Dream Theater「Top Of The World Tour @ 日本武道館」

Dream Theaterを観てきました。
アルバム自体はそれなりに聴いてきていますが、ライブを観るのは初めて。
特に最新アルバムである「A View From The Top Of The World」はマンジーニ加入後の作品の中でも好きなアルバムだったので期待していました。

 

■セットリスト
01.The Alien
02.6:00
03.Sleeping Giant
04.Bridges In The Sky
05.Caught In A Web
06.Answering The Call
07.Six Degrees Of Inner Turbulence: VI. Solitary Shell
08.Six Degrees Of Inner Turbulence: VII. About To Crash (Reprise)
09.Six Degrees Of Inner Turbulence: VIII. Losing Time / Grand Finale
10.Pull Me Under
11.A View From The Top Of The World
12.The Count Of Tuscany

 

今回のツアーの標準セットリストと同一で、新作から多めに採用しつつも目玉としては「Six Degrees Of Inner Turbulence」後半があることでしょうか。

武道館には久しぶりに行きましたが、今回は1階席、2階席は南西、南、南東スタンドのみ開放。ただ開放している座席分についてはほぼ埋まっていたように思います。

バンドの後ろには大きなスクリーンが配置され、楽曲に合わせて映像が流されました。メンバーの演奏アップなどはなしでしたが、これはこれで楽曲のストーリー性や世界観を感じつつ聴くことができたので良かったです。

サウンドは武道館らしくあまりよくはなく、音量が飽和していて聞き取りづらかったり、前半はギターが聞き取りづらかったりという感じでした。武道館を体感するという高揚感はあったものの、次の機会があったらもっといい音で聴きたいというのが正直なところ。

 

ライブは最新作からの「The Alien」で幕開け。変拍子ながらもキャッチーであり、最高のオープニングでした。
ラブリエは歌が入るところから出てきましたが、そのあともインストパートになるたび走って裏にいったりとかなり動く人なんだなという印象。
特にソロの間で舞台の下手から上手端まで縦横無尽に走り回る様子は楽しそうで嬉しくなりました。

 

前半は最新作の合間に旧作を混ぜる構成でしたが、ここでも感じたのが最新作の曲の良さ。
「Sleeping Giant」「Answering The Call」ともにDream Theaterのおいしい部分が詰まっている曲で10分程度の中にいろいろな展開が詰まっていて見ていても楽しめました。
個人的には最新作では「Transcending Time」がお気に入りだったのですがそれは聴けず。

 

「Six Degrees Of Inner Turbulence」ではクリーンな響きやロックンロール的な響きが楽しめるパートが演奏されましたが、ここまでメタリックな音圧できていたので新鮮に楽しめました。音量がこれまでより抑えめなぶんペトルーシのギターの繊細さが堪能できました。

 

「Pull Me Under」はさすがに歓声も大きかったですね。ライブで聴くとより曲のツボがわかるタイプの楽曲だなと。同じメロディであっても拍子のとらえ方やアレンジを変化させることでいろいろな表情を付けるのはメタリカからの影響も確かに感じさせますね。ラブリエもここぞというところでは高音がしっかりでており頼もしかったです。また、全編通してですがおいしい音域での伸びやかな声はやはり凄く、あれだけの楽器隊に囲まれてもしっかり声が抜けてくるあたりはさすがだと思いました。

 

本編最後は最新作から20分の大曲「A View From The Top Of The World」。これもライブで聴くと解像度が上がるタイプの楽曲ですね。
特に前半で出てきたフレーズが最後でも登場し一貫性を持たせているな、などという気づきはライブで腰を据えて聴くと気づくところも多いです。
マンジーニのドラムの多彩さもよく感じられ、Dream Theaterでよく聴けるとても高いピッチのタムの音も堪能できました。

 

アンコールとして「The Count Of Tuscany」。これも20分ある楽曲です。
この日一番感動した演奏でしたし、この曲のときはサウンドもかなり良くなっていたと思います。
ペトルーシのメロディーを奏でる音色が本当によく、うっとりさせられました。中間部のボリューム奏法のところでは「星に願いを」のメロディを演奏するというサプライズも。
ボリューム奏法のときにペダルを踏んでいたように見えたので、スプリング付きのペダルでボリューム操作したりしているのかな?と思ったりしました。
後半の壮大なパートも最高で、伸びやかなラブリエの歌声と楽器隊のエモーショナルな演奏がよく絡み合っていたと思います。
最後のパートは客席全体での合唱となり、これも感動的な瞬間でした。

 

後半に大曲が連続していることもあり結構長く感じそうかなと思っていたのですが始まってみると全然そんなことはなく、もっといろいろな曲が聴きたいと思わせられるあっという間の2時間でした。
音源で聴いているとどうしてもテクニカルな面にばかり目が行ってしまうのですが、それを再現して世界観を伝えるという面でやはりライブに実際に足を運ぶことでわかることが多いバンドなのだなということもよくわかりました。次があればまた行きたいものです。