読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

森下唯「オールアルカン ピアノ・リサイタルvol.3 @すみだトリフォニーホール」

とても充実したコンサートでした!

 

 

□セットリスト

01.歌曲集第3巻 作品65

02.欲望

03.練習曲「鉄道」 作品27

04.すべての短調による12の練習曲  作品39より

  第8番~第10番《協奏曲》

En

05.エスキス 作品63より 「幻影」

06.サルタレッロ 作品23

 

CDには収録されていない「歌曲集」からスタート。

歌曲といいつつもピアノ独奏による楽曲集ですが、メンデルスゾーンの「無言歌集」からの影響も感じられるとのこと。6曲の短い曲からなり、歌曲と名付けるだけあって歌心にあふれたメロディが綺麗な楽曲が並びます。

ピアノがまさに歌っているような「ヴィヴァント」、遊び心の感覚が現在でも新鮮な「カノン」、場面転換が興味深い「オラースとリディ」などは特に面白く感じながら聴きました。森下さんは歌と伴奏を丁寧に描き分け、時にはピアニスティックな華麗な響きを引き出し、とてもカラフルかつ透明感のある演奏でした。

 

続いては「欲望」。インストアイベントでも聴きましたがホールの豊かな響きが加わるとよりいっそうロマンティックに聴こえました。メロディのいいところで調が変わったりと、ゆったりしつつも面白さのある曲です。

一呼吸おいたと思ったらすぐに「鉄道」。これもインストアでも聴いた曲ですが、ホールで聴くとよりメリハリが利いているように感じられました。低音が充分に響くことでより迫力が増し、汽笛もお見事。客席も興奮に包まれました。

 

休憩を挟んで、メインである「協奏曲」。

全部で50分の大作ですが、終始心地よい緊張感を感じながら聴いていることができました。1楽章の展開や2楽章のこれでもかという泣きメロ、3楽章のまさに蛮族風という荒々しさと、アルカンの魅力を存分に堪能することができました。

森下さんの演奏も驚異的。技巧的な部分はもちろんですが、特に感動したのは弱奏部です。音量やタッチから、ふわふわっとした音色、エッジの利いたパリッとした音色を巧みに使い分け、伴奏パートとメロディパートを時に分離させ、時に融合させながら多様なサウンドを作り上げていました。

 

アンコールは静かでゆらめくような雰囲気のエスキス「幻影」と、これぞアルカン!な「サルタレッロ」。サルタレッロは初めて聴きましたがとても面白い(そしてやはり難しそうな)楽曲でした。楽しそうに演奏していらっしゃったのが印象的。

 

とても楽しい時間でした。

歌曲集は非常に素晴らしかったので、音源化も期待したいです。

私も、すっかりアルカンが好きになってしまいましたよ。