第2回吹奏楽カフェに行った話

前回に引き続き、TKWOの吹奏楽カフェに行ってきた。
平日夜なので比較的直前まで行けるか確証を持てないのが厳しいが、楽しいイベントなのでなるべく毎回行きたいところ。

 

今回は6月の定期演奏会で取り上げられるJ.マッキーの楽曲群について語る会。
指揮者の大井剛史さん、作曲家の中橋愛生さんに加え、ゲストとしてサクソフォン奏者の仲田守さんが参加してのトークとなった。

 

仲田さんはマッキー作品を日本に紹介したきっかけの一人であり、マッキー本人との交流も長いため、数々のエピソードを交えつつ、作曲年代順に演奏予定の曲に触れていく流れとなった。また、今回の試みとして「翡翠」の出版版より前の稿が配布され(もちろん最後に回収)、説明を聴きながら楽譜を手元で確認できるという大変ありがたいやりかただった。

 

細かい内容についてはまた動画投稿を待つとして、全体として印象的だったのは大井さんの司会力だった。タイムキープしつつ中橋さんからは作曲者目線でのコメントを引き出したり、仲田さんからは長年見てきた知人としてのコメントを引き出したりしつつ、休憩の終わり際では仲田さんと中橋さんが面白そうな話を始めたとみるや後半をスタートさせて、その談笑中だった話につなげてみたりとかなり心配りをしているのが感じられた。これが指揮者の調整力…。

 

マッキーについての印象も大きく変わった。今までは打ち込み由来のDTM的リズム表現や静と動のコントラストなどに着目していたのだが、コリリアーノ「サーカス・マキシマス」との関連性など、空間性を重要視した作曲家であり、現地で聴いてこそという音響の仕掛けが多いということもよくわかった。私はマッキー作品は録音で聴いてばかりで、実演に接することは少なかったので、余計に定期演奏会が楽しみになってきた。

 

演奏会に向けたトークというと作曲家本人や演奏者本人が出演するものが多いと思われるが、この吹奏楽カフェでは大井さん、中橋さんという固定メンバーによるトークであるという部分も大きいと感じた。というのも、「第三者だからこそできる語り」というものがあると考えるからだ。当事者ではないが、無関係でもないという絶妙な立ち位置から、しかも膨大な吹奏楽知識を持った人達による語りを聴けるというのはとても自由度があり良いフォーマットだと思った。

 

次回は8月末とのこと。ぜひまた行きたい。