Espoir Saxophone Orchestra「第12回定期演奏会」

ひょっとしたら、これで終わりかも、と思っていたんだ。

今回のアンサンブルで取り組んだ「トルヴェールの《惑星》より地球」は、2004年にリリースされた。
2004年といえば、私が某高校に入学し、管楽器のおもしろさを理解し始めた頃だ。
もとより知っていた「惑星」のイメージを覆す大胆なアレンジ、そしてなにより、楽しげな演奏に、すっかり魅了された。
特に終曲である「地球」は大好きだった。何度聴いたかわからない。さまざまな惑星のテーマが顔を出しながら、最後は吹奏楽の名曲、「一組」で締めくくる。

今回、メンバーとして一緒に演奏したテナー氏とは高校からの相棒で、もちろんトルヴェールの惑星には格段の思い入れがあった。
だいたい、トルヴェールの演奏会、何度も聴きに行ったしね。

ひょんなことから演奏できることになり、今回を迎えた。
楽器を新調したり、ピアニスト探しに奔走したり。めんどくさがりの私にしては相当アグレッシブに動いた。

反面、この曲を演奏するということは「死ぬまでにやりたい曲」を消化するということでもあった。
実際のところ、昨日の演奏が終わるまで、次にやりたい曲なんて思いつかなかったし、サックスは持ち運びがしんどいので(切実)、もういいかな、と思っていた。

ところが本番が終わってみてどうだろう。
我々はすっかり味をしめてしまった。
打ち上げでは「アレをやりたい」「これをやりたい」そんなことばかり話した。


クラシックという枠が、たまに狭く見えることがある。
再現芸術の性というか、決められきった演奏をつまらなく感じる瞬間がないわけではないのだ。

それでも。

軽騎兵での、リハまではなんだったんだと思うようなサウンドや
アルメニアン・ダンスの曲の魅力を再発見できたりだとか
トリプティークでのテクニカルの発露の快感や
新世界での緊張感、そして開放感を通じて

やはりクラシックにしか出来ない感情の表現というものは確実にあるし
私はそれが大好きなのだなあ、と再認識することが出来た。

もちろん、ろうさうん堂で新曲を世に出す喜びが最高なのは言うまでもない。

今年の定期演奏会は非常に充実感のあるものとなった。
来年はこれ以上のものを創りあげたいと思う。

そのためにも、挑戦的な提案をし続ける団員でありたい。