分に成立するだけの説得力がある。特に「かぐや姫」は素晴らしく、後半の「飛翔」から「天人の音楽」を経て「月」に至る流れは特筆ものだ。

「Kiki's Delivery Service」は魔女の宅急便から「海の見える街」を再構築したもの。
非常に印象的なメロディで人気の高い楽曲であるが、こうして新たなテイクが生まれたのは喜ばしい。

ヴァイオリンを独奏に立てた「私は貝になりたい」はコンチェルティーノとはいえ技巧だけでなく、伸びやかに歌うヴァイオリンが印象的な楽曲だ。
緊迫感のある中間部を経てのワルツ部分は「人生のメリーゴーランド」などを想起させる。どこか昭和チックな香りが感じられるのも良い。

現在の久石のメロディをこれでもかと堪能できる、素晴らしいアルバムだ。