Tokyo Rock'n Sax「Permanent」

Permanent

Permanent

日本のクラシック界の注目株、松下洋さんのプロデュースによるアルバムを聴きました。
サックスアンサンブル+ドラムという編成で、70年代のロックの名曲群をカヴァーするというもの。

このバンドの存在は@kuri_saxoさんのブログ等から知ってはいて、気にはなっていたのですが、ようやく音源に触れることができました。
そして、期待半分怖さ半分で「21st Century Schizoid Man」をまず再生し…完全に打ちのめされました。

King Crimsonのサウンドが鳴っている…。
ロバート・フリップが、イアン・マクドナルドが演奏しているかのようなあのひりついたサウンドが再現されていたのです。
サックスだけでやってみたいと思いつつもどこかで「無理だ」と諦めていた境地に、1stにして到達してしまっている。

原曲のトレース度合ではYesの「Roundabout」も相当なもの。
特に中盤の静かな個所でのソプラノの早く息の長いパッセージなどは、本当にサックスに聞こえず、リック・ウェイクマンが弾いているかのよう。

また、全編にわたってドラムも素晴らしい。
サックスだけではエッジに欠ける部分を補ってあまりある活躍であり、ツボを押さえたプレイが心憎いです。

クラシックな室内楽+ドラムという編成はフィンランドの「アポカリプティカ」(これはチェロアンサンブル+ドラム)などがあげられますが、それに負けないくらいの面白いジャンルができたと思います。
このバンドの活動がプロジェクトなのか継続的なものなのかは不明ですが、個人的には作品を重ね、オリジナル楽曲などにも挑戦していってほしいと思いますね。

サックスでもロックがぶちかませることを高らかに宣言する小気味の良い作品でした。