筋肉少女帯「THE SHOW MUST GO ON」

筋肉少女帯の新作が発売された。
どうやら4年ぶりくらいになるようだ。

筋肉少女帯は復活してからもいろんなことにトライしているバンドで、しいて言えば歌詞から初期〜中期の毒というか狂気はやや薄まったものの、今作でも「こう来たか!」という驚きを感じさせてくれる。
ももクロに歌詞を提供した「労働讃歌」のセルフカバーはまあやるだろうなというところではあったが、最近の筋少の流れを組んでVoは「全員参加型」。各メンバーの声の掛け合いが聴けるのは楽しい。

全体的に橘高曲が絶好調でメタルしている。
ベタベタでサビとヌンチャクが印象的な「ゾロ目」、歌詞が面白い後味を残す「恋の蜜蜂飛行」などでのギターは純粋にカッコいい。
大槻作曲の「みんなの歌」では紅白歌合戦のくだりで大笑いした。
内田作曲の「ムツオさん」はジワジワ来る。なんというか、これはふと気づくと脳内で流れてるやつだ。
本城曲がいつもよりロックよりなこともあってか、全体的にテンションが高い作品に仕上がっている。
いうまでもなく三柴のピアノと長谷川のドラムも冴えまくり。もう演奏については非の打ち所がない。

霊媒少女キャリー」ではアーバンギャルドの浜崎容子がゲスト参加。人形のような声とでも言おうか、いい意味で体温の低いボーカルがよく楽曲とマッチしている。
アーバンギャルドは最近の活動もとても良いので、筋少カリガリとの絡みがあるのはファンとしてなんとなく嬉しい。

そしてなんといっても「月に一度の天使」の前後編と「愛の讃歌」の三部作だ。
大槻の描くほのぼのとした、しかしどこか切ないストーリーに愛の讃歌が挟まれることによって、なんとも味わい深い流れとなっている。

復活後の中でも一二を争う快作だと思う。
今月中旬には内田、三柴、長谷川の別プロジェクト「サンダーユー・ポイズンバイパー」のアルバムも発売予定で、そちらも楽しみだ。

まずは明日の赤坂BLITZ
愛の讃歌は聴けるかな?