東京佼成ウインドオーケストラ「第145回定期演奏会」

 

01.前奏曲とフーガ 変ホ長調「聖アン」BWV552(J.S.バッハ/D.ハンスバーガー編)
02.楽しい鐘の音(J.S.バッハ/P.グレインジャー編)
03.ウィンド・アンサンブルのためのシャコンヌJ.S.バッハ/伊藤康英 編)
04.デチューン(酒井健治)
05.吹奏楽のための協奏曲(高 昌帥)

 

TKWOの定期演奏会に行ってきました。
指揮は正指揮者の大井剛史さん。

 

前半はバッハの編曲もの、後半は吹奏楽オリジナルという構成。

BWV552はストレートな編曲で整理された和音が綺麗。まるで一人がオルガンを弾いているかのように同じ方向を向いて団結したサウンドと、吹奏楽ならではのカラフルさを楽しむことができました。
続くグレインジャーでもその響きは同様で、よりビートを感じさせる編曲も相まってとても満足度の高い演奏に仕上がっていたと思います。

 

そして前半の山場であるシャコンヌは圧倒的な出来。伊藤さんの編曲もものすごいのですが、構築力がものすごい。こんなにドラマティックな曲になるとは。大井さんの棒はいつも通り端正。締めるところは締めつつも奏者にゆったりと表現させ、楽しい緊張感を味わいました。

 

後半は委嘱新作のデチューンから。複雑な響きや音量操作の指定によるクローズアップ、反復による意識付けなど様々な仕掛けがあり、わくわくしながら聴くことができました。コンテクストを使ったメタ的なフレーズの使い方って面白い発想ですね。また聴きたいです。

 

最後は吹奏楽のための協奏曲。バルトークを想起させるタイトルですがその名の通り、各パートに難所が用意された大変な難曲でした。しかしTKWOの演奏は本当に見事。オーボエコントラファゴット、アルトフルートやクラリネットをはじめとしたソロも素晴らしく、25分が本当にあっという間でした。

 

いつもは2階席から聴いているのですが、今回は1階席の前方で聴いてみました。バランスはやはり2階席で聴いた時のほうがよいのですが、各パートの息遣いや細部は近い分聴きとりやすく、ハマってしまいそうです。

 

来期の演奏会予定も発表され、どれも期待できる内容ばかり。できれば全部聴きに行きたいですよね。楽しみです。