People In The Box「PITB Acoustic 2020 2020/08/01」

People In The Boxライブ配信を観ました!

 

■セットリスト
01まなざし
02忘れる音楽
03いきている
04ミネルヴァ
05.2121
06.町A
07.塔(エンパイアステートメント)
08.レントゲン

 

09.季節の子供
10.装置
11.きみは考えを変えた
12.あのひとのいうことには
13.風景を一瞬で変える方法
14.懐胎した犬のブルース
15.かみさま

 

2016年にもあったPITB Acousticの2020年版。
PITBは同じ楽曲に様々なアプローチをすることがあり、いずれも全く別の表情を見せてくれますが、アコースティックアレンジはその代表的な方向性。空から降ってくるシリーズの劇場編でもよく披露されていたスタイルですが、それでワンステージすべてやるというのは最近の取り組みのひとつですね。

 

選曲は最新のTabula Rasaからがメインで、このアルバムはもともとアコースティック楽器の音色が印象的な楽曲が多かったこともあり自然に溶け込んでいました。
「いきている」などは非常にすっきりしたサウンドなのですが非常に濃密。
「ミネルヴァ」では鳥のおもちゃがドラムに組み込まれてビートを演出するといった面白要素もありました。
「塔」「レントゲン」といった懐かしい曲で第1部終了。Weather Reportの楽曲は聴けば聴くほどよくなってきますね…。

 

第2部は「装置」でのベースのアルコが印象的でした。「きみは考えを変えた」もかなり好きな曲だったのでうれしいところ。即興感のあるベースフレーズにドラムが絡み、ピアノが装飾していく…というトリオ編成のうまみが詰まっている気がします。
「風景を一瞬で変える方法」「懐胎した犬のブルース」といった比較的プログレテイストな曲はアコースティックでやると室内楽的な響きになってこれも面白いですね。
最後は「かみさま」で締め。原曲だと埋め尽くすような音の壁が多幸感を演出していましたがアコースティックだとドラムのパーカッション的アプローチ(シンバルのクレッシェンドなど)により空間が演出されていました。

 

とてもよいライブでした。やはりPITBはアレンジもそうですが楽曲の芯がしっかりしているのでどんな料理をされてもおいしいですね。次は会場に行きたい…。。

 

三柴理「三柴理ピアノソロ 無観客配信ライブ broadcast from jirokichi 2020/07/25」

エディこと三柴理さんの配信ライブを観ました。

 

■セットリスト
01.?
02.夜歩く(三柴理)
03.前奏曲 第14番(D.ショスタコーヴィチ
04.ソナチネ(A.ホヴァネス)
05.森の妖精(三柴理)
06.Alienation(The金鶴)
07.Offside(The金鶴)
08.Romarin(The金鶴)
09.一日一日(三柴理)
10.トロイメライ(R.シューマン)

 

筋肉少女帯などで活動するピアニスト三柴さんのソロ配信ライブ。
最近リリースしたアルバムの曲を交え、落ち着いた楽曲が多く演奏されました。

 

1曲目は即興的な演奏を含む楽曲。打ち込みやベースの同期が流れていたのでThe金鶴の曲かな?と思いましたが曲名わからず…。続いて三柴さんの曲の中でも特に有名な「夜歩く」。これはドラム、ベースが同期で流れる上にピアノ演奏というスタイル。やはりこういったビートの上で縦横無尽に駆け巡るプレイ、素晴らしいですね。

 

続いてはショスタコーヴィチやホヴァネスといったややマニアックなクラシック作品。いずれも重厚な響きの楽曲で、特にホヴァネスは日本に影響を受けた楽曲らしくわびさびが感じられるおもしろいものでした。三柴さんはマニアックなクラシック曲や現代音楽の楽譜もいろいろと集めているということで、最新アルバムもタネーエフなどあまりなじみのない作曲家も幅広く取り入れられていました。

 

MCを挟んで森の妖精とThe金鶴の楽曲群。特にThe金鶴の楽曲はBGMとして作られたフレーズなどをもとにしていることもあり、情景が浮かぶようなきれいな楽曲、演奏でした。森の妖精、一日一日といった曲は過去のソロアルバムに収録されている三柴オリジナル曲。丁寧な演奏が心地よいですね。

 

最後は最新アルバムからトロイメライ。オリジナル曲のように硬質な低音を利かせた楽曲もいいですがこういったアゴーギグをたっぷりきかせる曲を三柴さんの演奏でというのはある意味新線でした。

 

おだやかな人柄を感じさせる心地よい配信でしたね。またやってみてほしいです。

そしていつか「ピアノのなせる業と神髄」を再発してほしい…。

cali≠gari「カリ≠ガリの実況放送 無人座 -全席最前- 2020/06/07」

カリガリの1回目の配信ライブを観ました。
(書いたつもりでブログ書いてなかった…って、あるよね…)

 

■セットリスト
01.-踏-
02.トカゲのロミオ
03.晴天仕掛けのルサンチマン
04.ハイカラ・殺伐・ハイソ・絶賛
05.淫美まるでカオスな
06.マッキーナ
07.薫風、都会、行き行きて
08.ウォーキング!ランニング! ジャンピング! フライング!
09.ミッドナイト! ミッドナイト! ミッドナイト!
10.夏の日
11.蜃気楼とデジャヴ
12.空想カニバル
13.夢遊病
14.オーバーナイトハイキング
15.この雨に撃たれて
16.せんちめんたる
17.マネキン
18.いつか花は咲くだろう

 

En.
19.ゼロサムゲーム
20.サイレン

 

初回放送では映像トラブルにより音声・映像にラグがある状態での視聴となりましたがアーカイブでは問題ないものに差し替えられ綺麗な映像で楽しむことができました。

 

内容は「夏のカリガリ」といったセットリストで、とくに薫風~蜃気楼あたりは夏モードでしたね。演奏やパフォーマンスはとても良く、無観客により演奏への集中の比重が高まっているのを感じました。サウンドのキレがいいのは細部まで聞こえる配信という媒体にも向いていてよかったと思います。

 

オーバーナイトハイキングではまさかのライブハウスから出てドリンクを買う様子を生中継という、無観客でしかありえない荒業も披露。こういうアイデアはさすがですね。「いつか花は咲くだろう」でエモーショナルに本編終了。

 

アンコールではゼロサムゲームからのサイレンといった轟音系の楽曲で締めとなりました。私のライブ鑑賞スタイルがもともと後ろでゆったりなものですから配信でもそこまでライブ体験の魅力が目減りした感じはないのですが、やはりこういった楽曲の「音を浴びる」みたいな感覚はその場にいないと味わいつくせないので恋しいですね。

cali≠gari「カリ≠ガリの実演放送 無人座Ⅱ -ストリーミング♥️エロチカ2020- 2020/07/07」

カリガリの2回目の配信ライブを観ました。

 

■セットリスト
01.ゼリー
02.エロトピア
03.ミルクセヱキ
04.君が咲く山
05.37564。
06.せんちめんたる
07.ポラロイド遊戯
08.発狂チャンネル
09.ブルーフィルム

 

En.
10.冷たい雨
11.グッド・バイ
12.サイレン
13.嘔吐
14.SEX ON THE BEACH(カバー)

 

20年前のVo石井加入後初ライブと同内容のセットリストとのことで、当時の楽曲群が並びます。
なお、この放送は同時にメンバーによる副音声も配信されていましたが、初見で副音声付きだとライブに集中しきれないという側面もあることがわかりましたね。どちらにせよ何回か観るつもりだったので問題ないですが…。

 

特にミルクセヱキで顕著だったのですが、青さんの「気持ちが悪い音づかい」でのギターの精度が非常に高かったのが印象的でした。配信ライブだと細部まで見えやすいのでとても心地よい気持ち悪さを堪能できましたね。村井さんのベースもせんちめんたるの最後など随所で今までにないようなフィルを入れ込んでいたりと演奏もとても楽しめるライブでした。

 

発狂チャンネルやブルーフィルム、嘔吐など、近年のライブではレアになりつつあった楽曲たちをたくさん聴けたのもよかったです。初期と現在ではかなり音楽性も変遷してきたカリガリですが、いずれの時代の曲も実験性にあふれていて楽しいですね。

 

アンコールではカバーも披露。
「ブルーフィルム」の発売20周年に合わせて再録版をリリース予定とのことで、このカバーも収録されるようです。そちらも楽しみ。

2020上半期ベストアルバム

アルバム編です。

 

長谷川白紙「夢の骨が襲いかかる!」

 

THE NOVEMBERS「At The Beginning」

 
Gezan「狂(KLUE)」

 

DIMLIM「MISC.」

 

妖精帝國「the age of villains」

 

MUCC「惡」

 

...And Oceans「Cosmic World Mother」

 

Elder「Omens」


Oranssi Pazuzu「Mestarin kynsi」

 
Azusa「Loop of Yesterdays」

 

Cryptex「Once Upon a Time」

 

徳澤青弦、林正樹「Drift」

 

東京佼成ウインドオーケストラシンフォニア・ノビリッシマ」

 

テオドール・クルレンツィス「交響曲第5番ベートーヴェン)」

 

X.Y.Z.→A「Wonderful Life」 

WONDERFUL LIFE(豪華盤)

WONDERFUL LIFE(豪華盤)

  • アーティスト:X.Y.Z.→A
  • 発売日: 2020/03/25
  • メディア: CD
 

 

 

 

筋肉少女帯「無観客シンクロニシティ 筋肉少女帯メジャーデビュー32nd配信イベント @ ロフトプラスワン 2020/6/21」

筋肉少女帯の配信ライブを観ました。

 

■セットリスト

MC(大槻、内田、橘高、本城)
01.青ヒゲの兄弟の店(橘高、本城)
02.おもちゃやめぐり(橘高、本城)
03.ゾロ目(橘高、本城)
MC(内田、橘高、本城)
04.サンフランシスコ(内田)
05.星の夜のボート(内田)
MC(大槻、内田)
06.日本印度化計画(大槻)
07.踊るダメ人間(大槻)
08.香菜、頭をよくしてあげよう(大槻)
09.Guru(大槻)
MC(大槻、内田、橘高、本城)
10.僕の宗教へようこそ(大槻、内田、橘高、本城)
11.新人バンドのテーマ(大槻、内田、橘高、本城)

 

メンバーによるソロやデュオの演奏と、合間にトークという構成でした。

まずは橘高・本城ペアによる演奏。このデュオでは先日アルバムも出ましたね。ギターもバッキングとリードで分担することで分厚いサウンドになっていますし、二人ともVoをとれるところもこのデュオの強みだと思います。この二人の青ヒゲでのハモリ、好きです。

 

内田ソロでは以前出したアルバムから2曲。原曲を大幅にアレンジしつつ心地よく音圧に浸れるよいパフォーマンスでした。ステージ上のミニテレビも面白かったですね。

 

大槻ソロでは弾き語りスタイル。曲間のコールアンドレスポンスではスタッフとの掛け合いで笑いをとりにいくなど、ステージ進行のうまさが光っていました。

 

最後は全員でのセッション。僕の宗教へようこそでは語りも含めて作りこまれた出来で素晴らしかったです。

 

メンバー同士の語りでしっかり間がもたせられるのはかなり強いなとあらためて思いました。とはいえしっかりしたバンド形態での演奏も見たくなってしまいますね。

 

以下、自分用メモ…

・ギター弾き語りユニットは大槻の弾き語りに触発されて始めた。
・7月からのツアーは2ステージ制にするなど対策を考えて実施する方向。

 

・星の夜のボートはギター二人の加入時に本城の家で内田、橘高、本城でデモをつくって仲がほぐれた。
・星の夜のボートのもとのデモはドアーズっぽかったので、ソロ版ではドアーズ風を活かして完成させた。
・ひげの話で新東京正義乃士「ひげ左半分」を思い出した。

 

・やついフェスに出たら楽屋がビニールの仕切りでまるでSFだった。
筋肉少女帯ナゴムレコードなので創意工夫でやっていきたい。

・「村井くんのカリガリ」。
・延期できたってことはもともとその日程でもやるつもりで会場おさえてたってことなんだよね…。
筋少はコールアンドレスポンスが多いから難しいね。
・橘高・本城デュオのCDを大槻・内田に送ってください。

2020上半期ベストトラック

今年は在宅勤務の時間が多かったこともあり、例年より多くの音楽を聴くことができました。グッと来た曲もかなり多かったのでリストアップしてみます。

  

徳澤青弦、林正樹「Drift」

 二人とも幅広いジャンルで活躍する演奏家であり作曲家です。

お互いの持ち味を活かしながら心地よい音世界が構築されていて絶品ですね。

 

 

清春「SURVIVE OF VISION

 清春さんの新作は民族的な音使いが印象的。

艶やかな声の表現力もいっそう増し、表現力がどんどん深化していっているように感じます。

 

 

長谷川白紙「シー・チェンジ」

過剰装飾にも聞こえるほどのきらびやかさを感じさせた前作もすばらしかったですが、弾き語りというフォーマットでもアレンジの核となる リズムの面白さ、解釈の自由さは変わらず、むしろ楽器が制限されたことでよりしっかりと咀嚼できるようになっていると感じました。

 

 

宇多田ヒカル「誰にも言わない」

グッドメロディと空気感でもうすでに勝利という感じ。 

 

 

Steven Wilson「PERSONAL SHOPPER」

プログレの重要人物Steven Wilsonですが新曲はいわゆるバンドサウンドからは距離をおいた出来。作品ごとにスタイルを微妙に変化させ、それでいて毎回素晴らしい楽曲を作ってくるのはさすがです。プログレ由来のたっぷり時間を使った展開、構成も魅力。アルバムの発売は延期になってしまいましたが楽しみですね。 

 

 

THE NOVEMBERS「理解者」

プログラミングにyukihiroを迎えて制作されたこともありacid androidのような機械的なビートが印象的です。 この機械質なサウンドTHE NOVEMBERSのもともと持っていた攻撃性の要素とがっちりハマり、非常にかっこいい作品に仕上がっていますね。

 

 

Gezan「東京」

歌詞に大胆に世情の言葉を取り入れた本作はあくまで「今、聴かれる」ことを主眼にして作成されており潔く強度を感じます。 痛快なアジテーション

 

 

DIMLIM「MIST」

Djentから派生したインストゥルメンタル音楽の最先端を取り入れたようなサウンドにセンスを感じます。V系とメタルの融合は様式美やテクデスタイプはありましたが、この方向性まで踏み込むバンドはなかなかいなかったのでは。 

 

 

妖精帝國「Autoscopy」

前作から完全にヘヴィメタル的音像になった妖精帝國ですがさらにその方向性が推し進められた作品。メンバーを適材適所にアサインしなおし、ヴォーカルの表現力の幅も広げて楽曲としての強度をさらに上げていこうとする気概が感じられます。 

 

 

The Black Dahlia Murder「Verminous」

安定の出来ですがこの曲はとにかくサビのギターのメロディが素晴らしいですね。 

 

 

Azusa「Detach」

メシュガー方面からの影響は相変わらず強く感じますが、それだけに終わらない個性が素敵なバンド。今回も テクニカルで攻撃力のあるいい曲です。

 

 

Nightwish「Noise」

前作では20分を超える大曲も披露したナイトウィッシュ。フィンランドらしい抒情性のあるメロディとシンフォニックなアレンジは今回も聴くことができます。安心して聞いていられる貫禄の一曲。 

 

 

大槻ケンヂと絶望少女達「あれから」

かくしごと」 の企画で大槻ケンヂが「絶望少女達、できませんかね?」と発案したことから作成された新曲。ホームランを打ちたいところで確実に打ってくるオーケンはさすがとしか言えません。過去のシングル曲3曲のマテリアルを絡め、企画盤「かくれんぼか 鬼ごっこよ」の歌詞世界も参照したうえでの「あれからよりこれから」というメッセージには感涙です。

 

 

名取さな「PINK,ALL,PINK!」

Vtuber名取さなによる、3月7日にバースデーライブで初披露されるはずだった新曲。 

桃井はるこの作詞・作曲で名取さんと桃井さんの共鳴が感じられる素晴らしい出来でした。

 

 

Raat「Saudade」

 とてもさわやかなブラックメタル。クラシカルな進行でジャケットイメージ通りのサウンドです。クラシック好き、プログレ好きにも響くところがありそう。

 

 

特撮「オーバー・ザ・レインボー

緊急事態宣言直後くらいに発表された新曲。ということはこの騒ぎより前に作成していたはずなのですが、見事なまでに現在の世界を表現しており予言者かと思わせるほど。大槻ケンヂ筋肉少女帯では「バンドとして発言できることば」を書いているように思いますが、特撮では「大槻ケンヂ個人としてのことば」を書く割合が大きいように感じます。どちらも好きですが後者のほうがよりダークサイドに近い世界観のような気がしますね。 

 

 

波多野裕文「ある会員」

People In The BoxのVoによるソロ作。今までのソロ作と大まかな方向は同じで、少し引いた視点から社会を見つめるような世界観は癖になります。MVも素敵でしたね。 

 

 

GOATBED「瞬間的ポリフォニー 

瞬間的ポリフォニー

瞬間的ポリフォニー

  • アーティスト:GOATBED
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: CD
 

最近のGOATBEDはより「歌モノ」っぽさを増している気がしますね。歌メロが強く、いろいろなアプローチのアレンジをしても揺るがない芯を感じます。 この3か月の中でも2回配信ライブを行うなど精力的に活動を模索しており、その意味でも心強いですね。

 

 

 XA-VAT「洒落た頭を垂れる髑髏」 

芸夢

芸夢

  • アーティスト:XA-VAT
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: CD
 

XA-VAT楽曲の中でも特に攻撃力の高い楽曲ができましたね。 このCDの発売に伴うライブまでは私も現地に行けていました。もう3か月前か…。