「Italian Melodic Fest 2019 @ Duo Music Exchange」

イタリアンメタルに浸かってきました。

 

■Allegiance Reign


日本のバンド。初めて見ましたが確かな演奏力にYAMA-Bさんタイプの勇壮なハイトーンボイス、そして武士メタルという面白さも相まってとても楽しいステージでした。

 

TRICK OR TREAT
01. What’s my destiny Dragonball
02. Jeeg robot d’acciaio
03. Loser Song
04. The Great Escape
05. Evil Needs Candy Too
06. Daitarn 3
07. Pegasus Fantasy
08. United

 

Secret Sphereと一緒に来日したときにも観たので2回目。バンド名からもわかるようにHelloween直系のハッピーメタルですが、今回は去年リリースされたアニメソングカバーアルバムからの曲が多め。カバーアルバムではイタリア版の曲のカバーが多く、日本人には馴染みが薄かったですが、鋼鉄ジーグなどは日本と同じ楽曲で盛り上がりましたね。トワイライトフォースに加入したアレッサンドロ・コンティの歌唱は相変わらず素晴らしく、軽やかにハイトーンを出す様にはほれぼれしました。

 

■ELVENKING
01. Invoking the Woodland Spirit
02. Draugen’s Maelstrom
03. The Wanderer
04. Pagan Revolution
05. The One We Shall Follow
06. Elvenlegions
07. The Divided Heart
08. Neverending Nights

En.
09. The Loser

 

初めて聞きましたが、パワーメタルにフォーク・ペイガン要素を詰めた風の音楽性。特にペイガンメタル部分での踊らせ方がすばらしく、特に「The Wanderer」は最高でした。珍しい形のエレキヴァイオリン(フィドル?)もよいアクセントになっており、より民族音楽らしさを強調していましたね。すっかりファンになりました。

 

■LABYRINTH
01. Moonlight
02. New Horizons
03. The Night of Dreams
04. Lady Lost in Time
05. State of Grace
06. Heaven Denied
07. Thunder
08. Feel
09. Time After Time
10. Falling Rain
11. Die For Freedom

En.
12. In the Shade

 

Rhapsodyには知名度こそ負けるものの、クサメロ度合いでは肩を並べるイタリアンメタルバンド。名盤の名高い2ndの完全再現ライブでした。特に冒頭のMoonlightの高揚感はすばらしく、ブレイクの「Moonlight」の合唱もキマリましたね。演奏は正直粗めで、勢いで押し切る感はありましたが、それでもロベルト・ティランティのハイトーンボイスは圧巻。少し後ろノリのタイム感で引き上げるように出す超高音はライブでも健在で、とても興奮させられました。Secret Sphereのミケーレ・ルッピといい、イタリアのハイトーンシンガーはライブで音源よりも上の音にアレンジしてくるのですごいですね。

 

すべてのバンドで最高のクサメロを堪能できる素晴らしいイベントでした。満足です。

CDに頼るのを諦めてspotifyにコンニチハした話

高校時代からコツコツとCDを集めてきましたが、そろそろ限界を感じていました。

増え続ける好きなバンド、肥大化する部屋内のCD領域。なんだこれは、CDの部屋に俺が住ませてもらってるんじゃないのか?

 

私の音楽環境はPCではiTunes、外出時はiPod Classicに頼り切っていましたが、iPod Classicがいつ壊れるかに怯えながら暮らしていました。

なんとかしなければ…。

 

きっかけは携帯会社のセールでした。ZTEのM Z-01K(見開き2画面スマホ)が700円弱。2画面スマホ電子書籍ユーザーとしても気になっていたところ。これをサブ機にして音楽再生・ゲーム・電子書籍専用端末に仕立てればよいのでは…?

 

結果としては大成功。この1週間、iPod Classicは一回も起動していません。

ではspotifyに移行した内容と良かった点を書いていきますね。

 

・音楽の移行

spotify+iSyncr+poweramp

 

まず、サブスクリプションに登録されている楽曲群はspotifyに頼ることにしました。幸い通信量はだいぶ余らせるような使い方をしていたので、通信量については心配ありません。私の主食は洋楽メタルなのですが、かなりの数が取り揃えられているのもポイントが高かったです。つい最近悩みに悩んで買ったSoiilworkとか、中古を探しまくって集めたCradle of Filthとかが探したらヒョイっと出てきたのにはショックを感じましたね。

 

それでも、やはりサブスクリプションに登録されていない楽曲はかなり存在します。邦楽に多いのですが、バンプオブチキンカリガリの旧作、インディーズバンドやボーカロイド同人音楽などはどうしてもそうなってしまいます。

 

そこで、サブスクリプション外の音源は今までの資産であるiTunesを活用することにしました。iSyncrというソフトを使用してAndroidiTunesを同期させ、powerampで再生するという作戦です。コピーだけならソフトなどいらないのでは?とも思われますが、i

SyncrはiTunesのプレイリスト単位でファイルを転送することができ、iPodの同期と非常に似た使い心地なんですね。poweramp側もプレイリスト形式を読み込むことができるため、これでほぼiPodと同じ使い勝手を確保することができました。

 

・移行してよかったこと

なんといっても「ちょっと気になる」レベルの楽曲を即時、フルで聴けるというのが非常に大きいです。今のところ特に効果を発揮しているのはライブの予習・復習のときで、メタルバンドAが来日する時にサポートでメタルバンドBが来日する、というような場合。目当てがAだけでBはあまり楽曲を知らない、となった時にサクッと聴いてみることができるのはとても助かります。私はsetlist.fmも併用して直近のライブのセットリストを確認しそのプレイリストを作成することで、当日やりそうな曲を確認するという使い方をしています。さらには終演後にセットリスト通りのプレイリストを作ることで楽曲のおさらいもできますし、本当に便利ですね。

 

また、Shazamとの連携も侮れません。Shazamは道端でかかっている曲をスマホに聞かせることで曲名を教えてくれるアプリですが、spotify連携機能もあるので、タワレコやライブ会場でかかっている曲にビビッときたらその場でShazam検索→spotifyプレイリスト入りのコンボができるんですね。これは強い。いつもだったら帰宅したらビビッとしたことなんて忘れているんですが、この方式なら出かけるたびにプレイリストに曲が増えていきます。

 

友人とのおすすめ交換にも役立ちます。音楽をすすめ合うとき、今まではCDを貸し借りするとか買ってみるとかしか出来なかったんですが、spotifyのおかげで「あとで聞いてみる」という言葉の確実性が増します。おすすめされても借りたCDだと急いで聴いてしまったりとか、そのうち買おうと思っていてもなかなか余裕がとれなくて忘れてしまったりするのですが、もうそんな言い訳は通用しません。その場でプレイリスト登録、あとは聴くだけです。

 

・さようならCD

以上の理由から、私の音楽環境は完全にspotifyとbandcampに移行しそうです。もちろん邦楽中心にCDはまだ買うと思われますが、洋楽はよっぽど物理で手元に置きたいと思わない限り買わない気がしますね…。少しさびしい気もしますが、これも時代の流れでしょう。

 

しかし1点だけ不満が…

洋楽のアーティスト名をカタカナで表示させてくるのだけは見つけづらいから勘弁してほしいですね。。

cali≠gari「25th Caliversary”1993-2019″ TOUR 14 -The time is out of joint-  @ HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3」

カリガリの14ツアー。1月前半は仕事が忙しかったのでさいたまを取りました。
 
■セットリスト
01.死は眠りを散歩する
02.火葬遊戯
03.ゼロサムゲーム
04.せんちめんたる
05.飛燕騒曲
06.-187-
07.キル
08.-踏-
09.オーバーナイトハイキング
10.色悪
11.カメラ オブスキュラ
12.天国で待ってる
13.拝啓=BGM
14.動くな!死ね!甦れ!
15.ファニソン
16.淫美まるでカオスな
17.マッキーナ
18.マシンガンララバイ
19.いつか花は咲くだろう
 
En.
20.グッド・バイ
21.ラストダンス
22.クソバカゴミゲロ
 
ダークなSEで入場し、そのまま「死は眠りを散歩する」で幕開け。新作の中でも特にヘヴィなこの曲を最初に持ってくるとは予想外でした。続く「火葬遊戯」は音源よりも整合性を保ちつつ最後の暴れっぷりが追加された感じで、ツアーファイナルまでにはまだ化けそうです。
 
「せんちめんたる」はテンションが上がりました。目には目を、をすべて石井さんが歌っていたのも新鮮でしたね。「飛燕騒曲」「-187-」の飛び道具系楽曲は続けて演奏するとさらに類似点がわかりやすく見え、そこからの「キル」への畳み掛けも良かったです。
 
「色悪」のあとは「カメラ オブスキュラ」からの新作タイム。「拝啓=BGM」から「ファニソン」までの流れはSOFT BALLET的なDNAを感じつつ楽しみました。ここでの「淫美」「マッキーナ」も終盤への起爆剤の役割を果たしていて良かったですね。
本編最後の「いつか花は咲くだろう」は圧巻。やはりイントロの村井さんのメロディ弾きは最高でした。
 
MCを経てのアンコールは「グッド・バイ」。本日のイントロはMC時の練習のかいあって決まってましたね。「ラストダンス」で終わりかと思いきや「クソバカゴミゲロ」での締めもかっこよかったです。
 
そしてアルバム購入者特典として終演後にミニアルバム「0」の引き換えが行われました。これ、やばいくらいヴィジュアル系な名盤なので、アルバム買った人は絶対ライブ行って引き換えたほうがいいし、アルバム買ってない人もライブに行く前にアルバム買っていったほうがいいですよ。
マジで。
 

VOIVOD「THE WAKE JAPAN TOUR 2019: 35th ANNIVERSARY @ TSUTAYA O-WEST」

VOIVODの来日に行ってきました!
 
■セットリスト    
01.Post Society
02.Ravenous Medicine
03.Obsolete Beings
04.Technocratic Manipulatorsv
05.Into My Hypercube
06.Iconspiracy
07.The Prow
08.Order Of The Blackguards
09.Fall    
10.Always Moving
11.Psychic Vacuum
12.The Lost Machine
13.Voivod
 
En1.
14.The Unknown Knows
15.Overreaction    
 
En2.
16.Astronomy Domine
 
去年発売した最新作の出来が非常に良かったので、とても楽しみにしていました。
比較的最近の「Post Society」からはじまり、2曲目でいきなり「Ravenous Medicine」。ものすごい盛り上がりでした。
 
音源で聴いているとピギーのギター(現在は引き継いだチューウィーのギター)によるプログレ由来のコードが強く印象に残るのですが、実際にライブで見るとアウェイのドラムの強烈なこと。メタルらしい攻撃力はもちろんのこと、ハードコアな切迫感のあるキレのあるフォームで繰り出されるドラミングにはただただ圧倒されました。
 
「Iconspiracy」中間での早い刻みなど、テンポチェンジもメンバー全員がシンクロしてフレキシブルに切り替わっていく様は職人芸で、惚れ惚れしました。同期を使った演奏ではこうはなりません。
スネイクのMCも冴え渡っており、観客とメンバーの間で楽しさの相乗効果が育まれていました。「VOIVODにも踊れる曲がある」といいつつの「The Prow」も素晴らしく、ポップながらもひねりのある構成には唸らされました。
 
クリーントーンのギターが印象的な「Fall」でしっとりとしたあとは最新作から「Always Moving」。スネイクは「最新作も好きか?本当に?」というようなことを言っていたと思いますが、本当に過去の名曲に負けない曲ばかりのいいアルバムなんですよね。もっともっと最新作からやってくれてもよかったよというのが本音でした。
 
ベースのロッキーも目立ちはしないものの堅実なプレイで、コード弾きを織り交ぜたりとサウンドが薄くならないような工夫が随所に見られました。チューウィーのギターもそうなのですが、技術的にはハイレベルのことをこなしつつもさらっと聞かせ、楽曲の構成やストーリーを感じさせる演奏には本当に感動しました。
 
「VOIVOD」で本編終了のあとはダブルアンコール。
最後の「ピギーに捧ぐ」とのMCと共に奏でられたピンク・フロイドの「Astronomy Domine」はまさに絶品という出来でした。
 
会場も満員で常に「VOIVOD」コールがかかる温かいライブで、とてもよいライブで今年をスタートさせることが出来て嬉しかったです。またぜひ来日してほしいですね。

ベストアルバム2018

今年も選びました。

 

10. cali≠gari「14」

14 狂信盤

14 狂信盤

 

 だいぶすっきりした仕上がりですが、それがかえって何度も聴ける要因に。

 


09. Azusa「Heavy Yoke」 

Heavy Yoke

Heavy Yoke

 

 サウンドの攻撃力の高さとボーカルの表現力に圧倒されます。

 


08. Anaal Nathrakh「A New Kind Of Horror」 

A NEW KIND OF HORROR [CD]

A NEW KIND OF HORROR [CD]

 

いつもに増してシリアスな内容。この方向性は以外でしたが好きです。

 


07. Behemoth「I Loved You At Your Darkest」 

I LOVED YOU AT YOUR DARKEST [CD]

I LOVED YOU AT YOUR DARKEST [CD]

 

サウンドとしてのハードさは減退していますが、おだやかな中にまとった狂気は過去最高クラスでは。

 


06. Voivod「The Wake」 

The Wake

The Wake

 

練られた変態的なリフとコードまわしに底力を見ました。来日も楽しみ。

 


05. Terrorizer「Caustic Attack」 

CAUSTIC ATTACK

CAUSTIC ATTACK

 

ギターやベースが単純になったことでより初期のような推進力がクローズアップされ好印象。やはりピートのドラムはかっこいい。

 


04. 神聖かまってちゃん「ツン x デレ」 

ツン×デレ

ツン×デレ

 

私が同世代としての歌を求めるバンドはやはり彼ら。

 


03. Judas Priest「FIREPOWER」 

FIREPOWER

FIREPOWER

 

ベテランなのに「ファイアーパワー」などと衝動だけのようなネーミングをする勢いには脱帽。ライブも素晴らしかったです。

 


02. TWEEDEES「DELICIOUS.」 

DELICIOUS.

DELICIOUS.

 

多彩なサウンドには1stを聴いたときのようなポジティブな衝撃がありました。よりバンドとしての一体感が出てきた印象。

 


01. People In The Box「Kodomo Rengou」 

Kodomo Rengou

Kodomo Rengou

 

いままでのPITBのいいところを煮つめきってつくったような濃厚な作品。 

 

 

10. cali≠gari「14」
09. Azusa「Heavy Yoke」
08. Anaal Nathrakh「A New Kind Of Horror」
07. Behemoth「I Loved You At Your Darkest」
06. Voivod「The Wake」
05. Terrorizer「Caustic Attack」
04. 神聖かまってちゃん「ツン x デレ」
03. Judas Priest「FIREPOWER」
02. TWEEDEES「DELICIOUS.」
01. People In The Box「Kodomo Rengou」

King Crimson「UNCERTAIN TIMES JAPAN TOUR 2018 @ オーチャードホール 12/19」

King Crimsonの東京最終日に行ってきました!

 

■セットリスト

第一部

01.The Hell Hounds of Krim

02.Larks' Tongues in Aspic, Pt. 2

03.Epitaph

04.Neurotica

05.The Construkction Of Light

06.Dawn Song

07.Last Skirmish

08.Prince Rupert's Lament

09.Discipline

10.Indiscipline

11.Moonchild

12.CADENZAS

13.The Court Of The Crimson King + CODA

 

第二部

14.Devil Dogs Of Tessellation Row

15.Pictures Of A City

16.Cadence And Cascade

17.Breathless

18.Fallen Angel

19.Easy Money

20.Meltdown

21.Radical Action II

22.Larks' Tongues in Aspic, Pt. 5

23.Starless

 

En.

24.21st Century Schizoid Man

 

定時退社してオーチャードホールへ。

場内ではすでに物販列が長かったので、受付でパンフのみ購入しました。

 

King Crimsonはおそらく私が初めて自分から聞き始めたロックバンドで、きっかけはサクソフォン四重奏団のトルヴェール・クヮルテットが「21st Century Schizoid Man」をカバーしていたこと。高校生のときに衝撃を受け、「濃縮キング・クリムゾン」というベスト盤を買いました。

 

2015年も来日していたことは知っていたのですが、その年はラウドパークでお金を使ってしまい、余裕がなかったために断念。今回やっと生で見ることができました。

 

現在のクリムゾンはトリプルドラム編成。冒頭のドラムバトルの曲はやはり会場で聞くとサラウンド感や見た目の楽しさが何倍にもなり、これからの演奏への期待感を煽られました。そして続くは「パート2」!いきなりこの曲が来るとはまったく思っていなかったので痺れました。メタリックなリフと重厚なサウンドに圧倒され、続いては名曲「Epitaph」。この広がる響きにはこれが元祖か…と感慨もひとしおでした。「Neurotica」「The Construkction Of Light」といったブリュー期の楽曲ではトニー・レヴィンのスティックさばきに見とれました。

 

「Moonchild」では後半にトニー、ロバート、ジェレミーカデンツァが挿入されましたが、トニーはアップライトベースを途中からアルコで弾き、さらにスキャットでユニゾン。最後には「コンニチハー」で締めるという素敵な即興でした。

 

一部最後は「The Court Of The Crimson King」。これも大好きな曲です。サビでのためからの広がりも美しかったですね。拍手をシンバルで鎮めたあとにおごそかに始まったCODA部もとてもきれいでした。

 

第二部も冒頭はドラム曲。続いては「Pictures Of A City」。途中の早いユニゾンがバシバシと決まり、合間の休符の静寂が楔のように打ち込まれていくさまは快感でした。「Cadence And Cascade」も非常に好きな曲。メル・コリンズのフルートソロもきれいでした。「Fallen Angel」も聞きたかった曲。個人的に、最初に買ったベストの中で一番最初にハマった曲がこれだったということもあり、実演を聞けて感無量でした。すべての曲に言えますが、ロバート・フリップのギターは音量としてはバランスを考えられたものなのに、なぜか細部までバッチリ聞こえてくるんですよね。音色やアーティキュレーションのマジックによるものでしょうか。

 

「Easy Money」のあとはハードな曲が組曲のように連続で演奏され、最後は「Level5」あらため「パート5」。静と動のコントラストに打ち震えたあと本編最後は「Starless」!なんといってもギターメロディですよね。哀愁をたたえた音色とメロディはいつまでも聴いていたいと思わせるものでした。

 

アンコールは「21st Century Schizoid Man」。中間部に挿入されたドラムソロのうまいこと!テクニカルなフレーズはもちろん、音階をもたせてみたり緩急をつけてみたりと多彩な発想のソロで、ギャヴィン・ハリソンの音源をあさってみたくなりました。キメフレーズの休符部分で近くの人がものすごく叫んでいてちょっと冷静になってしまいましたが、やはりここでも演奏はすばらしく、最後まで極上のサウンドを堪能できました。

 

さすがに当時のスタジオ音源のような切れ味は薄れている曲も多かったのですが、トリプルドラムによるフックの追加や、人数によるサウンドの厚みなど、熟成した貫禄を感じる演奏でとても素敵な時間を過ごすことができました。満足です。

People In The Box「CLUB QUATTRO MONTHLY LIVE 『波多野裕文 produce day -Architecture-』 @ 渋谷 CLUB QUATTRO」

People In The Boxのマンスリーライブ東京最終日に行ってきました!

 

■セットリスト
01.Weather Report(砂漠→開拓地→気球)

 

En.
02.新曲
03.新曲

 

ライブの数日前に2013年発売アルバム「Weather Report」のライブ版を演奏するとの告知があり、実際にそのとおりのライブとなりました。

 

「砂漠」からスタートし、中間部には新しいパートが挿入。一瞬、別の曲に入ったか?と思いましたがそのまま砂漠に戻って次へ。ギターノイズをループさせて「亀裂」。おごそかな「岩」から「皿(ハッピーファミリー)」へ。この曲の歌詞、かなり好きなんですよね。アルバム発表時は演奏される日が来るとは思っていなかった「起爆」については圧倒的のひとこと。かつてのPeopleが持っていた轟音の強さ。そしてギターの印象的なフレーズもバッチリ決まっていました。「投擲」に続いては大きめなアレンジが入った「穴」「空地」。とくに穴での轟音パートや空地のセルフカバーとはまた違った方向性にはハッとさせられました。

 

ギターメロディの音色が印象的な「塔(エンパイアステートメント)」からの「真夜中」では中間部のギターソロが圧巻。後半の歌メロの変化も楽しく聞きました。
夏至」では原曲の弾き語りスタイルに、要所要所でベースやパーカッションが追加された形。「潜水」はこのアルバムからでは比較的よく演奏されてきた曲だと思いますが基本的にはそのまま。キーボードを使っての「新聞」に続いては全員でパーカッションをあやつる「大陸」。

 

大幅な変更のあった「船」はかなり驚かされましたがアレンジの細部まで覚えていないのがつらいところ…音源化…しませんかね…これ…。「大砂漠」はいつものハイスピードで。続く「鉱山」もかなりのアレンジ変更がありました。原曲はたゆたうようなイメージでしたがだいぶビート感が追加されていましたね。「開拓地」でいったん落ち着いたあとに「気球」で本編終了。見事なライブ版でした。

 

アンコールでは新曲が2曲。キーボード主体のオリエンタルな曲とプログレッシブな曲でした。

 

2013年に発表された当時は21曲1トラックということもあり賛否両論だったと記憶しています。特に楽曲間の関連もそこまでなかったことから、これならトラック分けでもよかったのではないかという感想も散見されました。しかし、5年の中でファンが聴き込んだことや、いくつかの楽曲が通常のライブでも演奏されたことにより、あらためて聴くと「この楽曲順、この1トラックという形態にも必然性があったのだな」と強く感じさせられました。

 

これは当時から感じていましたが、このアルバムは「Weather Report」という名前の島を旅するようなアルバムだったと思います。5年前に気球からこの島に降り立った我々が、今回、もう一度島を巡ってから気球で次の島へ飛び立ったかのようなストーリーが感じられ、とても意味深いライブになったと思いました。その飛び立った先として演奏されたのが新曲だったというのもこのバンドの「先への自信」とポジティブさが表現されていて、とてもよかったと思います。

 

それにしても素晴らしいライブでした。音源化…しないですかね…。ほんと…。