トベコンチヌエド。

CDやコンサートの感想を主に書いています。

2025年9月に聴いた音楽

9月は色々な音楽と出会いました。他にも面白いものはあったのですが、特に印象深かったものをご紹介。

 

Between The Buried And Me「The Blue Nowhere」
カオティック要素強めのプログレメタル、BTBAM。名盤Colorの印象が強いですが、今回も息をつかせぬ展開に翻弄される楽しさを味わうことができます。カントリー的なフレーズが飛び出してくるのが面白く、そのスタイルでの速弾きソロなど笑ってしまうほどテクニカル。とはいえかつて程の暴力的なカオスさはなく、音楽の流れをじっくり楽しめるという点では深化かなと思いました。

 

cali≠gari「18」
近年は特にリリースペースがたいへん精力的なcali≠gariの新作。昨年の「17」や今年頭の「30」も記憶に新しいところですが、メンバーのモチベーションや手応えの高まりを感じて、リスナーとしても嬉しくなりますね。
内容としては前作までの路線をさらに推し進めたものですが、近作「16」が森岡賢、「17」が櫻井敦司の追悼の要素を含み、彼らのルーツを探訪するものだったことを考えるとそこからも一歩進み、実験室的な新しい化学反応を求めようとしているのかなと感じました。ビートロックをベースにしたシンプルで聴きやすいつくりでありつつも熟練のワザが随所に光り、とても充実したアルバムです。ベースの暴れっぷりも特筆したいところで、このタイプの楽曲でここまでバラエティ豊かに弾きまくり、それでいて楽曲より前に出過ぎないというバランス感は驚異的。40分というコンパクトさもあり、彼らを聴いたことがない人も気軽に聴いてみてほしいです。

 

deadman「鱗翅目はシアンブルー」
再始動してからかなり精力的な活動をしているdeadman。会場・通販限定のシングルですがサブスクでも聞けます。CDで買うと充実したインタビューがついてくるのでファンはそちらを。ギタリストaieは他にもkeinやgibkiyなど近いところでのバンドを複数掛け持ちしていますが、いずれもなかなかのペースで音源をリリースしており驚かされます。deadmanはその中でも歌メロが浮き立ってくる曲が多いなと感じるところですが、今回はさらに抜け感というか、聴かせてくる印象を受けました。このトラックにその歌メロのせるか?という瞬間が多く、個性として確立したものがありつつも毎回新たな発見があるのは追っていても楽しいですね。

 

kurayamisaka「kurayamisaka yori ai wo komete」
リリース直後は周辺の音楽オタクたちがみんな聴いてた感じがあります。平成後期のオルタナ、シューゲ文法などを取り込んで昇華させたようなサウンドで、最近はこういった、多くの文脈を総決算的に結実させるハイクオリティな作品が増えて凄いと思います。特に後半の流れは圧巻で、胸が熱くなりました。

 

Plastic Treeトロイメライ
ドラマーのササブチ氏在籍時代の音源が次々とサブスク解禁。中でもこのアルバムは名盤と名高く、折に触れて名前を見かける機会があったのですが、中古でもあまり見かけることがなく、聞いたことはありませんでした。しかし、これの数個後の作品「ウツセミ」はかなり好きなアルバムだったので、絶対にこれもいいだろうとワクワクしながら聴き、想像通り、ぶっ飛ばされました。音楽的には期待したとおり、オルタナ・シューゲなのですが、COTD的なメタリックなリフが顔を出したりとかなり初期衝動感のある音像で、2回目のファーストアルバム的に受け止めました。名盤に触れることができて満足です。

 

Sound Horizon「Chronicle 2nd」
これも過去作。サンホラの同人時代の音源はいずれも中古で高騰していますが、比較的入手しやすいかなという価格で見つけたので確保。一聴してその完成度の高さに圧倒されました。エリュシオンの前からこんなに完成されてたとは。そりゃあ売れますよ、Revoさん。
後の作品でも出てくる重要な要素のいくつかはすでに伏線がはられており、様々な登場人物を出しつつも大筋をなんとなく感じさせる仕立てもすでに確立。サンホラを聴くならマストの作品ですねこれは。他の同人時代作品もですが、どこかでどうにかリイシューとか…やっぱり難しいのかなあ…。

 

Amorphis「Borderland」
フィンランドメロデス。メロディアスでデスボイス多用ということでこのくくりにしてみましたが、いわゆるメロデスでは全くなく、非常にメランコリックなサウンドが特徴的。シベリウスなどを思わせる落ち着いた叙情性が魅力的で、今作でも路線としては同じ。すごく目新しい何かがあるというよりは、好きな小説の新章を楽しみにしているような感覚ですね。今回も良かったです。

 

モノノフ「出雲颪」
日本のデスラッシュ。歴史上の人物を題材にとったメタルということで陰陽座などを想起しますがサウンドは全く別で、たいへん切れ味の良いデスラッシュ。ギターの切れ味、ベースの動き回り具合など聞きどころが多く、純粋にかっこよさを楽しめる一作です。こういったものが母国モチーフで出てくるのは嬉しいですね。

bloodcurdlingenterprise.bandcamp.com

 

Igorrr「Amen」
エレクトロニカなのかメタルなのか、いまいちジャンル分けがよくわかっていないのですが大変な傑作。クラシカルさとメタリックな音像を電気的に処理してかき混ぜたプログレッシブな作品で、歪みギターの音をぶった切って刻みにするなど思いつきそうでなかなかやらない手法で面白く聞きました。今回で初めて知ったので、これまでの作品も聞いてみたいところ。