Jason Becker「PERPETUAL BURN」

映画「Jason Becker: Not Dead Yet」が日本公開されたので、観てきました。

彼について簡単に説明しておきます。
ジェイソン・ベッカーは1980年代後半にシュラプネル・レコーズのマイク・ヴァーニーに見出され、カコフォニーというグループでデビューしました。
マーティ・フリードマンとのプロジェクトであったカコフォニーはその技術の高さとユニークな音楽性が注目を集め、二人はそれぞれソロアルバムを制作。
カコフォニーの2ndをリリースした後にジェイソンはデヴィッド・リー・ロスのバンドに加入して1枚のアルバムに参加するも、ALSを発症し、脱退することになります。
しかし音楽制作をあきらめることはせず、現在に至るまで活動を続けています。

映画はこの半生をわかりやすい構成でまとめ、彼をとりまく様々なミュージシャンや、彼自身のインタビューを交えた非常によいものでした。
表情しか動かせない中での彼とその家族の意思疎通など、見どころはたくさんあるのですが、何より印象的だったのはその音楽制作のシーン。
若いころの作品に比べてメロディや音楽のそのものの質感は明らかに上がっており、作曲家としての力を感じました。
マーティ・フリードマンの最新作での共作も素晴らしかったですし、新曲が待たれますね。

Perpetual Burn

Perpetual Burn

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彼の技術が飛躍的に進化を遂げた時期に生み出された作品が、この「PERPETUAL BURN」です。
17歳で制作したとは到底思えないクオリティの高さに驚くことでしょう。
中でもバッハの影響を非常に強く感じる「AIR」は彼のその後のクラシック傾倒を思うと興味深いです。
マーティ・フリードマンも参加し、また彼に触発されたと思われるアウト系フレーズも多数登場します。
「速弾き系」アルバムの中でも重要な1枚なので、数年前の紙ジャケ再発の際は即・買い!だったのですが、今はiTunes Storeで簡単に入手できるんですね。
映画を機に、再評価されると嬉しいですね。