「Evoken Fest 2018 ~@ LIQUIDROOM」

Evoken Fest東京1日目に行ってきました!

 

去年の第1回はTwilight ForceやFreedom Callがメインでくさいメロディをこれでもかと堪能できるイベントでした。今年も方向性は変わらず、NOCTURNAL RITESやORDEN OGANなどパワーメタル、メロディックなメタルバンドが集まりました。

 

■Rakshasa

主催者Yama氏がベースを担当するバンド。メンバーの演奏力は高く、ボーカルの伸びのある声も相まってよいオープニングとなりました。前回観た時はベースが大きすぎて全体がつかめなかったのですが今回はよいバランス。とはいえギターソロのときはもう少しギターが聴きたかったかなと思いました。


■CRYONIC TEMPLE

スウェーデンのバンド。アルバムが出たばかりで、その収録曲からが多めだった模様。演奏は安定しており、オーオーと聴衆と合唱するパートがあったりと楽しいライブでした。合唱が決まった時にVoがガッツポーズしていてほほえましく見ました。Pain and PleasureではVoとGtがパートチェンジ。この交代したGtの歌がめちゃくちゃうまくてビビりました。最後はEternal Flames of Metalで大盛り上がり。いいライブでした。


DRAGONLAND

クサメロといえば、というバンドのひとつ。こちらもスウェーデンから。ややパンチの足りなさは感じましたが十分なクサメロ濃度。そして要所で高音のシャウトをバッチリ決めるVoにも圧倒されました。カバーを演奏すると言って流れ出したAmethystっぽい音楽、そしてナレーション「Dragon…Land…Land…Land…Land…」響き渡るシンセの音。そう、X JapanのRusty Nailです。これは盛り上がりましたね。メンバーたちも楽しそうでこちらも笑顔になれるライブでした。


■VHÄLDEMAR

スペインのパワーメタルバンド。今回はじめて知りました。ひげもじゃの外見と暑苦しい演奏でマノウォーのような音楽を想像していたのですが実際はかなりメロディアス。Voがシャウト主体なところも他のバンドとは違った味わいでよかったですね。Metalizerなどのメタル賛歌のような熱い楽曲をさらに熱い演奏で堪能し、最後の曲ではVoが客席に降りてテーブルの上で歌う場面も。この日いちばんの衝撃は彼らだったかもしれません。BandCampで音源買いました。(最新アルバムが7ユーロ…安い!)


■CIVIL WAR

Sabaton系列の戦争を題材にしたメタルバンド。全体的にクオリティが高くサウンドも良好でよかったのですが、他のバンドのクサさに耳が鳴れた状態で聴くとやや印象が薄くなってしまったのは否定できないところ。長丁場で疲れ始めていたこともあり、まったりと後方で見ました。


■DERDIAN

去年から連続で参加のイタリアのバンド。B級メタル感は否めないもののメロディの質とクサさは他の一級バンドを凌駕するほど。前回の来日での反応を受けてVoが復帰、アルバム制作に至るという、この1年で一気に日本のファンとの絆を築いたバンドです。当然観客の盛り上がりもすさまじかったのですが、冒頭2曲ではキーボードの不調(おそらくチューニング関係、ギターとのユニゾンが半音ずれっぱなしでした)のせいで不完全燃焼気味でした。とはいえ名曲「Eternal Light」はやはり絶品でしたね。VoのIvanは再録版のメッシーナのラインをなぞっていたようです。ほかにも日本語での「Never Born」、日本のことを歌った「Red and White」と終始熱いパフォーマンスでした。また見たいですね。


■ORDEN OGAN

ドイツのパワーメタルバンド。日本ではいまいち認知度が高くありませんが海外ではかなり大きなステージをこなしてきています。この日はギターボーカルがけがをしていたとのことでベーシストがギターを担当しボーカルは専任に、ベースは同期音源になっていました。演奏はさすがのもので、わかりやすさと壮大さを併せ持った構成力と演奏力、コールアンドレスポンス前のレクチャーなど実力を感じさせました。メロディも即効性はないのですがじわじわともう一回聴きたくなってくるタイプ。音源集めたくなりました。


NOCTURNAL RITES

最後はスウェーデンから。初期こそ疾走系のメロスピっぽい楽曲が多めだったようですが、現在のVoになってからはミドルテンポ曲が多いようです。事前に音源2枚ほど予習していきましたが、落ち着いた楽曲でも飽きさせず聴かせる曲じたいの良さとVoの熱さは楽しみにしていました。ライブでもそれは健在で、なおかつ疾走曲多めのセットリスト。これは悶絶したファンも多かったことでしょう。Shadowlandでの熱くクサいメロディ、Avalonでの大合唱など、印象的なライブとなりました。ギター2人のリフ、リードの対比も素晴らしく、特にリードを担当したペア・ニルソンの技巧には唸りました。音使いからはプログレからの影響を感じつつ、弾きまくる姿からはさまざまなギターヒーローも想起、なにより正確で速い。最新アルバムの曲のソロなどでの弾きっぷりは爽快そのもので、彼のほかのバンドもチェックしなければと思わされました。


14時から22時の長丁場で体力はかなりギリギリでしたが、とても楽しいイベントでした。願わくば、このFestが長く続いて毎年の夏の楽しみになってくれるといいなあ。

MY BLOODY VALENTINE「@ 豊洲PIT」

一度は見ておきたかった、マイブラのライブに行ってきました!

 

■セットリスト
01.I Only Said
02.When You Sleep
03.New You
04.New Song 1
05.You Never Should
06.Honey Power
07.New Song 2
08.Cigarette in Your Bed
09.Only Tomorrow
10.Only Shallow
11.What You Want
12.Thorn
13.Nothing Much to Lose
14.Who Sees You
15.To Here Knows When
16.Slow
17.Soon
18.Wonder 2
19.Feed Me With Your Kiss
20.You Made Me Realise

 

耳栓をしていたこともあり、身構えていたほどの爆音ではありませんでしたが、それでも広い音域にわたる面のような音圧はバシバシと感じました。

 

全体的にとにかくギターが空間を埋め、その下でうねるベースライン、そして唯一はっきりと存在感を主張するドラム。その楽器隊により構成された音像の中から、うっすらと声が聞こえる、という感じでした。

 

1曲目の「I Only Said」はLovelessの中でも特に好きな楽曲だったのでいきなりテンションは最高潮に。この曲もそうですが、高音でのメロディリフがある曲はやはり印象的に響きますね。When You Sleepの冒頭のメロディ、Soonのリフなどもそう。

 

全体的にドラムの人間っぽさ、パワフルさも面白く聴きました。特に1stの楽曲でのフィルの畳みかけなどは聞いていてゾクゾクしましたね。Nothing Much To Loseのスネアは悶絶ものでした。mbvの曲もセットリストの中で聴くと自然に溶け込んでいるように思われ、印象が変わりました。

 

開演前にはステージ後ろに星のきらめく映像が映し出され幻想的でしたが、始まると曲に合わせてさまざまな映像が万華鏡のように現れ、これもトリップ感をあおっていて非常によかったです。Only Shallowでは観客のテンションも最高潮になっていました。

 

最後のYou Made Me Realiseでは延々とノイズを流し続ける時間が。10分近くはあったのではないでしょうか。シューゲイザーを聴く人間以外にとっては苦行でしかないのでは…という時間でしたが、轟音に脳まで浸かる感覚で心地よい酩酊感を楽しみました。

 

やはり空間を使った音作りをする音楽は生で聴くのが醍醐味ですね。新曲も披露されましたし、それらがリリースされたら(されるのか…?)また来日してほしいですね。

 

氷祭りに行った話2018

艦隊これくしょんの「氷祭り」に行ってきました。

 

「秋刀魚祭り」、「瑞雲祭り」に続く現実での艦これイベントの3種類目です。

会場が幕張メッセということもあり、物販は長蛇の列が想像されました。ただし、今回はパンフレットが手に入ればいいやということで8時前につくように出発。

 

8時くらいに並びはじめて、レジについたのは12時過ぎでしたので、やはり4時間くらいは並んでいたようです。艦これファンはもう慣れっこなのでいいのですが、今回はスケートファンもいらっしゃったと思うので気の毒でしたね。

 

13時からは氷祭りのステージ。

氷祭りとは?というところですが、幕張メッセのイベントホールにスケートリンクがはってあり、20数名のスケーターによる艦これモチーフのアイスショー、という内容でした。

 

ゲストは伊藤みどりさん、無良崇人さん、澤山璃奈さん。

随所で声優さんも参加しセリフをあてるシーンもあったものの、基本は音楽のみでストーリーが進行していきました。

 

ステージがはじまるとリンクに波が映し出され、まるで海面のよう。スケートをチョイスした理由がここでやっと理解できました。

 

まずは澤山さんによるソロ。深海側の役ですが、もがくような不穏な演技で一気に世界観にひきこまれました。

 

次は鎮守府の日常パート。各艦娘の紹介にはじまり、陣形変化をしつつリンクを縦横無尽に駆け巡りました。赤城・加賀ペアの安定感のある滑りや金剛四姉妹の華やかさ、時雨・夕立・満潮・響という駆逐艦たちのかわいらしい動きなど、ほっこりしました。特に響の登場時のポーズがキマっていてよかったですね。

 

場面が深海側に移ると伊藤みどりさんが登場し、段違いのキレのある動きと完全に役に入った演技には圧倒されました。完全に場内の空気をもっていくさまはある種、痛快ですらありました。

 

鎮守府に戻ると今度は無良さんのソロ。これが非常にかっこよかった!一人だけ男性ということもあり、パワフルさがより際立っていたこともあるかと思いますが、その所作の美しさや力強さはひとときも目を離せませんでした。

 

演技のBGMは基本は音源だったのですが、随所で弦楽八重奏や和太鼓による生演奏が入り、情報量の多いステージでした。今までの観艦式ではそれぞれがメインステージをはっていたコンテンツが同時展開されるのですから、面白くないわけがありません。

 

提督パートのあとは艦娘同士での演習パート。ときに同航戦、ときに反航戦で滑りながら戦うさまはかっこよかったですね。勝った側の満潮が相手側の時雨に駆け寄るようなシーンもあり、とても良かったです。

 

海防艦の演技に続いて深海側との戦いを行い、前半は終了。深海棲艦との戦いではリンク上に砲撃、雷撃のエフェクトが映し出され、艦これアーケードのような世界観が眼前で繰り広げられる様には感動を禁じえませんでした。

 

休憩を挟んで海防艦の演技から、艦娘音頭、月夜海といった歌唱パートに。ここではスケーターさんは滑ったり踊ったりしつつ、ステージ上では声優さんが歌うというもので、これもどちらもメイン級の内容のため目が足りない!という状態に。分身してどっちもじっくり見たかった…。

 

戦闘パートに戻って伊藤みどりさんVS艦娘たちという最終決戦。ここでも伊藤さんの存在感は圧倒的で、滑りや所作でここまで強さや不穏さを表現できるとは、と驚きっぱなしでした。撃破後の退場ではリンクからはけるときも倒れながらの体制ではけていて、凄みを感じました。

 

休憩含め二時間のステージでしたが、本当にあっという間でした。もっと見たい、また見たい、ととても強く感じました。

これまでのイベントの中でも特に艦これの世界観を表現できていたフォーマットだと思いますし、ぜひぜひ今後も続けていってほしいです。

People In The Box「『Kodomo Rengou』 release tour @ TSUTAYA O-EAST」

Kodomo Rengouのツアーセミファイナルに行ってきました。

 

 

□セットリスト

01.報いの一日

02.無限会社

03.デヴィルズ&モンキーズ

04.町A

05.ニムロッド

06.旧市街

07.泥棒

08.眼球都市

09.動物になりたい

10.土曜日/待合室

11.あのひとのいうことには

12.セラミック・ユース

13.世界陸上

14.夜戦

15.逆光

16.木漏れ陽、果物、機関車

17.かみさま

18.ぼくは正気

 

En

19.塔(エンパイアステートメント

20.バースデイ

 

Kodomo Rengouの曲をメインにしつつニムロッドなどを混ぜ込んだ内容でした。

このツアーは最初の横浜も見に行ったのですが、新曲たちの1ヶ月での進化が見て取れる公演でした。

 

「町A」でのギターソロ(原曲ではキーボードソロ)の開けた感じであったり、世界陸上のタイトなアンサンブルであったりはツアーを経て更に練度が上がり、特に世界陸上ではニヤニヤしてしまうほどでした。

 

各曲間でのつなぎもいろいろと工夫がこらされており、旧市街の前など短いドラムソロが挿入され、ブレイクと同時に次の楽曲に突入するなど、今までも多少はあったような演出がさらに強化されて見栄えのするものになっていました。泥棒の前ではギターの環境音風ノイズに乗せてドラマー山口がMCっぽいことをしたり。

 

各楽曲に合わせて、どういった魅せ方がより映えるのかな、というところを追求し始めているということだと思います。PITBは雰囲気は比較的ゆるいものの、こういった詰めるところはガッチリ詰めてくるので毎回面白いですね。

 

Kodomo Rengouに挟まれると過去の楽曲もまた聴こえ方が違ってくるもので、「逆光」などは最近より一層いい曲になってきているように感じます。

 

アンコールは珍しい2曲。「塔」はギターフレーズが印象的で大好きな曲。バースデイは変拍子とひねったギターリフが面白い曲ですが、特にバースデイのアウトロで聴けた、かつてのPITBを彷彿とさせる轟音にはいい意味で驚かされました。

 

それにしてもPITBは本当に演奏が面白い。特にこの日はドラム山口さんの音がよく聴こえ、パワフルなショットから繊細なゴースト、吹奏楽部の経験を活かした(?)ようなユニークな楽器のチョイスといった妙を存分に堪能できました。

 

秋にはまたメンバーによるセルフプロデュースライブを企画しているとのこと。これも楽しみですね。

 

神聖かまってちゃん「ツン×デレ」

神聖かまってちゃん、結成10周年。

23才の夏休みを歌っていたの子も、そして33才に。

 

ツン×デレ

ツン×デレ

 

 

夏休みシリーズのフレーズを使いつつもモナコインなど今を感じさせるキーワードをちりばめてつくられた「33才の夏休み」はリアルかつ爽やか。こういった時事ネタってすぐに風化してしまう感が強いのですが、そのぶん少し時間をおいて聞き返すとその頃のことを鮮明に思い出す助けになったりするんだな、というのが最近わかってきました。多分数年後にこの曲を聞いたとき、仮想通貨周りの今のいろいろを一緒に思い出すんだろうな。

 

バンド感が強く、キーボードのフレーズが耳に残る「8月の駅」はMVも素晴らしい。この爽やかさをベースにしつつも切なくやるせない味は彼らの持ち味ですが、夏の曲ではそれが十二分に発揮されていると思います。

 

「トンネル」では大槻ケンヂか!?と思うような物語性のある世界を展開。「入り口があったじゃねえか」という発想は我々の世代に無意識で共有できそうな感覚かなと思いました。アルバムタイトルはこの曲にひっかけて「詰んだ、出れない」ということなのかな?と思ってみたり。

 

「決戦の日」はこのアルバムの白眉でしょう。ギターのリフからして非常に心揺さぶられるのですがなんといっても歌詞。かつて学校へ行きたくない、と歌っていた彼らが10年を経て「逃げたら次があるさ、ちゃんと逃げて」と歌う重さと強さに綺麗事ではない美しさをとても強く感じました。若人だけでなく自分にも向けた不器用な応援ソング。

 

ラストの「大阪駅」も素晴らしく、サビのメロディと歌い方は10年前では決して出せなかった味。扱う対象が学校からバイトへ、職場へと場所を変えつつも彼らの本質はぶれることなく、だからこそ今も彼らの歌は私達の歌として響いてくれるのでしょう。

 


神聖かまってちゃん「8月の駅」MusicVideo

2018年上半期ベストアルバム

今年も半年がすぎるのがあっという間過ぎてうろたえています。


10. THOUSAND EYES「DAY OF SALVATION」 

DAY OF SALVATION (初回限定盤:CD+DVD)

DAY OF SALVATION (初回限定盤:CD+DVD)

 

日本の誇るメロディック・デスメタル。Thousand Leavesの頃からギターメロディとテクニカルさは好きでしたが、オリジナルバンドとしての2作目となる今作でもそのセンスを存分に堪能できます。これでもかというツインリードは悶絶もの。


09. 宇多田ヒカル「初恋」 

初恋

初恋

 

さっそく買って聞きましたがさすがの一言。

ピアノと歌を軸に、打ち込みやキーボード、ストリングスを絡ませるシンプルな音像ですが、歌の表現力とメロディの持って行き方で素晴らしい世界を表現しています。かと思えば曲の途中でひねったリズムを突如としてはめ込んできたりと面白さも忘れない。 


08. Alkaloid「Liquid Anatomy」 

リキッド・アナトミー

リキッド・アナトミー

 

 テクニカルデスメタルバンドに在籍したメンバーたちによる比較的新しいバンドの2nd。1stでもクトゥルーを題材にした非常にヘヴィな楽曲などを書いていて、注目していました。今作ではハードロック、クリーンボイス要素が増え、テクニカルデスとの行き来を行いながらプログレッシブに展開。とても面白い方向性です。 


07. Kalmah「Palo」 

蒼炎

蒼炎

 

スワンプメタルの新作。 フィンランドのメタルは叙情性があって好きです。このバンドも例に漏れず、寒さを感じるトレモロと泣きの民族的ギターメロディが素敵。けっこう長いキャリアのある彼らですが、なおこれだけ瑞々しい作品が作れるのはとても良いなと思います。


06. アーバンギャルド「少女フィクション」 

少女フィクション (豪華盤)(DVD付)

少女フィクション (豪華盤)(DVD付)

 

アーバンギャルドがやっていることはずっと同じで、水玉、サブカルなポップなのですが、現在のメンバーになってからのサウンドクオリティはどんどん上がってきていると感じています。特にKeyのおおくぼけい加入は大きかったと思われ、彼のクラシカルなピアノと理性的なアレンジはアーバンギャルドの持つどろりとしたメッセージをきれいにコーティングしてとっつきやすくしているように思えるのです。


05. 西島尊大「RAVEN WORKS VOCAL WORKS」 

RAVEN WORKS VOCAL WORKS

RAVEN WORKS VOCAL WORKS

 

ニコニコ動画で「39転調」に衝撃を受けてからもう何年経つでしょうか。西島尊大さんのジャズからの影響やプログレッシブな曲展開、独特な歌詞の世界観にはいつも癒やされています。短いながらも彼らしさが詰まった「TOY BOX」や聞きやすい「ていさつき」、プログレッシブな「45:64」など、彼のボカロ曲がまとめて楽しめるようになったのは嬉しいことです。 


04. 東京佼成ウインドオーケストラ「この地球を神と崇める」 

この地球を神と崇める(UHQCD)

この地球を神と崇める(UHQCD)

 

大井剛史が正指揮者になってから数年。TKWOの音楽性はさらに研ぎ澄まされてきていると感じます。 吹奏楽をプレイヤーのための音楽でなく、あくまで芸術としての音楽に昇華させようとする試みは尊いと思いますし、一定の成功をおさめていると思われます。近年の定期演奏会の中でも特にメッセージ性が高かったのがこの日。特にタイトル曲での歯切れのよい荒々しい表現は他では聴くことのできない鮮烈なサウンドです。


03. Michael Schenker Fest「Resurrection」 

マイケル・シェンカー・フェスト『レザレクション』【初回限定盤CD+ボーナスDVD(日本語解説書封入/歌詞対訳付/日本語字幕付)】

マイケル・シェンカー・フェスト『レザレクション』【初回限定盤CD+ボーナスDVD(日本語解説書封入/歌詞対訳付/日本語字幕付)】

 

 去年のLOUD PARKで体験したマイケル・シェンカーのギターには完全にノックアウトされました。温かみのあるバッキング、歌うようなリードに身を任せているうちにライブがどんどん過ぎていくのは新鮮な体験でした。そんな彼らの今をパッケージした新作もこれまた素晴らしい出来。ドゥギー・ホワイトの歌の巧みさ、ロビン・マッコーリーの現役感、ゲイリー・バーデンの歌メロ、グラハム・ボネットの声量と、個性豊かなシンガーたちの現在を楽しめるのもいいところ。


02. Judas Priest「FIREPOWER」 

ファイアーパワー(完全生産限定デラックス盤)

ファイアーパワー(完全生産限定デラックス盤)

 

まさか2018年にもなってファイアーパワー ですべてなぎ倒すようないい意味でダサいアルバムをジューダス・プリーストが出してくるとは思いませんでした。ロブ・ハルフォードはさすがに高音は出さなくなっていますが、現在の彼の声域のうまみを最大限引き出すソングライティングは見事。全編を通して古き良きメタルの王道を楽しむことができます。

 

01. People In The Box「Kodomo Rengou」 

Kodomo Rengou

Kodomo Rengou

 

 好きなバンドが好きなアルバムをリリースしてくれることの嬉しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。曲の展開、歌詞のメッセージ、サウンドの面白さ。どこをとっても私が好きなPITBそのものであり、これからもファンで有り続けようと思える強力な一枚でした。

Electric Wizard「@ 吉祥寺Club SEATA 」

定時退社してドゥームメタルを聴いてきました。
開演から少し遅れるとChurch of Miseryが演奏中。
重さと乗れる感じが同居したかっこいいライブでした。
そしていよいよElectric Wizarid。

 

■セットリスト
01.Witchcult Today
02.Black Mass
03.Return Trip
04.See You in Hell
05.Incense for the Damned
06.Satanic Rites of Drugula
07.Dopethrone
08.The Chosen Few
09.Funeralopolis

 

会場はステージが低く、天井も低いもののディスプレイが2台配置されていました。
Church of Miseryでは演奏風景が映されていたのですが、Electric Wizardではステージ後方に映された画像と同じものが流され続けていました。
内容は邪教の儀式や鞭打たれる裸の女性、やたらチカチカする模様の組み合わせやロールシャッハのような無意味に見える色、模様の組み合わせといったもので、それらがまったく脈絡なく映し出されることによって別世界に紛れ込んだような感覚を演出していました。

 

演奏もとにかく轟音で重くて遅い。期待していた通りにヘヴィな音像でした。音源ではリフがシンプルなこともありわりとさらっと聞けてしまうのですが、ライブで爆音で聴くとこれがものすごい圧力で酩酊感を誘ってきました。
あまりの心地よさに仕事疲れも相まって、正直眠ってしまいそうでした。

 

最新作からのSee You in Hellもライブでは轟音と静寂の波状攻撃が心地よく、名曲DopethroneやFuneralopolisなど、本当に意識が飛びそうになっていました。

 

LOUD PARKでWith The Deadを聴いたときはもっとヘヴィというかメタリックな印象だったのですが、Electric Wizardはまさにトリップという表現がしっくりきそうなサウンド。ドゥームというくくりのなかでもここまで違いがあるのかという感じでした。

 

聴いたというより体験した、浴びたという趣で、とてもおもしろいライブでした。

Sold outもしてたことだし、また来日してほしいですね!