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Trouvère Quartet「Typsy Tune」

トルヴェール・クヮルテットの新作が出ました。

 

Tipsy Tune

Tipsy Tune

 

 

私は中学、高校時代に吹奏楽部に所属しており、サクソフォンを担当していました。今でもサクソフォンは細々と続けていますが、やはり一番情熱を持って取り組んでいたのは学生時代でしょう。ちょうどその時期に日本のサクソフォン界のアイドル的存在だったのがこのトルヴェールです。

 

シリアスなクラシック曲からユーモラスなメドレーまで、ジャンルにとらわれない選曲をしつつも自らの語法で「トルヴェール流」にしていくスタイルは、ロマン派の印象を受けます。

 

このアルバムでも基本的な路線は同じ。

ジャンジャンの「サクソフォン四重奏曲」はアンサンブルコンテストでもよく取り上げられる曲です。わかりやすく演奏しやすい内容ですが、音源はあまり多くないのでトルヴェールの演奏で聴くことができるのはうれしいところ。技術的には比較的容易なぶん、いっそうメンバーの表現力が楽しめます。

ドビュッシーの「弦楽四重奏曲」は難曲。元は弦楽ですが、トルヴェールは必要以上に弦を意識することなく、サクソフォンとしてのサウンドを存分に楽しませてくれます。この曲はやや暗いイメージを持っていましたが、トルヴェールが演奏するとポジティブ成分が強調されて聴こえるのも興味深いですね。

 

クレリスの「かくれんぼ」では演奏を楽しんでいるさまがありありとわかります。特に中盤~終盤の表現(ソプラノ!)などはやはり「トルヴェールならでは」。作曲家の意図をくみつつ、「もし作曲家が現在のサクソフォンの表現力を知っていたら…?」と想像を掻き立てられるようです。

タイトル曲、長生淳の「ティプシー・チューン」はジブシー関連の音楽を集めたメドレー。有名曲をミキサーにかけて一気に流し込むようなハイスピードの展開はいつも通り…というかいつも以上にノリノリな気がします。

 

オリジナル曲、アレンジ曲、面白メドレーと、トルヴェールの成分をバランスよく詰め込んだ、満足度の高いアルバムに仕上がっています。

じっくりと味わいたいと思います。