King Crimson「UNCERTAIN TIMES JAPAN TOUR 2018 @ オーチャードホール 12/19」

King Crimsonの東京最終日に行ってきました!

 

■セットリスト

第一部

01.The Hell Hounds of Krim

02.Larks' Tongues in Aspic, Pt. 2

03.Epitaph

04.Neurotica

05.The Construkction Of Light

06.Dawn Song

07.Last Skirmish

08.Prince Rupert's Lament

09.Discipline

10.Indiscipline

11.Moonchild

12.CADENZAS

13.The Court Of The Crimson King + CODA

 

第二部

14.Devil Dogs Of Tessellation Row

15.Pictures Of A City

16.Cadence And Cascade

17.Breathless

18.Fallen Angel

19.Easy Money

20.Meltdown

21.Radical Action II

22.Larks' Tongues in Aspic, Pt. 5

23.Starless

 

En.

24.21st Century Schizoid Man

 

定時退社してオーチャードホールへ。

場内ではすでに物販列が長かったので、受付でパンフのみ購入しました。

 

King Crimsonはおそらく私が初めて自分から聞き始めたロックバンドで、きっかけはサクソフォン四重奏団のトルヴェール・クヮルテットが「21st Century Schizoid Man」をカバーしていたこと。高校生のときに衝撃を受け、「濃縮キング・クリムゾン」というベスト盤を買いました。

 

2015年も来日していたことは知っていたのですが、その年はラウドパークでお金を使ってしまい、余裕がなかったために断念。今回やっと生で見ることができました。

 

現在のクリムゾンはトリプルドラム編成。冒頭のドラムバトルの曲はやはり会場で聞くとサラウンド感や見た目の楽しさが何倍にもなり、これからの演奏への期待感を煽られました。そして続くは「パート2」!いきなりこの曲が来るとはまったく思っていなかったので痺れました。メタリックなリフと重厚なサウンドに圧倒され、続いては名曲「Epitaph」。この広がる響きにはこれが元祖か…と感慨もひとしおでした。「Neurotica」「The Construkction Of Light」といったブリュー期の楽曲ではトニー・レヴィンのスティックさばきに見とれました。

 

「Moonchild」では後半にトニー、ロバート、ジェレミーカデンツァが挿入されましたが、トニーはアップライトベースを途中からアルコで弾き、さらにスキャットでユニゾン。最後には「コンニチハー」で締めるという素敵な即興でした。

 

一部最後は「The Court Of The Crimson King」。これも大好きな曲です。サビでのためからの広がりも美しかったですね。拍手をシンバルで鎮めたあとにおごそかに始まったCODA部もとてもきれいでした。

 

第二部も冒頭はドラム曲。続いては「Pictures Of A City」。途中の早いユニゾンがバシバシと決まり、合間の休符の静寂が楔のように打ち込まれていくさまは快感でした。「Cadence And Cascade」も非常に好きな曲。メル・コリンズのフルートソロもきれいでした。「Fallen Angel」も聞きたかった曲。個人的に、最初に買ったベストの中で一番最初にハマった曲がこれだったということもあり、実演を聞けて感無量でした。すべての曲に言えますが、ロバート・フリップのギターは音量としてはバランスを考えられたものなのに、なぜか細部までバッチリ聞こえてくるんですよね。音色やアーティキュレーションのマジックによるものでしょうか。

 

「Easy Money」のあとはハードな曲が組曲のように連続で演奏され、最後は「Level5」あらため「パート5」。静と動のコントラストに打ち震えたあと本編最後は「Starless」!なんといってもギターメロディですよね。哀愁をたたえた音色とメロディはいつまでも聴いていたいと思わせるものでした。

 

アンコールは「21st Century Schizoid Man」。中間部に挿入されたドラムソロのうまいこと!テクニカルなフレーズはもちろん、音階をもたせてみたり緩急をつけてみたりと多彩な発想のソロで、ギャヴィン・ハリソンの音源をあさってみたくなりました。キメフレーズの休符部分で近くの人がものすごく叫んでいてちょっと冷静になってしまいましたが、やはりここでも演奏はすばらしく、最後まで極上のサウンドを堪能できました。

 

さすがに当時のスタジオ音源のような切れ味は薄れている曲も多かったのですが、トリプルドラムによるフックの追加や、人数によるサウンドの厚みなど、熟成した貫禄を感じる演奏でとても素敵な時間を過ごすことができました。満足です。