kokeshi「帝都救済Ⅲ @ 吉祥寺WARP 2023/06/25」

凄まじかった。
まず人の入りがすごくて、地下のフロア内は何度も「あと一歩詰めてください」をアナウンスした上で最後列まで身動き取れないほどでした。

 

ステージはシンプルながら、後ろの黒いスクリーンに適宜映像が映し出されて空間的。
最新アルバムの世界観をなぞる一時間程度のセットリストでしたが一度もMCなし、緊張感の途切れることのない高濃度なライブだったと思います。

 

始まってすぐに感じたのは音の良さ。ドラムの抜けの良さやヘヴィなギターに加え、ラインがしっかりわかるベースの三位一体で塊のようでありつつも分離感のある絶妙なサウンドを形成し、そこからヴォーカルの叫びが心地よく突き抜けてくる。声色の変幻自在さはDIRの京を思い起こさせる程で、その切り替えと再現力には唸らせられました。

 

マイクの使い方も印象的で、ホイッスルをするときなどもやたらと口から離しているのに聞こえること聞こえること。あまりのパフォーマンスに途中から凄いより怖いがやや勝ちました。

 

パフォーマンスも凄く、身体全体を使っての叫び表現やダンサーを交えての天に伸びる無数の手のような表現、バックスクリーンに映し出されるお経のような文字、コーラスのゲスト参加と仕掛けも盛り沢山でした。キャパが小さかったためなかなか全体を見渡せるというわけにはいきませんでしたが、期待を裏切らない演奏とパフォーマンスだったと感じました。

 

音楽的には先述したDIRの影響を強く感じさせつつもブラックやデスメタル由来の攻撃的なリフ、疾走パートとの緩急など、よりモダンな印象。ギターも長いソロこそないもののアクセントとしてのメロディを効果的に入れ込んでいました。

 

もっと広いステージでも映えそうに思いましたし、是非また、さらに大きな会場で観たいですね。