下村陽子「Music 4Gamer # 5 下村陽子 30th Anniversary ORCHESTRA CONCERT -THANKS Again!!- @ Bunkamura オーチャードホール」

ゲーム音楽をはじめ多方面で活躍する作曲家、下村陽子さんの30周年記念コンサートを聴いてきました。

 

■セットリスト
01.「ストリートファイターⅡ」(Arr.穴沢弘慶)
02.「スーパーマリオRPG」(Arr.亀岡夏海
03.「LIVE A LIVE」(Arr.竹岡智行)
04.「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」(Arr.亀岡夏海
05.「ゼノブレイド」(Arr.穴沢弘慶)
06.「舞台&アニメ」より(Arr.森下唯)
07.「ひるね姫~知らないワタシの物語~」(Arr.森下唯)
08.「マリオ&ルイージRPG」(Arr.竹岡智行)
09.「ラジアントヒストリア」(Arr.穴沢弘慶)
10.「FINAL FANTASY XV」(Arr.和田薫
11.「キングダム ハーツ」シリーズより(Arr.亀岡夏海

 

En.
12.APOCALYPSIS NOCTIS(Piano 下村陽子
13.Song Of MANA

 

僕にとっての下村さんの音楽は「スーパーマリオRPG」で、プレイしてから20年ほどたって社会人になってからサウンドトラックを探してTSUTAYAめぐりをしたものでした。

 

今回は30年を総括した内容で、カプコン時代、スクウェア時代、フリーランス時代の代表曲の数々がオーケストラアレンジにて披露されました。

 

どの曲も素晴らしく(いろんな曲をやるため、1曲ごとは一瞬で過ぎ去っていきましたが…)楽しい演奏会でしたが、特に思い入れの強いマリオRPGではフィールド曲やモンスター戦に加え、名曲「森のキノコにご用心」とエンディング曲である「楽しいパレード 愉快なパレード」が演奏されました。特にパレード曲は某夢の国テイストを入れつつもマリオと下村さんのテイストを混ぜ合わせた素晴らしい曲で、当時はこの曲を聴くためだけにゲームクリアするという日々を過ごしていたものです。今回はワンフレーズだけで過ぎ去っていきましたが、管弦楽で鳴らされるパレードのサウンドには感無量でした。

 

聖剣伝説LOMではホームタウン ドミナにはじまり焔城やタイトルテーマが演奏され、感動的でした。下村さんの民族的な風味も感じさせつつ壮大なオーケストレーションとメロディを積み上げていくスタイルはこの作品でかなり効果的に表現されていたと思います。

 

休憩を挟んで後半では宝塚の「天は赤い河のほとり」やハイスコアガールひるね姫といった多様な形態に向けた楽曲群。ドラマティックなメロディラインや透き通ったピアノフレーズなど、これぞ!といった感じでしたね。これらの編曲を担当した森下さんは屈指のアルカン弾きでもありFF15のピアノアレンジDiscの演奏なども担当した方ですが、この日も立たせるところをキチっと立てる最高の演奏を聴かせてくれました。

 

マリオ&ルイージRPGではうってかわって底抜けに明るいサウンド。かと思えば最後の「イン・ザ・ファイナル」ではFFにも通じるシリアスな世界観を聴くことができました。続く「ラジアントヒストリア」はオーケストラに合う楽曲が多く、初めて聞きましたがかなりかっこよく好印象でした。

 

本編最後はFF15とKHのメドレー。FF15ではピアノから始まる「Somnus」から「Valse di Fantastica」、「Valied in Black」、コーラスがさえわたる「OMNIS LACRIMA」と来て「夜に満ちる律べ」で締め。どれも最高にかっこよく、和田さんによる重厚なオーケストレーションも効果絶大だったと思います。KHでも「Dearly Beloved」など印象的な楽曲たちが披露され、感動のうちに本編終演となりました。

 

アンコールでは下村さんがピアノを演奏してのFF15「APOCALYPSIS NOCTIS」。これもピアノが強烈なアクセントになりつつフルオーケストラのかっこよさが堪能できる曲ですがここまでの流れに場のテンションも最高潮になっており、かなり熱い演奏となりました。最後は聖剣伝説LOMより「Song of MANA」で終演。下村さんも「私の30年、はやっ!」と仰っていましたが、本当にあっという間の時間でした。まだまだ精力的に活動してくれそうで嬉しいですね。いい演奏会でした。