吉井和哉の久しぶりのアルバム。
近年はスタンダードなロックンロール路線になっている吉井。
今作でもその基本的な方向性は変わっていない。
全10曲41分とさらにコンパクトにまとまり、さらっと聴ける。
また、これまでの彼の特徴でもあった陰鬱な部分がかなり薄くなっており、どこかカラッとした印象を受ける。
ソロ初期の毒素たっぷりの吉井和哉が好きだった身としては若干寂しい気もするが、自然体が今のモードなのだろう。
ドヴォルザークのメロディを思い起こさせる「Hattrick'n」は39108の頃を思い起こさせるスピード感たっぷり。
しっとり歌い上げる「TOKYO NORTH SIDE」やサビのコーラスが絶品の「You Can Believe」、遊び心な「迷信トゥゲザー」。
わかりやすいほどラモーンズな「Step Up Rock」など、様々なスタイルでのロックを駆け抜け、シングル曲「クリア」がエンドロールのように鳴り響く。