amazarashi「夕日信仰ヒガシズム」

前作「あんたへ」では、フォークソングのようなサウンドで驚かせてくれたamazarashi。
今回は以前からの作風に戻っており、そういう意味では前作がややイレギュラーだったということか。

このバンドについて語られる際に一番比重が置かれているのは「歌詞」だろう。
時にナイフでえぐってくるような、わかりやすく鋭い歌詞は今回も聴くことができる。
歌詞カードを見ながらでないと歌詞が入ってこないバンドも多い中、歌詞がスッと耳に入ってくるサウンド作りは流石だ。

「夏を待っていました」の頃のヒリヒリした感触はやや薄れているが、そのぶん「後期衝動」のような曲を書けるようになったということだろう。
正直言って、こんな曲が出てくるとは思っていなかったのでかなりの不意打ちだった。

「ヒガシズム」がリードトラックなのかと思ったが、どうやら今作を象徴するのは「もう一度」の方。
歌詞に登場する「雨曝し」が強烈に響く。