■曲目
01.「音の旅」(オーケストラ版)より(尾高惇忠)
第1曲「小さなコラール」、第5曲「シチリアのお姫さま」、第15曲「フィナーレ~青い鳥の住む国へ~」
02.左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調(M.ラヴェル)
En.赤とんぼ
03.交響曲第3番 ハ短調(A.ペイン補筆完成版)(E.エルガー)
東フィルはサントラ系のコンサートで何回か観ていますが、定期は初めて。
最近シベリウスに開眼してからよく音源をあさっている指揮者である尾高忠明さんによるエルガーというところと、吉松作品でよく聴いているピアニスト、舘野泉さんの協奏曲が聴けるという点で楽しみにしていました。
まずは指揮者の尾高さんの兄である尾高惇忠によるピアノ曲からの編曲。
カワイ音楽教室のために書かれた曲が元ということもあり、親しみやすくかわいらしい曲調も魅力的でしたが、何より印象的だったのは弦の高貴な響き。尾高さんの振るシベリウスやエルガーのCDを聴いていた時と同じ、格調高いストリングスが堪能でき、大変感動しました。
ラヴェルの協奏曲では舘野さんが車椅子で登場、ピアノの前で座り変えての演奏となりました。
中間部からのジャズの影響を感じさせるリズミカルな部分が印象的な曲ですが、生で聴くと冒頭の煙が香るような弱奏部が大変印象的で、コントラファゴットが見事でした。オーケストラとピアノが順番に演奏し、だんだんと一緒になっていきますが、舘野さんのピアノはとても音楽的。年齢や体調のこともあり、さすがにタッチの強さや精度というところは危うい箇所もあるものの、空気感の支配力とフレーズの綴り方はさすがの風格でした。
ソリストアンコールでは赤とんぼを演奏。
これが本当に素晴らしかったです。左手だけでも不足感を感じないよう、音域広くアレンジされていますが芯となる歌が常に聞こえ続け、やさしい語りを聴いているような心地になりました。
休憩をはさんでエルガー3番。
エルガー本人は完成まで至らず、のちにA.ペインにより補筆された楽曲。
尾高さんによる録音も存在し、尾高さんのエルガー演奏には定評があるため期待していました。
印象としては最初の曲と同じで、とにかくオーケストラのサウンドが素晴らしく聞きほれました。
特に印象的だったのは後半の楽章で、静かな中でうつろいゆきヴィオラソロも印象的な3楽章と、勇壮なトランペットと後半の静けさが印象的な4楽章。とくに4楽章の終わり際の銅鑼がとても綺麗にホールに浸透していったのは記憶に残る瞬間でした。
東フィル定期は初でしたが、とても楽しかったです。また聴きにきたいな。