People In The Box「空から降ってくる vol.9 ~劇場編~ @ めぐろパーシモンホール」

□セットリスト

第1部
01.野蛮へ
02.見えない警察のための
03.時計回りの人々
04.数秒前の果実
05.さまよう
06.空は機械仕掛
07.ニコラとテスラ
08.きみは考えを変えた
09.昏睡クラブ
10.ダンス、ダンス、ダンス

第2部
11.木洩れ陽、果物、機関車
12.球体
13.She hates December
14.新曲
15.新曲
16.動物になりたい
17.冷血と作法
18.金曜日/集中治療室
19.逆光
20.汽笛

 

2017年最初のライブはピープルでした。

「空から降ってくる」はレコ発以外のタイミングで、Peopleにとって節目のタイミングで開催されてきたライブシリーズです。私はvol.2以降すべて参加しているはずです(ツアー形式は東京のみですが)。

 

今回もそうでしたが「劇場編」とサブタイトルがつく場合もあり、アコースティック編成でのステージと通常の編成でのステージで構成されます。

最近はアコースティックステージで使用される楽器がどんどん多様化していて、観ていても楽しいので個人的にとても好きなシリーズです。

 

今回の大きな変化はGt,Voの波多野さんの楽器がさらに増えていたこと。

鍵盤楽器のような機材(角度的にあまり見えなかった)で、リアルタイムに自分の声を使ってコーラスを生成するというもので、コーラスとメインボーカルの対比をうまく使い、時には合唱隊のように、時にはソロと伴奏のように声を編んでいくさまは新たな領域を感じさせてくれました。

どこか神聖さを感じさせる「野蛮へ」にはじまり、サビの疾走感をゆるい開放感へ転換した「見えない警察のための」など、どの曲もすばらしいアレンジで披露されました。いつも感じますが、本当にアレンジ力の高いバンドです。

「昏睡クラブ」ではDrの山口がまさかの「ドンキで売ってる鳥の鳴くおもちゃ」パート担当に。客席からも思わず笑いが漏れていました。耳鳴りの部分では私も耐えきれませんでしたが。

 

転換中は劇場ならではの映像作品の上映(これも恒例!)が行われ、続けていつものバンド編成でのステージへ。客席は結局、終演まで着席しっぱなしでした(久しぶりすぎて、みんな立ち上がるタイミングを逃した感もややありますが)。

発売したばかりの「木もれ陽、果物、機関車」はライブで聴いても暖かいサウンドが印象的な楽曲。初期の名曲「She hates December」の後は新曲3連続。最近のモードの正統進化なイメージの1曲目、語りが入ってちょっと以前の曲のような展開の激しさを見せた2曲目、これまでも披露されていた「動物になりたい」。どれも素晴らしい曲で、これから制作に入るであろう次作への期待がとても高まりました。早くリピートしたい!

盛り上がる曲を挟んで最後の「汽笛」も非常に感動的。メンバーによるコーラスも精度を増しており、終盤の盛り上がりから最後のアウトロの余韻まで、とても綺麗でした。

 

かつてほどのガツガツさはなくなり、ライブも落ち着いてきましたが、彼らから感じるのはやはり「納得のいくものを作って、出していきたい」という姿勢のぶれなさ。

ファンとしてはそういうところがやはり嬉しいし、これからも目が離せないなと思うのです。