Sound Horizon「Nein」

前作「Märchen」から4年ぶりのサンホラの新作アルバム。
9th Storyということで、8thよりも先に9thがリリースとなっている。

リードトラック「檻の中の箱庭」は打ち込み的語法が多用され、アルバム全体もそういった方向性なのかと思ったが全くそんなことはなかった。
私は「Roman」以降のサンホラしか知らず、リアルタイムで聴いているのは「イドへ至る森へ至るイド」から。完全にマーティ・フリードマン参加に釣られて聴き始めた。
さらに言うなら、ストーリーをきちんと租借しながら聴き始めたのは「ハロウィンと夜の物語」からだ。

で、とりあえず今回のアルバムを聴いて、過去作品をとにかく聴きたくなった。(手元になかったElysionを速攻でポチってしまった)
各楽曲が過去作品と密接に関係しているので、過去作品を聞くとまたNeinを聴きたくなるという無限ループ仕様となっている。これはずるい。

読みながら聴いたときのサンホラがこんなに楽しいとは知らなかったなあ。

もちろん物語だけでなく音楽も、いわばサンホラのいいとこどりなので満足度は高い。
ストーリーに重きをおくため、1曲が長い(ほとんどの楽曲が8分を超える)が、面白く聞きとおすことができた。
特に「憎しみを花束に代えて」は素晴らしいの一言。

謎解き要素も健在。
こういうことかな、それともああいうことかな、という妄想でしばらくは遊べそうだ。

10周年企画の一環ということだが、年月を積み重ねてきたからこそできる挑戦で、とても良いと思う。