トベコンチヌエド。

CDやコンサートの感想を主に書いています。

2024年上半期ベストアルバム(20枚)

今年も面白い音楽が多くて楽しいですね。

特に印象に残っている好きなアルバムをいくつか紹介します。

 

 

cali≠gari「17」
deadman「Genealogie Der Moral」
Plastic TreePlastic Tree
清春「ETERNAL」
■D「血界」
■Alcest「Les Chants de l'Aurore」
■Ihsahn「IHSAHN」
■Whom Gods Destroy「Insanium」
■Wheel「Charismatic Leaders」
■Vltimas「Epic」
Judas Priest「Invincible Shield」
ZAZEN BOYS「らんど」
アーバンギャルド「メトロスペクティブ」
ザ・クロマニヨンズ「HEY! WONDER」
THE YELLOW MONKEY「Sparkle X」
東京佼成ウインドオーケストラ「酒井 格 作品集」
■東京藝大ウィンドオーケストラ「P.グレイアム&P.スパーク」
■宮田大「吉松隆:チェロ協奏曲」
Evan Call「葬送のフリーレン Original Soundtrack」
東京佼成ウインドオーケストラ「New Sounds In Brass 2024」

 

cali≠gari「17」
昨年に前作「16」をリリースしたばかりで、こんなに早く次のフルアルバムが来るとは思っていなかったので驚きです。前作は彼らのルーツを強く感じさせる名盤でしたが、そのモードのまままだ作れるという感触から今作も制作することになったもよう。確かに方向性はそのまま、むしろさらにロックバンドらしいフィジカルな構成の曲が増え、さらなる進化を感じさせるとともに内容も幅広くアピールできる快作に仕上がっています。


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deadman「Genealogie Der Moral」
keinの復活アルバムも記憶に新しいですが、deadmanでも完全新作が出ました。ムックとのスプリットでの曲はありますがほぼすべて新曲。いずれも彼ららしいオルタナを感じるギターと不穏な世界観が濃密に感じられます。過去曲の再録による振り返りの成果もあってか、オリジナルアルバムとしてのブランクを全く感じさせない地続きのサウンドが頼もしいです。


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Plastic TreePlastic Tree
密室系としてcali≠gariやムックと並んで語られることの多かったPlastic Tree。彼らももう30周年であり、満を持してのセルフタイトルのアルバムとなります。正直、彼らのことはそこまで深く追っているわけではないのですが、全体を通して確かにPlastic Treeでしかない作品だ…と惚れ惚れしてしまう出来でした。有村氏のソロなども経由した芯のあるメロディーラインが見えたかと思えばCOTDサポートで培ったようなメタリックなギターが顔を出し、全体のサウンドとしては私が大好きなアルバム「ウツセミ」の頃の雰囲気も微かに感じられます。特に最初と最後の曲が映画のオープニングとエンディングのように機能し、一本の映画を見たような爽やかな後味を感じることができました。


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清春「ETERNAL」
水曜日のダウンタウンでまさかの清春特集。聴き取れない歌詞を聴き取る企画には大いに笑うとともに我々ファンの清春耳を試されるようで面白かったですね。清春さんは常に歌い方をアップデートさせ、それに合うサウンドを模索し続けていますが、アコースティック系統のサウンドの到達点まで来たのではないかという完成度を誇るアルバムに仕上がっています。初見では聞き取れないので歌詞は後景に退いてあまり意識されない印象もあるのですが、じっくり番組で歌詞と向き合わされることによって彼の世界観もあらためて確認でき、より味がわかるというのもプロモーションとしてかなり良かったと思います。


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■D「血界」
ヴィジュアル系ロディックメタルといえばVersailles摩天楼オペラ、そしてこのDです。今作をもって活動休止とのことで総決算的な2枚組のアルバムになりますが、この出来が素晴らしい。数年分の曲が詰まっていることもあってか、いずれもメタルの文脈ながら個性があってするっと聴き通せてしまえるのが良いですね。


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■Alcest「Les Chants de l'Aurore」
デフヘブンなどのブラックゲイズにも通じるような、ブラックメタルのアグレッシブさとシューゲイザー的なホーリー感が同居している感触のあるバンドですが、今回はさらにサウンドの美しさに振ってきたなという感じ。タイトルや曲の中にも大々的に日本語を取り入れるなど、日本人リスナーとしてもとっつきやすく、さらに自然に聞こえます。アルバムジャケットのイメージ通りの暖かな世界を存分に楽しむことができてとても好きでした。


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■Ihsahn「IHSAHN」
Emperorのフロントマンであるイーサーンのソロ新作。もともとブラックメタルサウンドを拡張していく意欲的な作風が魅力でしたが、今作はそういった理論的なことはさておき無条件に攻撃力が高いなという印象を受けました。


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■Whom Gods Destroy「Insanium」
サンズ・オブ・アポロの中核だったデレク、ロンによる新バンド。ポートノイがDream Theaterに復帰したのでこちらは新たな道を、ということでしょうか。しかし逆にDream Theater感が増しているように感じるのが面白いところで、ロンに期待していたアグレッシブなギターソロがところ狭しと散りばめられていて非常に満足度が高いです。


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■Wheel「Charismatic Leaders」
プログレメタルの新しいバンド。ToolやOpethを引き合いに出されることが多いように、リズム的な要素やダークなサウンドが特徴的ですが、Dream Theaterなどのようなテクニカルな面も飛び出し、様々なプログレメタル文法が楽しめる良いバンドです。


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■Vltimas「Epic」
クリプトプシーのフロ・モーニエをはじめ、エクストリームメタル界のドリームバンドですが、ファーストアルバムに比べてよりバンド感が増してきたというか、よりアルバムとしてのまとまり、強度が出てきたなと思います。ブラックメタル由来のハーモニーやメロディーの強さを軸にテクニカルデスメタルの複雑さがやりすぎない程度に入り込み、とてもよいバランスで成立しています。


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Judas Priest「Invincible Shield」
前作ファイアパワーのあと、リッチーが倒れたりツインギターやめます宣言(のちに撤回)があったり、KKがアルバムを出したりと色々ありましたが、新作での堂々たるプリーストサウンドを聞かされるとすべて吹っ飛んでしまう感がありますね。


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ZAZEN BOYS「らんど」
クライマックスで聴く永遠少女の破壊力を楽しむために通しで聴くべきアルバム。透明少女から始まる少女シリーズに則った性的衝動展開を期待していたリスナーはまさに度肝を抜かれることになる戦争にまつわる単語が直接的に飛び出す歌詞。向井氏がこういうのを持ってくるとは思わなかったので驚くと同時に、その凄みにゾクゾクさせられました。サウンド面でもキレキレのアンサンブルは健在。


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アーバンギャルド「メトロスペクティブ」
各メンバーのソロ活動なども活発化しつつ本体であるアーバンギャルドでも精力的に活動。そのことがバンド自体の焦点を定め、良質なポップメロディーが並んでいるように思います。


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ザ・クロマニヨンズ「HEY! WONDER」
すっかりキャリアの中で一番長くなったクロマニヨンズ。音楽的にはずっと同じ、みたいなことは本人たちも言っていますが、実際のところはシングルを連続リリース(前作)してみたり、ライブアルバムにも積極的になったりと意外と色々やっています。今回も基本的にはいつもの味ではあるのですが、リード曲のあいのロックンロールではカツジさんの高速ドラムを活かしてメロコア風味にしてみたりと聴きごたえがあります。大山椒魚、メロディーなどのキャッチーな曲も最高。


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THE YELLOW MONKEY「Sparkle X」
吉井和哉の闘病からの復活作。いままでも彼のソロ作などからは死生観的要素が香ってはいましたが、今作はさらにそれが濃密に。特にリードトラックとなったホテルニュートリノでの悟ったような歌詞はインパクトがありました。


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東京佼成ウインドオーケストラ「酒井 格 作品集」
昨今のCDが売れない情勢の中、楽団の常任指揮者である大井氏が個人出資で(!)企画したアルバム。プロオーケストラのアルバムを指揮者が個人で作るのってあまり例を見ない気がします。それだけの熱量に見合う名盤に仕上がっており、酒井格作品の語法を自分のものとしてそのサウンドの暖かさやチャーミングさが存分に表現されています。現代の作曲家という文脈では現代音楽(それこそ三善晃のような)が評価されますし、サントラ的、コンクール至上主義的な楽曲はやや低めに見られている感もありますが、酒井氏の楽曲はその狭間というか、しっかり構築されつつも大衆にも受け入れられるキャッチーさがあるという面で珍しい作曲家なのかなとも思います。


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■東京藝大ウィンドオーケストラ「P.グレイアム&P.スパーク」
藝大ウインドが定期的にリリースしている、作曲家にフォーカスしたアルバムの最新作。グレイアムは個人的に思い入れの強い作曲家なので期待していましたが期待通りの名演。とくに「ハリソンの夢」は今まで数々の録音が存在しますが1つの決定版ともいえるハイクオリティな演奏で感動しました。


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■宮田大「吉松隆:チェロ協奏曲」
近年、吉松作品を精力的に取り上げている原田氏が指揮をし、チェリスト宮田大氏がソロを担当した演奏会のライブ録音。宮田氏は曲に没入しているような共感度の高い演奏を見せ、楽曲の独特な間合いと切れ味が存分に表出していました。カップリングとしてピアノ伴奏での小品が収録され、こちらも吉松メロディーが堪能できます。


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Evan Call「葬送のフリーレン Original Soundtrack」
フリーレンとダンジョン飯はリアルタイムで追いかけることができました。いずれも原作の世界観そのままにアニメならではのプラスアルファがありたいへん楽しく観ました。サントラのはたらきも素晴らしく、とくに最初の数話はフィルムスコアリングも相まって気合を感じました。


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東京佼成ウインドオーケストラ「New Sounds In Brass 2024」
吹奏楽ポップスの名物シリーズであるNSBですが、諸々の事情により50集を目前にストップしていました。昨年にレコード会社からでなく楽団からの発案でクラウドファンディングが実施され、見事復活、今年発売されました。選曲については多少思うところもなくはないのですが、とはいえ内容についてはかなり気合が入っており、とくに演奏面はかなりの充実っぷり。本格再始動へのエンジンになってくれることを期待します。


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