トベコンチヌエド。

CDやコンサートの感想を主に書いています。

2026年7月に聴いた音楽

マジで仕事しかしていません。

 

King Crimson「2014NYC」
2015年の日本ツアーの各公演アルバムが発売されたのも記憶に新しいですが、その少し前、トリプルドラム編成の萌芽の時期のクリムゾンのライブ音源群がリリースされるようです。サンプラーとしていくつかの公演からいいところを抜粋したアルバムが登場。のちにひとつの完成形をみて活動停止するトリプルドラム編成のはじまりの記録としても面白いですし、各メンバーの個性がぶつかりあう様はスリリングでもあります。

 

Lucy「ROCKAROLLICA III」
BUCK∞TICKの活動がいったん落ち着いて、今井寿の次の手は?と思ったら20年ぶりのLucyの活動とのこと。私は以前の活動を知らなかったので今回が初見になりますが、今井のざらざらした感触とKiyoshiの艶やかな声の対比が素晴らしく、かなり満足度の高いロックンロールでした。

ROCKAROLLICA Ⅲ [通常盤] [CD] - Lucy

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  • アーティスト:Lucy
  • ビクターエンタテインメント
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ザ・クロマニヨンズ「ザ・クロマニヨンズ ツアー JAMBO JAPAN 2025-2026」
クロマニヨンズは常に最高です。最低限の編成、最低限の構成で次々と畳みかけられる楽曲群はきわめて爽快ですし、あらためてカツジさんのドラムは心地いいなと思いますね。

 

剣持刀也「Augment」
にじさんじ初期を支えたVtuberのミニアルバム。ピノキオピーはじめ彼の世界観を十二分に生かした楽曲が並び、もともと持っていたサブカル、ニコニコ的フレーバーからオシャレなサウンドまで幅広く、純粋に完成度が高くて嬉しい驚きでした。

 

黒夢「Drug TReatment 2026 / CORKSCREW 2026」
黒夢の新たな手はまさかの再録。復活後の黒夢は歌ものを強く打ち出した楽曲が多かったですが、過去曲はもっとパンク的というか、反骨心が溢れたものが多く、実際、そういうところも魅力だったのですよね。再録ではソロで培った聴かせるヴォーカルが心地よく、演奏もクリアなので味変としてかなりおいしく楽しめました。

CORKSCREW 2026 【通常盤】(AL) - 黒夢

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  • アーティスト:黒夢
  • ヤマハ(YAMAHA)
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Angine de Poitrine「Vol.II」
フジロックにも来たらしいですね。あまりチェックしていなかったのですがタワレコ店頭で初見。デュオでありつつルーパーなどを利用して多層的な表現をしており、大変面白いと思いました。

VOL.II (輸入盤)

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Primus「A Handful of Nuggs」
カリガリの変態スラップの元ネタのひとつであるプライマスの新曲EP。あいかわらずやばすぎるベースプレイを堪能することができて大満足です。

 

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DIR EN GREY「MORTAL DOWNER DAY1 @ 東京ガーデンシアター 2026/7/18」

DIR EN GREYはDOZING GREENの頃に聴き始めたのですが、今回ようやくライブに参加することができました。

 

UROBOROS、DSSなどはかなり熱心に聴きこんでいたのですが、当時は学生であまりライブに行っておらず、社会人になってからはアルバムは買うもののそこまでのめりこんでいなかった…という背景からなかなかライブに足を運べていなかったのですが、最新作「MORTAL DOWNER」の素晴らしさに、これはやはり見ておかねばと思った次第。

 

■セットリスト
01.ISOLATION
02.no end
03.灰燼に帰す
04.蜿蜒
05.Discard
06.There's nothing else
07.The Devil In Me
08.谿壑の欲
09.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
10.MOBS
11.Void
12.カムイ
13.人間を被る
14.Demand
15.盲目が故に

En.
16.Bloodline
17.DOZING GREEN
18.AGITATED SCREAMS OF MAGGOTS
19.鱗
20.詩踏み

 

ガーデンシアターはクラムボン、聖飢魔IIでも観に来たことがあります。8000人規模という広い会場ながらも演奏者が近く感じられ、スクリーンやステージの大きさも相まってアーティストごとに全く異なる印象を与えてくれる、いい会場ですね。

 

セットリストは最新アルバムの大半の曲をほぼ曲順に並べつつ、他アルバムの曲をいくつか挟む構成。ただし最後のno endが冒頭に配置されており、意表をついてきました。

 

音響はヴォーカルとドラムがとても大きく、弦楽器隊はそれを埋めるように敷き詰められたバランス。各楽器も聴きやすく、大音量ですがしっかり味わうことができました。ややベースが埋もれがちというか細かい動きが見えづらかったですが、広い会場なのでそういうものでしょう。

 

私は4階席で周囲は男性ファンが多く、終始デスボイス含む大熱唱だったのですが、本人たちの音量が大音量なこともあり、意外なほどきにならなかったです。普段行っている他のバンドなどではここまでずっと客席が歌い続けているライブはなかったので、カルチャーの違いにやや面食らいました。

 

また、印象的だったのはスクリーンに映し出される映像の数々。
確か彼らはAI企業との提携を発表していたと思いますが、ライブに来るまでは具体的にどういう提携なのかピンときていませんでした。しかし、楽曲の世界観に合わせた尖った映像群(バイオレンス、グロテスクなど、実写や手書きアニメーションでやると前例もコストも足りなそうな領域)をこれだけの量用意するのであれば、たしかにAIを活用するというのはひとつの解になるのだろうなと思いました。後半で出てきた魔女狩りの映像などは明らかにAIっぽすぎてちょっと微妙だったのですが、今回アルバム向けの楽曲での映像群はかなり完成度が高く、唸らせられました。しかし、AIって「前例を学習して最適解を出す」みたいなものだと思うのですが、それをこういった「ほかであまり見ないような表現」に適用するのは実際どうやっているのかとても興味がわきますね。

 

演奏もたいへん素晴らしかったです。最新作での楽曲群は今までとはガラリと変わり、メロディ主体やリフ主体というよりリズム主体というか、ビートの強さがかなり特徴的だと思っています。ライブで聴くとその身体性がとても活きていて、ずっと心地よく音楽を感じ続けることができました。

 

映像作品などを見た限りではかつてよりも落ち着いたのかなとも思っていたのですが、実際に会場で聴くと京のマイクを床にたたきつけたりころがしたりによるノイズがかなり音として存在感があり、驚きました。わかりやすい自傷的行動こそ減っても、こういった尖りの部分は今でも健在であり、それが楽曲などでのいい意味での中二病っぽさを保てている秘訣なのかなとも思いました。

 

先述の通り、客席もかなり沸いていて声援や歌も大きかったのですが、シリアスな曲の後では完全な静寂が訪れたりしており、やはりいろんな意味でカルト的バンドだなと感じましたね。

 

アンコールでは私が彼らを好きになったきっかけの2曲、DOZING GREENとAGITATED SCREAMS OF MAGGOTSが連続で披露され、さすがにブチ上がりすぎてしまいました。
音楽だけでなく映像からの主張も色濃く、摂取するにはたいへん体力が必要なのでそう頻繁には…とは思いますが、また機会があれば観に行ってみたいです。

 

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東京佼成ウインドオーケストラ「第174回定期演奏会 @ 東京芸術劇場 2026/7/5」

2026年度シーズン2回目は常任指揮者の大井さんの回。マスランカの交響曲チクルスも半分を迎え、今回は第3番が取り上げられました。

 

■曲目
01.交響曲第3番(D.マスランカ)
02.吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」(高昌帥)

 

01.交響曲第3番(D.マスランカ)
音階ユニゾンの基礎合奏からはじまるインパクト抜群の導入から、マスランカらしい瞑想曲と激しい曲を行き来しつつ最後には静かに終わる文学的な曲。

 

マスランカの魅力としていちばん最初に目につくのはやはり3楽章に代表される、嵐のような圧倒的パワーになるのですが、チクルスの回を重ねて見えてくるのはやはり静謐な瞑想曲にこそ彼の言いたいことが詰まっているのではないかということ。技巧的というよりはイメージ先行での作曲方式らしく、実際、後半のラメント2曲はあまりわかりやすい共通動機があるわけでもありません。何かマスランカからの確固たるメッセージを受け取ろうとするよりも、マスランカがあれこれ考えたその経路を追体験するような受け取り方をしたほうがいいのかなとも思いはじめました。そういう意味でも、哲学的な作曲家であると言えるのかもしれません。

 

また、こうして回を重ねて見えてきたのは、我々日本人との自然との向き合い方の違い。マスランカの描く自然はサバンナ的というか、空間がかなり大きいなと感じます。広大な平野にひとり、自然と一対一での対話をしているような価値観を感じるのですね。日本だとそういう見渡すかぎり地平線、みたいなものは想像しづらく、もっと要素がギュッとしているようなところもあると思うので、その前提が違いそうだぞ、というのを踏まえてチクルス後半戦にも臨みたいと思いました。

 

02.吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」(高昌帥)
名課題曲「吹奏楽のためのラメント」のあとに作曲された4曲をまとめた大作。別々に作曲されたもののうっすらと構想はあったようで、動機がある程度共有され、統一感が強く交響曲的に楽しめます。一楽章が最後に書かれたというのがミソで、後続楽章に現れる要素を先取りするような書かれ方をしており、そういう意味ではフィナーレ的な第一楽章ともいえそう。なかなか全曲演奏されることは少ないですが数年前にオオサカシオンでも録音が出ており、再評価の機運を感じる楽曲です。


1、2楽章のわかりやすい鳴らすパートの完成度が非常に高く、アンサンブル的にも大合奏的にも瞬時に切り替わる高機動な東京佼成の真骨頂が見えたかなと思います。3楽章でのわかりやすい歌メロも良く、アタッカでの4楽章でも各ソロの美しさや精度の高いトゥッティを堪能できました。

 

いずれも録音で聞いたときはちょっと理解しきれないなというところのある曲だったのですが、やはり実演で聴くと細やかな仕掛けがわかり、特に弱奏部の響きの重なりは現地で聴いてこそですね。

 

次回は9月。気づくと日付がどんどん進んでいて怖いですね。その頃には仕事が少しは落ち着いていますように。

Coaltar of the Deepers/特撮「ARLY PRESENTS VERSUS @ 横浜ReNY Beta 2026/07/04」

最近仕事が忙しく、なかなかギリでしたが、観に行けました。
どちらもワンマン何度も行ったことがある大好きなバンド。

 

開演時間の10分前くらいにつきましたが、ソールドアウトだけありなかなかの客入り。DJ ARLYによるDJステージがすでに始まっていました。

 

■Coaltar of the Deepers
01.Cell (Final Point Mix)
02.Earth Thing
03.EVIL LINE
04.Waterbird
05.Submerge (The Theme From Red Anger)
06.PULSAR TIMING
07.SHIOSAI
08.LANGSAM BLUT
09.Not For Sale
10.Half Life [Japanese Ver]
11.Killing Another

 

今回は初期作品のレコーディングメンバーであるビジターズチーム。NARASAKIさんは歌に専念のスタイルでした。驚いたのは会場の音の良さで、各楽器がしっかり聴こえつつもヴォーカルが前に出てきて聴きやすく、シューゲイザー感ありつつも歌メロも見えて良かったです。

 

初期曲多めかと思いきや、新しい曲も多く、はじめてライブで聞く曲もありお得感あり。中でもSHIOSAIは映像演出もあり綺麗で印象的でした。Submergeも何度聴いてもいい曲。あといい音で聴くと特に感じたのはカンノさんのドラムのすごさで、メリハリがあり、高速ビートのハネ具合などテクニカルで素晴らしかったです。

 

■特撮
01.オム・ライズ
02.ロードムービー
03.人として軸がぶれている
04.オーバー・ザ・レインボー~僕らは日常を取り戻す
05.殺神
06.I wanna be your Muse
07.荒井田メルの上昇
08.ハザード
09.ヤンガリー
10.バーバレラ
11.テレパシー

 

NARASAKIさんはギターに持ち替えて連戦。ベースはおなじみのRIKIJIさん。ARIMATSUさんの切れ味よいドラムと合わさって最高のサウンドでした。三柴さんのピアノもたっぷり聴こえて満足。

 

よくライブでも聴く曲多めのセトリでありつつも、ハザードが入っているのがいいアクセントになっており、この曲に衝撃を受けてフューネラルドゥームを聴き始めた当時のことを思い出しながら聴いていました。ヤンガリーでのヘヴィな音像も素晴らしかったです。

 

とにかくずっと好きな曲が続くという最高のライブでした。また対バンしてくれるといいな。

 

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2026年6月に聴いた音楽

Osaka Shion Wind Orchestra「鈴木英史: 交響曲第1番」

まさか半年の間にオオサカシオンから天野正道作品集と鈴木英史作品集がリリースされるなんて思わないじゃないですか。マジで感謝、助かりすぎる、ありがとう…。

鈴木英史作品の中でもコンクールで取り上げられることの少ない演奏会向きの作品を主として構成され(信長とチンギス・ハーンはややそちら向きですが)、交響曲第一番が目玉として配置。ダグラス・ボストックの提案により中間楽章がプラスされた改訂版による演奏です。聴いてみると確かに動機のつながりなどは1、3楽章でまとまっているのですが、スケルツォ楽章が挟まれたことでぐっとメリハリが出て聴衆目線として聴きやすくなっており、とても興味深いです。演奏も素晴らしく、クリアかつ熱量のある演奏はボストックさんを定期的に迎えるようになってさらに進化中のオオサカシオンの特色といえるでしょう。鈴木英史さんのオリジナル曲というとカントゥスのような響きをメインで押していくイメージが強かったですが、それだけでない手札の多彩さが見えてそこも嬉しいですね。

shionshop.base.ec

 

Voivod「Symphonique」
カナダのスラッシュメタルバンドによる、オーケストラとの共演作。もともとSF的要素による奇妙なサウンドや複雑な構成はオーケストラと親和性が高く、期待通りのマッチ具合を楽しむことができます。特にもともとバルトークの「中国の不思議な役人」の引用などを含むThe End Of Dormancyが白眉。選曲は彼らの定番曲が多いわけではなくややマニアックではあるのですが、ここから入門もかなりアリだと思います。

 

植松伸夫「メレグノン:ハート・オブ・アイス」
植松伸夫の新作はナレーション付きフルオーケストラ作品。メレグノンという物語音楽シリーズがもともとあり、プロデューサーの好きなゲーム音楽家に作曲を依頼しているプロジェクトのようで、前作は下村陽子さんが担当したようです。植松さんは作曲を担当し、オーケストレーションが別途施された模様。もともとファイナルファンタジーのサウンドトラックを作っていた人なので、状況描写はお手の物と言うところか、のびのびとした筆の乗り方を感じます。弦、木管、金管、打楽器それぞれにモチーフキャラクターが割り当てられ、その絡み合いで物語が進んでいきます。オリジナルは英語ナレーションですが、日本盤では日本語ナレーションに差し替えが行われ、大変嬉しい配慮。
植松さんのプログレロックサイドとは少し違った、柔らかなメロディサイドが好きな人に特におすすめです。

 

花譜「深愛」
花譜のオリジナルアルバムもとうとう5枚。カバーアルバムや別名義のソロプロジェクトも含めれば膨大な曲数がレパートリーであり、その精力的な活動には驚くばかり。amazarashiフォロワーであったカンザキイオリ体制からの脱却後、多様な作曲家とのコラボレーションを重ねながらダンスミュージック感を増した前作がありましたが、今作は更に一歩踏み込んで等身大のメッセージを見せに来てくれている感がありました。神椿はクローズドなコミュニティを作って、ある意味ではカルト的な人気の出し方をしてきたと思いますが、メジャーに踏み出してマスをとりにいくという方向性とも合致した、開いた作品になっていると思います。個人的には大歓迎。

深愛 (AL) (通常盤CD) - 花譜

深愛 (AL) (通常盤CD) - 花譜

  • アーティスト:花譜
  • PHENOMENON RECORD / avex trax
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曇ヶ原「幻日夢」
重要な役割を持っていた前任のベースボーカルが脱退し、どうなることかと思っていましたが、ものともしない快作がリリースされました。フォーク的なノスタルジーは保ちつつも、さらにテクニカルでプログレ。ヴィジュアル系も彷彿とさせる伸びやかなヴォーカルも良いですし、爆発力のある楽曲群は頼もしさすら感じます。最後の30分にも及ぶ大曲も組曲形式で飽きさせず、反戦的メッセージもありで今としてのプログレを体現してくれているなと思いました。聴き込みたい。

幻日夢

幻日夢

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DEAD END「四鬼夜行 -七喰- @ Spotify O-EAST 2026/06/16」

念願のDEAD ENDを観てきました。四鬼夜行は11年ぶりとのこと。
ギタリストYOU(足立祐二)さんが2020年6月16日に亡くなってから6年。
MORRIEさんによるセルフカバー的なプロジェクトこそあったものの、DEAD ENDとしてのライブはその後はじめてだったのではないでしょうか。

 

・NIGHTMARE
MORRIEのDEAD ENDセルフカバーバンドThe Dead of Night CitYに参加している咲人さんのいるバンド。デスノートの主題歌も担当したことのあるメジャーなバンドです。

 

01.Reach for
02.ASSaulter
03.[N]
04.アルミナ
05.HATE
06.the WORLD

 

そこまでしっかり聴いてこなかったナイトメア。ライブを観るのもはじめてでしたがとても良かったです。前に出て煽るベースや役割分担のはっきりしたギターなど各メンバーの個性が初めて見る人間にとってもよくわかり、特に咲人さんのギタープレイはたいへん楽しく見ました。イントロやバッキングではタッピングを絡めたテクニカルなフレーズでフックを作りつつ、ギターソロでは長い音でしっかり響かせて注目を集めており、ギターヒーロー然としていました。

 

・The Legend Of Rose [Jill岡垣プロジェクト]
テラ・ローザのメンバーである岡垣正志さんと、過去在籍メンバーである三宅庸介さん、関勝美さん、堀江睦男さんに、荒木真為さんをヴォーカルに加えたバンド。テラ・ローザはYOUさんが過去在籍したこともあり、YOUさんの書いた曲も演奏されました。

 

01.One of Sections "Lap"
02.もの言わぬ顔
03.The Endless Basis
04.Vision of the Lake Bottom

 

テラ・ローザは聴いたことがなかったのですが、めちゃくちゃ当時の空気感のあるサウンドで、まさに様式美ハードロック。三宅さんの流麗なギターソロと岡垣さんの世界観のあるキーボードの上で伸びやかに歌う荒木さんのハイトーンが冴えていました。30分枠で10分の曲をやるの、攻めてますね。
曲の途中で地震があり一時中断もありました。が、状況確認後に再開。こういうこともあるんですね。

 

・cali≠gari
MORRIEのDEAD ENDセルフカバーバンドThe Dead of Night CitYに参加している村井研次郎さんのいるバンド。

 

01.淫美まるでカオスな
02.赤色矮星
03.東京亞詩吐暴威
04.颯爽たる未来圏
05.香る終焉に3のアーキタイプ
06.Blue Vices (DEAD END カバー)
07.東京アーバン夜光虫
08.一つのメルヘン

 

終活に向けて9月まで充電中のcali≠gariですが、誘ってくれたDEAD ENDに感謝ですね。
赤色矮星のようなメタリックな曲を入れつつ、最近のcali≠gariのかっこいいところが堪能できるセットリストでたいへん良かったと思います。音響がやや分離が悪く、ベースのテクニカルなフレーズが聞き取りづらめだったのは少し残念でしたが、気合の入ったステージでした。DEAD ENDのカバーもあり、リスペクトが感じられてとても楽しかったです。

 

・DEAD END
MORRIEさんと"CRAZY" COOL - JOEさんに加え、サポートで藤本泰司さん、菊地英二さん。菊池さんはイエローモンキーのメンバーですが、MORRIEのDEAD ENDセルフカバーバンドThe Dead of Night CitYにも参加しています。

 

01.Dress Burning
02.DANSE MACABRE
03.Good Morning Satellite
04.I Can Hear The Rain
05.Night Song
06.Phantom Nation
07.Frenzy
08.Sacrifice of The Vision

En,
09.Blind Boy Project (DEAD END + cali≠gari)
10.Embryo Burning (全体セッション)

 

初期曲が多めで、これぞという感じ。MORRIEさんの声は生で聴いてもやはり唯一無二で、振る舞いやビブラートのかけ方に後輩ミュージシャンたちへの影響も感じ、諸々のルーツとなった人なのだなという感慨が。藤本さんのギターも華麗でたいへん素晴らしく、クールジョーさんの華やかなステージングも印象的でした。DEAD ENDは2人体制になりましたが、今後はこの日に四鬼夜行をやっていきたい、来年は何か動きがあるかも、というようなアナウンスもありました。

 

アンコールは全体セッションと思いきや、cali≠gariとDEAD ENDの混合バンド。DEAD ENDのトリビュートでcali≠gariがカバーした曲を、まさか本家と一緒に実演するのを観る日が来るなんて。ビブラートのかけ方が似ている2人のハモリが大変素晴らしく、MORRIEさんがメインをとり、石井さんが高音でハモリを入れるところなどはこのまま音源化してほしいと思うほどでした。石井さんはこういうセッション系に出てくるのは大変珍しいため、本当にDEAD ENDさまさまです。

 

全体セッションもすばらしく、技巧派ギタリストたちのソロを順番に堪能したり、ベーシストたちの豪華な競演を観たりと忙しかったです。そしてみんなに見せ場をつくろうという動きが強く、やはりMORRIEさんは気遣いの人なのだなというのが振る舞いからもわかり良かったですね。

 

大変満足度の高い、濃密なイベントでした。
同時にcali≠gariのカウントダウンの開始をあらためて感じ、できるだけライブを観ておこうという気持ちに。次も楽しみです。
DEAD ENDの今後の動きにも期待。初期アルバムの再録とかがあったっていい(今の発声で聴きたい曲、たくさんありますよね)。

 

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People In The Box「無限会社 初夏の社員研修 @ 渋谷 QUATRO 2026/06/07」

1年半ぶりにPITBを観てきました。

 

■セットリスト
01.スルツェイ
02.レントゲン
03.かみさま
04.映画綺譚
05.潜水
06.沈黙
07.聖者たち
08.新曲1
09.新曲2
10.市場
11.技法
12.戦争がはじまる
13.Alice
14.無限会社
15.ユリイカ
16.水晶体に漂う世界
17.ヨーロッパ
En.
18.旧市街

 

とても素晴らしいライブでした。
ちょうど前日にフレックス編成という、同じ曲を色々な編成で演奏できる試みのクラシック演奏会を聴いてきていたのですが、People in the boxはまさにフレックス編成。レコーディングバージョンはあくまで一つの基盤であり、ライブのたびに有機的な変更が行われる、バンドらしいバンドといえるでしょう。

 

そういう即興性を重視したバンドだとインプロヴィゼーションのパートを長くとっていたりセッション的だったりすることが多いのですが、彼らの凄まじいところは、プログレ的な構築美を保ちつつも極限まで自由であること。その曲としての骨組みは十分に保たれているのに大胆なリズムパターンの変更やグルーヴの取り方の変更により全く新しい印象を残す曲の数々にとにかく圧倒されっぱなしでした。

 

懐かしい曲も多かったです。レントゲンや市場、技法あたりは久しぶりにライブで聴いた気がします。以前は、この辺の時代の曲は今と比べると社会に目を向ける前あるいは向け始めたくらいという認識だったのですが、あらためて歌詞を聴くと(ライブなのにめちゃくちゃ歌詞が聴き取りやすいのも驚異的!)、最初から社会への目線は確固としてあったのだなあという気づきもありました。また、そこの捉え直しもあってか、一時期よりも過去曲への没入感のある演奏になっていたように思います。

 

いちばん驚いたのは沈黙で、もともとリレコーディング版でメシュガー的リズム解釈が行われたりと余白の大きい曲でしたが、今回はビートの感じ方でとても遊びが大きく、疾走感のあるドラムと浮遊感のあるメロディが心地よい酩酊感を生んでいました。こんなに変拍子な曲でやれるアプローチじゃないと思いますが、凄すぎる。

 

新曲もとても良かったです。逆光のように最初からフルスロットルだった1曲目が特に良く、何度も場面が変わるプログレ感にワクワクしました。後半の無限会社からのブロックではさらに即興性が強まり、幸福な時間でした。

 

MCでは社員研修ネタでのコール&レスポンスなど。合間合間でスピだ、などと笑い話にしていましたが、社会に対する問題意識の控えめな発露であることもわかります。それでいて、主張の形まで輪郭を持たせることなくふんわりと着地させるのは素直に発言できないを自認する彼らの美点だなと思いました。
ラビットホールから20年経つようです。私が彼らのファンになったのはゴーストアップルからですが、それでも時は流れたなあと。

 

本編ラストはヨーロッパ、アンコールは旧市街。何度も聴いた曲ですが、今回もまた新しい表情が聴けました。静と動のコントラスト。また動の強靭さが増してきた気がします。今年後半にもツアーがあるとのことで、また聴きに来たいです。