cali≠gari「△15th Caliversary 2018 LAST GIGS『オヤスミナサイ----。』 @ ディファ有明」

カリガリの活動休憩前最後のライブに行ってきました。

 

■セットリスト

 

第一部
01.とある仮想と
02.ママが僕をすててパパが僕をおかした日
03.トカゲのロミオ
04.キル
05.キセキニイル
06.君と僕
07.色悪
08.空も笑ってる
09.春の日
10.腐った魚
11.わずらい
12.マグロ
13.トイレでGO!
14.紅麗死異愛羅武勇

 

第二部
15.コバルト
16.マッキーナ
17.ファニソン
18.淫美まるでカオスな
19.アレガ☆パラダイス
20.セックスと嘘
21.ラストダンス

 

En.
22.オヤスミナサイ


仕事終わりに急いで向かったのですが、物販列がかなり並んでおり断念。CDは終演後に購入できたのですが、パンフレットは売り切れていたのでした…。

 

ディファ有明は指定席で、私はかなり前の方の席で楽しむことができました。
幕がかかったまま「とある仮想と」からスタートし、ビームのような照明が幻想的な楽曲の世界を際立たせたかと思うとまさかの「ママが僕をすててパパが僕をおかした日」。第6実験室の中でも人気の高い楽曲ですが、最近はあまり演奏される機会が無かったため嬉しかったですね。


「トカゲのロミオ」「キル」とベースがかっこいい2曲を続けざまに演奏し、これまたレアな「キセキニイル」。FC特典の楽曲で、いい曲なんですが実演を聴けたのははじめてです。

 

じわじわと盛り上げる「色悪」「空も笑ってる」の後は観客を着席させてのアコースティックコーナー。ドラムからカホンに持ち替えての「春の日」や、ギターが心地よい「腐った魚」、Jazz風にアレンジされた「わずらい」と、円熟の演奏を楽しむことができました。この日は全員、演奏の調子がよく、サウンドもいつもより綺麗にまとまっていたように思います。とっ散らかっても楽しさを優先する普段のスタイルも好きですが、このようにキッチリした構成でのカリガリもまたよいものですね。

 

「マグロ」から流れるようなつなぎで「トイレでGO!」を演奏した後は、「紅麗死異愛羅武勇」で一旦メンバーがはけ、第一部終了として休憩タイムに入りました。
休憩ではGt青さんのアナウンス。
「ジユリセンヲ ヨウイシテ フルヘテマテ」

 

その予告の通り、第二部はディスコナンバーで固められていました。もともとこの会場ディファ有明はMZA有明という名でバブリーなディスコだったようで、照明や空気感もバッチリといった感じ。カリガリ自体もニューウェーヴ等を由来とした縦ノリサウンドは得意とするバンドなので、素晴らしい一体感がうまれていました。

 

一気に駆け抜けて本編最後はなんと新曲。「ラストダンス」という意味深な曲名ですが内容は暖かくハッピー。ゆったりと休憩を待とうという気持ちにさせてくれました。

アンコールは「オヤスミナサイ」でさわやかに活動休止に。

 

休憩は少し寂しいですが、各メンバー、ほかのプロジェクトでは活動が入っている模様。休憩とは…?ちゃんと体調にも気を遣ってね…?とは思いますが、休憩期間も含めて楽しみたいと思います。

Helloween「Pumpkins United @ ZEPP TOKYO」

Helloweenの来日公演に行ってきました!

 

■セットリスト
01.Halloween
02.Dr. Stein
03.March of Time
04.If I Could Fly
05.Are You Metal?
06.Kids of the Century
07.Perfect Gentleman
08.Starlight
09.Ride the Sky
10.Judas
11.Heavy Metal (Is the Law)
12.A Tale That Wasn't Right
13.I'm Alive
14.Pumpkins United
15.Drum Solo
16.Livin' Ain't No Crime / A Little Time
17.Why?
18.Power
19.How Many Tears

 

En1.
20.Eagle Fly Free
21.Keeper of the Seven Keys

 

En2.
22.Future World
23.I Want Out

 

現在のHelloweenに初期を支えたマイケル・キスクカイ・ハンセンが合流した7人編成でのライブ。企画が発表された時から楽しみにしていました。

 

幕開けは「Halloween」。アンディとキスクがパートごとに歌ったり、あるいはハモったりと非常に贅沢。ツインリードのパートは音源通り、カイとヴァイキーがリードをとり、サシャがリズムを受け持っていました。映像もかっこよく、ハロウィンの雰囲気をよく表現していたと思います。続く「Dr.Stein」でもアンディとキスクによる歌唱。これが非常によかったです。この曲、音源だとちょっとポップすぎるかなと思っていたのですが、生でキスクの声で聴くとなぜか泣けてきて驚きました。

 

そして必殺の「March of Time」!このハイトーンが聴きたかった。キスクの喉も好調で、高いところも音程バッチリでした。続いてアンディの「If I Could Fly」と「Are You Metal?」。特に後者の盛り上がりは凄まじく、観客との掛け合いの部分はとても楽しかったです。Helloweenはメンバーチェンジ後も初期に劣らぬ名曲を数多く産み出してくれており、個人的にここ数年の3作もかなり好きです。なのでアンディらしい歌唱が聴けてとてもうれしかったですね。アンディは北海道では体調を崩し気味だったとのことですが、今日は絶好調に見え、高い音もガッツリ当てに行っていました。

 

中盤のヤマは08~11曲目。曲数は多いですがカットされてメドレー形式になり、カイ・ハンセンがギターボーカルをとりました。カイの歌唱はVo2人に比べれば荒っぽいところはあるものの、シャウトのキレはよく、かなり調子よかったと思われます。「Starlight」のサビを合唱させたりと一体感を感じるステージングでした。

 

キスクの曲を挟んで新曲「Pumpkins United」。これもとても良かったですね。現在の編成に合わせて書かれただけあって、すべてのメンバーに見せ所があるのがライブだとよくわかります。ギターのハーモニーの組み合わせがヴァイキー/カイだったりサシャ/カイだったり、アンディがサビを歌う裏でキスクがロングトーンしたりと、熱い演奏でした。

 

ドラムソロでは映像で初期ドラマーのインゴのパフォーマンスが流され、それにダニが応答のようにフレーズを重ねていくというスタイルで、感動的でした。
本編後半の最大の盛り上がりはアンディの「Power」。この曲のイントロでの観客の大合唱には感動しました。初期の名曲「How Many Tears」で本編は終了。

 

アンコールではイントロからの「Eagle Fly Free」!これを聴きに来たという人も多かったのではないでしょうか。キスクの歌唱は期待通りのもので、多少高音がつらそうに聴こえる瞬間はあったものの圧倒的な「本物」感を味わうことができました。続いては「Keeper of the Seven Keys」。長さを感じさせない起伏に富んだ演奏で、やはりこのバンドの武器はメロディだなあと思いました。

 

ダブルアンコールではカイの「禿山の一夜」ソロに続いて「Future World」!これもキスクの声で是非とも聴きたかった曲。最後は「I Want Out」でライブ終了となりました。

 

全体を通して曲間にはカボチャのマスコットを使ったアニメーションが流れ、転換の間を感じさせないよい演出でした。MCではアンディが日本語をできるだけ使おうとしてくれていたのが嬉しかったですね。「ありがとう」だけでなく、キスクとの「みんな昨日も来て知ってるんだろ?」みたいなやり取りの時に「なんだよ。。」と日本語で言っていたのがとてもウケていましたね。

 

アンディもキスクも好きなヴォーカリストなので、彼らのハイトーンでのハモリは感無量でした。アンディが高い方を歌う場面もあったのは興味深かったですね。ギター3人も音源に沿ったツインリードをしたりそうでない組み合わせでツインリードをしたりと色々な組み合わせでのサウンドが楽しめました。

 

とても楽しい企画でした。私がHelloweenを知ったときにはすでに現在のラインナップになっており、まさかカイとキスクがいる状態でこの名曲群を聴ける日が来ようとは想像だにしませんでした。生きててよかったです。

 

cali≠gari「セルフカヴァーミニアルバム 「3」発売記念GIG第2部 @ 新宿LOFT」

カリガリのセルフカバーアルバム発売ライブに行ってきました!

 

■セットリスト
01.破れた電報
02.空も笑ってる
03.キル
04.マネキン
05.ハイカラ・殺伐・ハイソ・絶賛
06.コバルト
07.腐った魚
08.君と僕
09.新宿ヱレキテル
10.クソバカゴミゲロ

 

平日夜に2回公演という意味不明なタイムスケジュール。
1部の18時からはさすがに会社勤めには参戦不可能なので、20時からの2部に行きました。

 

会場はかなり埋まっていて後方には仲間と思しきスーツのサラリーマンもちらほら。この日発売のアルバムと、公式ブトーレグDVD(LOFTと本八幡でしか売らない)も物販で無事入手。

 

開演予定を10分くらい押した所で客電が消え、開演。まずは幕がかかったままでの演奏になったのですが、幕の隙間からSEに合わせて踊る青さんを私は見逃しませんでした。

 

まずはギターとVoでしっとりと始まる「破れた電報」。音源ではノイジーなエフェクトがかかっていますが、ライブだとクリーンな状態で声を堪能できました。続いて「空も笑ってる」。原曲では青さんが叫ぶように歌っていてそれもカッコよかったのですが、石井さんのなめらかなVoで歌われるとまた違った味わいが。

 

FC会員の更新特典音源のキル。これは昨年末も披露されましたが、さらに練度が上がった印象でした。ベースがとにかく暴れまくり、冒頭のタッピングの嵐は最高にかっこよかったです。なんとなく社会へのメッセージなマネキンと久しぶりなハイカラで客席のテンションもどんどん上がりました。

 

コバルトは原曲とはまったく異なるアレンジ。打ち込みに乗せて縦ノリが強い感じになっており、ファニソンと並んで膝を壊す曲になりそう。腐った魚は全員が着席して演奏。整頓された演奏になることでよりいっそう楽曲としての良さが際立っていたように思います。

 

君と僕も大幅にアレンジ変更。もともとは浮遊感のあるサウンドや登っていくベースラインが印象的でしたが、これも最近のカリガリの方向性に合わせて縦ノリ感に。新宿ヱレキテルは石井さんのビブラートがもうこれでもかと。ラストはいつものクソバカで〆となりました。

 

とてもいい雰囲気で、楽しいライブでした。
ひとまず4月のライブで一区切りして活動休憩(おもに体調面のメンテナンス期間)とのことですが、ゆっくり体調を整えてまた長く活動して欲しいものです。

 

オーケストラ・トリプティーク「チャージマン研!ライブシネマコンサート @ 渋谷区立文化総合センター大和田」

だいぶ日があいてしまいましたが、2/17にチャー研のコンサートを観てきました。

 

 

第1部 宮内國郎特集
01.ウルトラQ
02.ウルトラマン
03.怪獣ブースカ
04.とびだせバッチリ
05.宇宙猿人ゴリなのだ
06.スペクトルマン・ゴーゴー
07.ラブラブショー
08.ガス人間第1号より
09.オール怪獣組曲
10.チャージマン研!(feat.ひばり児童合唱団)
11.研とキャロンの歌(feat.ひばり児童合唱団)
12.交響組曲チャージマン研!

 

第2部 ライブシネマコンサート
13.第16話「殺人レコード 恐怖のメロディ
14.第45話「鳩時計が3時を指したら」
15.第31話「危機!爆破一秒前」
16.第35話「頭の中にダイナマイト」

 

アンコール
17.研とキャロンの歌 TV Size(feat.ひばり児童合唱団)
18.チャージマン研! TV Size(feat.ひばり児童合唱団)
19.M4 殺人レコード 恐怖のメロディ

 

第1部は作曲家・宮内國郎の特集。
ウルトラQをはじめとした昭和のテレビを彩った楽曲が並びます。
オーケストレーションやメロディセンスにチャー研に通ずるものを感じつつ楽しく聴きました。

 

オーケストラトリプティークは小さめの編成の管弦楽にギター、ベースを追加したもので、サウンドトラックの雰囲気をそのまま再現していました。

 

BGMの性質上、短い楽曲ばかりなのでガッツリ管弦楽を聴くというよりはなんというか、色んなお菓子をつまんでいるような感覚だったのですが、これだけ分量があるとさすがにお腹いっぱいになりますね。

 

第1部後半では原曲でも歌った「ひばり児童合唱団」の歴史を受け継ぐ、現在の「ひばり児童合唱団」が主題歌を演奏。歌唱のクオリティの高さには感動しました。
また、その後に演奏された交響組曲チャージマン研」では25分にわたって本編で使用されたBGMが全て聴けるという幸福な時間。原曲ではノコギリを使って演奏されたパートは「映像を音に変換する」というヴィデオロンという楽器にて代用されていました。
「殺人レコード」などの印象的な楽曲では観客席から笑い声も聴こえ、非常にシュールな空間が演出されていました。

 

第2部はいよいよライブシネマ。
本編映像を流しつつ、BGMにかぶせて生演奏するという企画です。
これはどうがんばっても文章では伝わらないでしょう。
チャー研のカオスなストーリーに乗っかる本気の演奏のギャップ。
そして客席からの大爆笑。

 

アンコールでは「みんなで主題歌を歌う」という試みもあり、こういった試みは何回も体験していますが、ここまでクオリティの高い観客合唱はなかなかないのでは?というレベルの揃いっぷりでした。

 

 

とても楽しい演奏会でした。
第2回も決まったようですので、なんとか行きたいですね。

バックドロップシンデレラ「サンシャインとウンザウンザを踊るツアー @ TSUTAYA O-EAST」

久しぶりにバックドロップシンデレラのライブに行ってきました。

 

□セットリスト
00.およげ!たいやきくん
01.歌わなきゃジャクソン
02.台湾フォーチュン
03.チャカしてリヴァプール
04.アラスカアバンチュール
05.ベルリントロンボーン
06.バイトやめよ
07.めんどくさいうた(with よのっしー)
08.市長復活~さいたま市ヨリ与野市ヲ解放セヨ~(with よのっしー)
09.メラメラ
10.COOLです
11.フェスだして(with 小野町子)
12.フェスでれた(with 小野町子)
13.泥だらけのメッセンジャー
14.亡霊とウンザウンザを踊る
15.うるわしのお嬢さん(with 谷崎航大)
16.およげ!たいやきくん(with 谷崎航大)
17.とめんな姉ちゃん(with 谷崎航大)
18.マイムマイム(with 谷崎航大)
19.少年はウンザウンザを踊る(with 谷崎航大)
20.だんご3兄弟(with 谷崎航大)
21.池袋のマニア化を防がNIGHT
22.太陽とウンザウンザを踊る
23.月あかりウンザウンザを踊る
24.さらば青春のパンク
25.池袋でウンザウンザを踊る

 

En.
26.ブラスト和尚〜完全版〜
27.激情とウンザウンザを踊る
28.おじぞうさん

 

BDCのライブは3年ぶりくらい。
O-EASTワンマンができるほどになったのだなと嬉しく思いながら足を運びました。

演奏はさらにレベルアップしており、以前よりも安定感が段違い。MCで「年間100本のライブを10年以上続けてきた」とのことで、3年あければ300回。そりゃうまくなるよな、、と。


やはり印象的なのはドラムで、メタルをルーツに持つパワフルでタイトな演奏にはしびれっぱなしでした。

映像撮影が入っているとのMCからのよのっしーゲストで「めんどくさいうた」「市長復活」。よのっしーは旗指物のようなものに「北朝◯断じて許すまじ」と「合併断じて許すまじ」と書いたものを持って踊りまくっていました。

 

小野町子ゲストでの「フェスだして」「フェスでれた」では客席を小野町子が練り歩くシーンも。観客を左右に分け、モーゼのように割れた観客の間を練り歩く堂々さはかっこよかったですね。

 

Vnの谷崎航大ゲストでのパートは特に素晴らしく、レコーディング通りヴァイオリンが乗ったサウンドは心地よかったです。結構なスピードのパッセージも多いのですが、バシバシとギターとヴァイオリンでユニゾンを決めていく様は圧巻でした。

 

ウンザウンザシリーズを連発して熱狂の中、本編終了。
アンコールではすでにMVが発表されていた「ブラスト和尚」の完全版。アイアンメイデンやハロウィンの影響を強く感じさせる構築された楽曲はかなりの完成度でした。
ニューシングルの告知からの「おじぞうさん」でライブは終了。全編通してとても幸福感にあふれた素敵なライブでした。また行きたいな。

 

 

People In The Box「Kodomo Rengou」

フルアルバムとしては2014年の「Wall,Window」から3年ぶりのPeopleのアルバムが発売されました。

 

Kodomo Rengou

Kodomo Rengou

 

 

個人的にPeopleはいくつかの時期に分けてとらえています。

 


「Rabbit Hole」
「Flog Queen
 この時点ですでに構成の面白さや綺麗なメロディ、ポエトリーリーディングに轟音とクリーントーンの対比といった個性は確立されていたものの、楽曲それぞれは独立しており、アルバムとしての統一感はそこまでありませんでした。

 


「Bird Hotel
「Ghost Apple
「Sky Mouth」
「Familly Record」
「Lovely Taboos」
 メンバーも固定し、アルバムごとに確固たる世界観を構築していた時期。楽曲間が密接に絡み合い、まるで長大な組曲を聴くような感覚で一枚が構成されていました。楽曲自体の構築度もより高まり、一秒たりとも気を抜ける瞬間のない濃密な音楽が並びます。その方向性は「笛吹き男」でひとつの頂点に達したと思います。

 


Citizen Soul」
「Ave Materia」
「Wether Report」
 東日本大震災を受けて生み出された作品群。それまでの作品がどこか内向的だったのに対し、外を向いた目線の歌詞が多く並びます。楽曲についてもそれまでの「極限まで研ぎ澄ませる」という方向から、あえて遊びを設けて自然体な音楽を模索している様子が感じられ、全体としてあたたかみのある作品たちです。同時にそれまでのスリーピースという編成にとらわれない実験も行われており、「Wether Report」ではノイズや鍵盤の大胆な導入も観られました。

 


「聖者たち」
「Wall,Window」
Calm Society」
「Talky Organs」
 鍵盤楽器を本格的に導入するようになってきた時期。楽曲としては遊びを確保しつつも詰める所は詰めるといった感じ。「劇場編」と呼ばれるライブでアコースティックセットを定期的にやってきた彼らですが、そちらの方向を強く出した楽曲が多いかなという印象で、「海はセメント」や「月」などハッとさせられるような曲も多いのですが、どこか引っかかりきらないという印象も。

 


「Things Discovered」
 メンバー選曲のベストと同時に新曲、再録を行いバンドの10周年を飾った企画盤。トリビュートでの「エンジェルダスト」もこのくくりのイメージ。過去の楽曲を振り返ったことがプラスに影響していると思われる祝祭感あふれるよい企画でした。

 

そして今回の「Kodomo Rengou」。
これも⑤の中に入るかと思いますが、一聴して驚いたのは、ここには①~⑤までのすべてのPeopleを感じたことです。

 

特に②から③で一旦は手放した、あるいは距離をおいたと認識していた「構築」が復活していること。その上で、今まで積み上げてきた音楽性の延長線上で鳴っていることに感動させられました。このバンドの数ある武器が、きちんと強みとして自覚を持って効果的に用いられ、組み合わさっているのは「お子様ランチ」のような楽しさを与えてくれるのです。

 

「報いの一日」では「エンジェルダスト」で聴けたような印象的なギターサウンドとシンプルな歌メロ、そして「Ghost Apple」でよく聴いたキラキラとしたギターがだんだんと多層的に重なり、日差しの暖かさのようなオープニングを演出します。

 

「無限会社」では切れ味のよいカッティング、機械音のようなギターに「矛盾の境界」を思わせるリズミカルなパート。コーラスでVo波多野さんだけでなくBa福井さん、Dr山口さんの声がしっかり聴こえるところも今までと異なる箇所。中盤で大胆に切り込むキーボードも強い印象を残し、めまぐるしい展開と「紛い物」のサビに圧倒されます。

 

「町A」ではいきなりゴリゴリとしたベースに驚かされたかと思えば高らかに歌われる町の施設の数々。16分3個で分けられたフレーズが随所に登場し、独特の浮遊感を演出しています。ここでも中間部ではキーボードの見せ場があり、さらなるサビの高揚感を煽る心憎い展開。終盤で拍子が変わるのも自然で巧み。こういった箇所に「Familly Record」期を感じますね。

 

世界陸上」はピアノによる印象的なリフでスタート。楔を入れるように切り込むドラムとベースはさらっと見えて相当にテクニカル。ここでの歌はかなり器楽的。リズム楽器的に歌ったかと思えばメロディを奏でたりと自由なアンサンブルが癖になります。

 

「デヴィルズ&モンキーズ」の展開は圧巻。順番に登場したマテリアルが中盤でパレードのように回収されていくのは謎解きのような快感をもたらします。「Wether Report」で聴いたような民族風な弦の音色も心地よく、繰り返しの中で高揚していく音楽を堪能できました。

 

「動物になりたい」は去年のライブから披露されていた曲。クリーントーンなギターのリフに乗って美しいメロディが紡がれます。アルバムの中では比較的シンプルな楽曲ですが、その分ストレートに感情が伝わるようで、アルバム中間部でのよいアクセントになっています。

 

衝撃的なサウンドではじまる「泥棒」。ギターとベースのユニゾンリフに乗って不穏な歌詞が踊ります。「責任くん」「退屈ちゃん」といった強力なワードが並ぶ歌詞も攻撃力が高め。長めのギターソロも配置され、曲の不穏さをさらに増しています。ギターソロ明けから聴こえてくるギターのコード弾きやシンセっぽい音色も素敵。

 

「眼球都市」も去年のライブで披露されていた曲。一聴では聴き取れない歌詞とやけに音韻を踏んだサビが癖になります。視力1000.0なんて発想はなかなかできないですね。

 

しっとりしたピアノの「あのひとのいうことには」。終盤で歌だけになる箇所は効果抜群で、それまでの重厚な演奏がスッと消えることでより歌のメッセージが際立つつくりになっています。

 

複雑なリフの上でメロディが舞う「夜戦」。動き回るベースが印象的です。時計を模したかのようなギターや疾走するドラムも心地よいですね。盛り上がりが一段落したかと思うと一転してテンポダウン。ポエトリーリーディングの挿入に耳を奪われるとそのまま展開しつつエンディングへ。このへんも「Familly Record」での技法を感じます。

 

「かみさま」はMV曲。音数の少ないギターに代わってコード弾きで厚みを演出するベースによる横の広がりのあるサウンドが印象的。「おはよう おはよう」と繰り返すサビのホーリー感がとてつもなく、その後でドゥーミーと言えるほどの重厚なリフが繰り返されることで音に塗りつぶされる快楽も感じることができます。

 

「ぼくは正気」でエンディング。ここでは特にVo波多野さんの音楽性を強く感じました。音色やリズムのチョイスなどにソロ名義での音源やバンド以外での活動からのフィードバックを感じます。「沈黙」の再録が同様の方向性であったように。こういった一聴してシステマティックな演奏もできるのが彼らの魅力です。

 

全編通して、今までのPeople In The Boxをすべて活かした上で前進する、素晴らしいクオリティのアルバムでした。リリースツアーは6月とのこと。これは今から楽しみです。

 

 

People In The Box「10th Anniversary The Final @ EX THEATER ROPPONGI」

一年ぶりにPeopleのライブに行ってきました。

 

□セットリスト
01.汽笛
02.火曜日 / 空室
03.聖者たち
04.She Hates December
05.犬猫芝居
06.空は機械仕掛け
07.無限会社
08.デヴィルズ & モンキーズ
09.翻訳機
10.マルタ
11.月
12.技法
13.レテビーチ
14.大砂漠
15.ニムロッド
16.旧市街
17.木洩れ陽、果物、機関車
18.かみさま

EN
19.ヨーロッパ

 

 

他のライブがあったり仕事が忙しかったりで、一年ぶりになってしまいましたが音源はずっと聴いていました。
そしてこのライブの数日後は3年ぶりの新作アルバムの発売日。
かなり期待して会場に向かいましたが、期待以上の素晴らしいライブでした。

 

冒頭からの「汽笛」には意表をつかれ、綺麗なメロディを堪能してからの「火曜日」「聖者たち」で攻撃的なサウンドに酔う。この日は演奏も歌もとてもよく、特に「火曜日」でのブレイクからの「聖者たち」へのつなぎにはゾクゾクさせられました。

 

10年を振り返るMCのあとは初期の代表曲「She Hates December」。綺麗なミドルテンポのなかにどこか焦燥感を感じていたこの曲も、10年を経てある意味の落ち着きを持って演奏されるようになったのかなと。それは次の「犬猫芝居」でも一緒で、しかしその温度感もまた今のPeopleとして非常に心地よく感じられました。

 

優しいメロディに乗せた不穏なまでのテクニカルがくせになる「空は機械仕掛け」に続いては新作アルバムから2曲。冒頭のカッティングから意識をもっていかれた「無限会社」にコーラスが印象的な「デヴィルズ&モンキーズ」。どちらも「構築」のPeopleを感じさせ、アルバムへの期待が高まりました。

 

「翻訳機」「マルタ」「月」「技法」はいずれもしっとりとした優しい曲。中でも「月」は素晴らしく、音源よりもアゴーギグが利いて、一瞬のためが曲のよさをさらに引き出していたように思いました。

久しぶりに聴いた気がする「レテビーチ」に続いてはまさかの「大砂漠」。歌詞付きの「砂漠」でなくこちらを選曲するあたり、らしいなと思います。

 

「ニムロッド」は大好きな曲。「旧市街」もそうですが、こんなにアンサンブルが難しそうな曲をバシバシ決めていく様を見るのはやはり痛快です。憩いのような「木漏れ日、果物、機関車」をはさんで新作アルバムからのMV曲「かみさま」で本編終了。

 

アンコールはいつもの「ヨーロッパ」で。何回聴いてもライブでのこの曲は素晴らしい。

 

2時間半があっという間な、本当に楽しいライブでした。2月末までLine Liveのアーカイブも残っているようですので、是非観ていただきたいですね。