今シーズン最後の吹奏楽カフェに行ってきました。今回も登壇者は大井剛史さんと中橋愛生さん。
今度の定期演奏会の曲目はなんとたったの2曲で、伊福部昭の「ロンド・イン・ブーレスク」とデヴィッド・マスランカの「交響曲第9番」です。これら2曲についてたっぷり2時間の語りを聴くことができました。
また動画アーカイブも公開されると思われますが、伊福部作品ではそもそも伊福部の功績からはじまり、吹奏楽≒軍楽隊との関係やその思いなどについて言及。また同曲の別バージョン(和太鼓入りやオーケストラ用)も踏まえつつその差異についての話などもありたいへん有意義でした。特に改版についての話題は音大のライブラリを確認できる立場だからこその情報もあり、貴重でした。
マスランカ作品についてはこの曲の引用元を順に並べつつ、それがもたらすストーリー的な意図と効果について説明。また、冒頭と終盤にあらわれる詩の朗読についても軽く内容に触れ、長大な楽曲にひとつの聞き方の道筋を示してもらえたと感じました。マスランカは本人の文章はわかりづらいが、インタビューに答えたものを拾うと意図が読み解きやすいという情報も面白かったですね。
今回の曲はどちらも予め情報を知っていたほうがより楽しめる楽曲と言えそうです。余裕がある方は以下の楽曲を確認してみては。
・古典風軍楽「吉志舞」(伊福部昭)
・倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク(伊福部昭)
・トーン・スタディーズ(デヴィッド・マスランカ)
・賛美歌「Beautiful River」(ロバート・ローリー)
・マタイ受難曲より「血潮したたる主の御頭」(J.S.バッハ)
また、朗読される詩についてはマスランカのホームページからも確認できます。
今回も面白く、定期演奏会に向け期待が高まりました。1月11日の土曜に催される定期演奏会、曲目のいかつさもあってか集客には少々苦労している様子です。これらの実演が聴ける機会は極端に少ないと思われますので、ぜひ聴きに来てほしいです。