毛並みん「17さい」セルフ解説

今回はけっこうな力作になったこともあり、どんな感じなのかな?というのを文章化してお伝えするのもアリなのかな、と思いまして。
ネタバレ若干含みますので、聴いてから読んだほうが楽しめそう、という方はそれでお願いします。
※発売前に好きなバンドの全曲インタビュー記事とか読むの、個人的には好きなもので…。

 

なお、アルバム「17さい」は冬コミ C103 1日目にて頒布予定ですので、よろしくお願いします。

 

 

■毛並みん「17さい」 曲目
01.進路
02.お花(17さい ver.)
03.FM73.3 毛並みんペタペタ
04.expired
05.So What(17さい ver.)
06.FM73.3 毛並みんは17さい
07.magic hour(17さい ver.)
08.星あかり
09.まとまるくん
10.FM73.3 毛並みんヘルシー
11.木ごとき
12.gekijo
13.袖
14.steer board
15.starboard(17さい ver.)
16.17さい
17.かわいいって言ってよ!(17さい ver.)

 

◆解説
01.進路
 構成:A-B-C-A-B-C
 2020年あたりの閉塞感、退廃的空気から生まれたメロディ。
 某Sound Horizonにならって右側が生、左側が死として楽器を配置。生は生音とサンプリング音源で左は完全打ち込み。
 シンプルな構成ながら後半にばっとサウンドに広がりを持たせてみたかった。

 

02.お花(17さい ver.)
 構成:C-A-B-C-A-B-C-Solo-C-B-C
 2023年5月の毛並みん個展、#KNMN2023 用に書いた曲。
 去年から見ていたアニメ…水星の魔女やぼっち・ざ・ろっく!の影響を受けつつ、毛並みん的キラキラメロディを書いてみた。
 最近は生ドラムでないビートにも興味があり、その実験でもあった。

 

03.FM73.3 毛並みんペタペタ
 毛並みんラジオその1。効果音的なドラム音源を持っていたのでそのへんを使って自然っぽいBGMを。
 こういう感じのものを作りたいときにバリトンサックスは結構向いていると思う。

 

04.expired
 構成:A-B-C-A-B-D-A
 ハウス、テクノ、4つ打ちはパリピっぽくて苦手だったが、ここ数年のヒューマンビートボックス界隈の隆盛を見て、オタク的な想像力にも接続できることがわかった。
 とはいえそんなにすぐに真似できるようなものでもないので、典型的なビートを取り入れつつ、ドロップでは毛並みんに語ってもらった。
 謎に深すぎるリバーブもツボ。

 

05.So What(17さい ver.)
 構成:A-B-A-B-A-Solo-C-D-Solo-C-E-A'-B'-A'-F
 2022年の冬コミ C101 にて頒布されたもの。
 なかなかギターが弾けない中で、プログレメタルが…やりたいんや…!という気持ちが爆発した。
 具体的にはTrain Of Thought期のDream Theaterとかの攻撃力高めなやつ。
 中間部では最近のYesや初期King Crimsonを思い起こしつつ。メロトロンの音源が使えるならこの音色は使いたいよな、ということで。

 

06.FM73.3 毛並みんは17さい
 毛並みんラジオその2。絶望放送リスナーだったもので、そういう曲も書いてみたかった。
 アコースティックギターの音って難しいですよね。ここではAmpleの音源を使用。

 

07.magic hour(17さい ver.)
 構成:A-B-C-A-B-C-Solo-C
 2022年の夏コミ C100 にて頒布されたもの。
 C100~C101あたりはちょうど仕事がMAX忙しかったころで、打ち込み主体でどうにかできないかを模索していた。
 この曲はほぼギターは弾かず、キーボードアレンジを厚めに構成。夜中でもキーボードなら音が出ないので。

 

08.星あかり
 構成:E-A-B-C-D-A-B-C-E
 毎回何かしらは入れているシューゲイザー的音響への挑戦。ギターもほぼ打ち込み。
 最近はCevioAIを仮歌として使うことが多いのだが、CevioAIは初期だとドレミで歌ってくれるので、そればっかり聴いているとそれに引っ張られた歌詞になる。
 というわけで、サビの歌詞はドレミで歌ったものからもじったもの。この曲は歌詞まで私が書いている。

 

09.まとまるくん
 構成:A-A-B-C-A-B-C-C-C
 ここらへんから、17さいというテーマを意識して案出しした曲が多い。これもそのひとつ。
 神聖かまってちゃん的な、変わらないコード進行の上でいろいろやるやつをやってみたかった。
 後半は抑えきれずにメタル化。

 

10.FM73.3 毛並みんヘルシー
 毛並みんラジオその3。フュージョン風。
 ラテンなビートに乗ってヘルシーな語りをする毛並みんが面白い。

 

11.木ごとき
 構成:A-B-Solo-A-B-C-C'-D-E-Solo-B-C-C'-C'-F
 今年の春の花粉は本気でしんどかった。マスクをしてるんだから貫通してくるなと何度思ったことか。頭がくらくらするようなリフはDream Theater印。
 打ち込み多用の揺り戻しで沢山ギターを弾いてやろうと考え、そのようになった。冒頭の変拍子は全然覚えられなくて弾くのに苦労した。
 好きなメタルをいろいろ詰め込みつつも最後はどこに行くのか…という感じ。

 

12.gekijo
 構成:A-B-C-A-B-D-Solo-B-D-D-C'
 ギターロック、変拍子、なおかつ爽やかというのが青春の味。
 拍子をころころ変えるのが残響系って感じで懐かしくていいなと思った。
 サビではみんなで叫びたいなと思って毛並みんをたくさん召喚した。

 

13.袖
 構成:A-B-C-D-A-B-C-E-D-A-E-E-D-D
 自分の中から17歳を連れてくるならBump of Chickenしかない。
 左のギターはコードをかき鳴らし、右のギターは単音フレーズ。これが俺なりのバンプや…という感じ。
 出来上がったら結構質感は違う感じになったのだけど。

 

14.steer board
 歌も語りもない前奏曲のようなもの。各フレーズの素材は続くstarboardの断片から。
 今年のいなくなってしまった偉人たちに想いを馳せつつ。

 

15.starboard(17さい ver.)
 構成:A'-D'-A-B-C-D-A-B-D-D-E
 2023年の夏コミ C102 にて頒布されたもの。
 出会いと別れは普遍的なテーマだが、ここで一度書いておきたかった。
 青春パンク的な疾走感で未来まで。

 

16.17さい
 構成:A-B-C-A-B-D-C-C’
 語りかけるような低めのメロディから、高く飛ぶサビへ。
 こういうamazarashiフォロワー的な曲が多く聴かれるようになってしばらくたったが、私もこういうのは好きだ。
 最近はメロディにハーモニーを重ねるのがお気に入りで、ここでもサビはハモっている。

 

17.かわいいって言ってよ!(17さい ver.)
 構成:A-B-C-C-A-B-Solo-C-C'-C-C'-D
 2016年に書いた曲。当時から音域高くしすぎたかなという気持ちがあった。
 低い音の出るギター(といっても7弦ではなくダウンチューニングしているだけ)を持っているのだからということで思い切ってキーを下げてみた。
 当時も結構な時間をかけて作っただけあって、アレンジはあまり変えておらず、聴き比べても面白いかも。