VADER「AN ACT OF DARKNESS IN ASIA - 40 Years Anniversary - @ 渋谷WWW 2023/06/09」

久しぶりにEVP主催の公演に行けました!
痒い所に手が届くラインナップを呼んでくれるのでよくお世話になっていましたが2019年ころにいったん事業休止。
復活は本当に嬉しいですね。

 

今回はポーランドのVADERをメインに同じくポーランドのHATEとThy Diseaseが来日。さらに日本のDefiledが出演というデスメタル大盛セットの内容でした。
会場の渋谷WWWは初めて行きましたが、もとは映画館だったところをライブハウスに改修した会場のようで、客席は何段にも分かれたひな壇のような構造で移動はしづらい感じ。
しかし音はクリアでかなり好印象でした。

 

Defiled
テクニカルで複雑でありつつもストレートな攻撃性を保ったデスメタル
音源では理解しきれない箇所もライブで聴くとわかる部分も多いという印象で、特にリフごとの細かいテンポチェンジなどは驚かされました。
拍子やテンポが目まぐるしく変わりながら爆走するので、あっという間でしたね。最後に新作からの楽曲を持ってきたのもポジティブでカッコ良かったです。

 

■Thy Disease
この日のバンドの中では唯一のVo専業スタイル。なのでギターは1人なのですがそんなことは気にならないくらいの音圧でした。
音源で聴いたときは同期も使ったインダストリアルな風味のあるサウンドという印象でしたが実演を見ると非常にパワフル。特にメンバーたちの明るさは特筆ものでした。
何度も楽しそうにフロアを煽るVoとそれに応える観客で、この日のいい空気が一気に醸成されていったように思います。

 

■HATE
メンバー全員白塗りで登場。MCもほぼなしで曲を連発するという硬派なスタイルでした。
この日のバンドはどこもドラムが物凄かったですが、特にツーバスの連打についてはここが随一。
スイベル奏法を駆使して人力とは思えない速度のビートを刻む様は痺れました。

ブラックメタル由来の雰囲気を作り出したあとの爆走はちょっとクセになってしまいそうですね。

 

■VADER
いよいよ主役です。結成が1983年ということで40周年とのこと。
SLAYERやMORBID ANGELの影響を感じさせつつも彼らの美味しい部分である疾走感やメリハリを抽出して煮詰めました、みたいなサウンドの印象です。
セットリストは初期の楽曲多めながらも最新作からも数曲披露。1時間半ほどの大満足な内容でした。

 

特に印象的だったのはVo/Gのフロントマンであるピーターのオーラ。
弾きながら歌うさまのカッコよさもさることながら、MCでの楽しげな感じやソロでのアクションなど、どこをとっても最高でした。
私がベース側で観ていたこともあり細かいフレーズは聞き取れなかったのですがスパイダーのテクニカルなソロとピーターのワウを使った感情的なソロの掛け合いも心地よかったですね。

ドラムのジェイムズはアクションの大きさが魅力的で、ブラストビートに入った時の入り込みようや単純なビートに戻った時の観客にアピールしながらのアクションは理想的とも思えるほどでした。

 

序盤の初期曲の中でもChaosは特に聴きたかった曲。イヤモニの問題か、この曲の最中まではジェイムズが叩きながらスタッフに合図を送ったりしていましたが演奏はそんなこと感じさせないすばらしさ。
これらの曲のMORBID ANGELやTerrorizerからの影響を感じさせる場面変化や展開の切れ味は聴いていて面白く、何度でも体験したくなりますね。

 

最新アルバムからのShock and Aweなどでは高速ブラストを活かした爆走もあり、バンドが一体となったサウンドには圧倒されました。
Epitaphではゆっくりからの爆走という王道的展開ながらも実演できくとその持っていき方の巧みさに舌を巻きました。

 

後半での2nd楽曲群も最高で、Blood of KinguやSothisなどのリフ、キメが歌えるメロディの印象的な楽曲はやはりライブでも映えていました。
アンコールでのCarnalも素晴らしく、落ち着くパートと爆走するパートのコントラストがやはり魅力的でしたね。

 

18時に開演し22時半までの4時間半という長丁場。こういうのは久しぶりでしたが一日中メタルを浴びまくることができとても心地よかったです。
どのバンドもめちゃくちゃ良かったのでぜひまた来日してほしいなと思います。

EVP公演では来月にトワイライトフォースも控えており、そちらもとても楽しみですね。