01.プルミエ四重奏曲(サンジュレ): I. Andante - Allegro
02.プルミエ四重奏曲(サンジュレ): II. Adagio sostenuto
03.プルミエ四重奏曲(サンジュレ): III. Allegro vivace
04.プルミエ四重奏曲(サンジュレ): IV. Allegretto
05.サクソフォーン四重奏曲(ジャンジャン): I. 陽気な村人
06.サクソフォーン四重奏曲(ジャンジャン): II. 穏やかな風景
07.サクソフォーン四重奏曲(ジャンジャン): III. 蝶々
08.サクソフォーン四重奏曲(ジャンジャン): IV. 広場でのコンサート
09.前奏曲とフランス風ロンド(ヴェローヌ)
10.四重奏曲(フローリオ)
11.アンダンテ・カンタービレ
12.アヴェ・ヴェルム・コルプス
13.日本の四季 季節の唱歌メドレー
14.谷茶前ラプソディー
15.涙そうそう
16.スウィート・メモリーズ
17.モナリザ
18.ケンタッキーの我が家
19.ゴスペル・メドレー
マスランカの作品をはじめとして数々の難曲に取り組み素晴らしいアルバムを残してきた雲井SQの新作が発売された。
ここで取り上げられているのは中高生でも挑戦が容易である楽曲群だ。「涙そうそう」などのヒットソングも含まれているあたりにアルバムタイトルである“愛奏曲”、すなわち肩肘をはらずに楽しめるのがコンセプトであるというのが象徴されている。
演奏はもちろん素晴らしく、特にサンジュレやジャンジャンの四重奏曲は取り組む人の多さに対してまとまった音源が少ない楽曲であるので貴重だ。特に雲井SQの端正なハーモニーに裏打ちされたこの演奏は今後のスタンダードのひとつになりうると感じた。
演奏もさることながら驚かされるのはブックレットである。およそCDのブックレットとは思えないページ数が割かれており、各楽曲に対し各奏者が演奏上のポイント等を寄稿している。ここからも伺えるのは彼らの後進育成への意気込みだ。
サクソフォン界の演奏レベルは年々上がっており、デザンクロやシュミットといった難曲までスタンダードのように思えてくる昨今だが、裾野までそうかというともちろんそんなことはない。向上だけでなく継承まで考えての活動を形として残してゆくというのは本当に意義深いことだと思う。願わくば、この作品が長くスタンダードとして売られ、聴かれて行ってほしい。