People In The Box「『Wall, Window』『聖者たち』release tour @Zepp DiverCity」

セットリスト

1. 天国のアクシデント
2. 翻訳機
3. 影
4. さまよう
5. 馬
6. おいでよ
7. 水面上のアリア
8. 手紙
9. あの頃
10.ダンス、ダンス、ダンス
11.花
12.もう大丈夫
13.物質的胎児
14.月
15.水曜日/密室
16.聖者たち
17.アメリ
18.風が吹いたら

En1
19.月曜日消失
20.あなたのなかの忘れた海
21.ニムロッド

En2
22.新曲
23.ヨーロッパ

いやー、最高のライブ初めでした。
今回はけっこう前の方で観たので、波多野さんや福井さんの手元がバッチリ確認できました。

即興セッションのような「Wall,Window〜」と歌うイントロダクションに続き、『Wall, Window』『聖者たち』を中心にしたセットリスト。
Weather ReportとRabbit Hollからの楽曲はありませんでしたが、他のアルバムからは1~2曲ずつがプレイされました。

驚いたのは、Wall,Windowの曲のライブでの化けっぷり。
アルバムで聴いた時には気づかなかった楽器たちの絡み合いがよく見え、非常に楽しめました。
また、曲の遊びの部分が多いため、ライブでアドリブの入る余地が多く、音での会話がより有機的になっているように感じました。

途中で福井さんは「昔の曲はすごく疲れる」と言っていましたが、おそらくこの「昔の曲」とは『Lovely Taboos』以前を指すのだろうなと思ったり。
というのも、それまでの作品は完全に「作曲」されているために1音たりとも変更を許さないような雰囲気があったのですね。

とは言え、今日は「水曜日/密室」の間奏パートで遊びが見られたりと、バンドの今のモードを反映したよいテイクになっていたりしました。
まったく骨組みが変わっていないのにここまで違うように聴こえるのはとても面白いです。

あと触れておきたいのはコーラスワーク。
特に「手紙」が素晴らしかったのですが、ハモリは福井さん、ユニゾンは山口さんが多かった印象です。
これらのクオリティがグンと上がっており、特に福井さんのハモリは非常にグッと来ました。

中盤の「花」から「月」までは波多野さんがキーボードに持ち替えてのアコースティック的響きのセクション。
波多野さんのキーボードは音数こそ少ないものの印象的でおしゃれなコードを使っており、時にエフェクターを噛ませたりとギタリスト的発想でユニークなサウンドを作り出していました。「物質的胎児」は以前も思いましたがここまで化けるとは。

ダブルアンコールではまさかの新曲。
「まだできていない曲、Recもまだ」ということですが、Wall,Windowの流れを汲む落ち着いた雰囲気のいい曲でした。これはリリースが待ち遠しいですね。
そしてラストは「ヨーロッパ」。定番中の定番ですが、後半部分のポエトリー・リーディングからの轟音セクションは本当に神がかっていました。思わず息を呑むほどの美しくも暴力的な轟音。最高でした。

明日の追加公演、そして春からの全国ツアーと今年も活発なピープル。
「まだ何十年もやるつもりだから、何十年もついてきてほしい。」
ついていきますとも。