cali≠gari「TOUR16 FINAL -銀河鉄道の夜 〜廃線された未来駅にて〜- @ Zepp Shinjuku 2023/09/18」

最高のツアーファイナルでした!

 

 

■セットリスト
01.星めぐりの歌
02.銀河鉄道の夜
03.リンチ
04.赤色矮星
05.狂う鐫る芥
06.夜陰に乗じて
07.一つのメルヘン
08.紫陽花の午後
09.続、冷たい雨
10.冷たい雨
11.果て描く真っ平な日差し
12.禁断の高鳴り
13.都市人
14.マッキーナ
15.コズミック然れど空騒ぎ
16.淫美まるでカオスな
17.燃えろよ燃えろ
18.Engaging Universe
En.
19.廃線された未来駅にて
En.2
20.切腹 -Life is Beautiful-
21.脱兎さん
22.混沌の猿
23.クソバカゴミゲロ

 

新宿ロフトから始まったツアーのファイナル。ツアー中はここまで大きな会場はなかったのでだいぶファイナル感が出ていました。

Zepp Shinjukuは初めてでしたがかなり地下にあり、綺麗なところでした。照明がとにかく豪華で、ステージ後ろの壁に星のように光らせる演出は銀河鉄道モチーフにぴったりだと思いましたし、きっちり制御されたスポットライトの動きも面白く、各曲にあっていました。

 

セットリストはツアー中と同様、「16」の楽曲群をベースにしていました。まずは冒頭の星めぐりの歌が印象的で、これまでは録音を流すだけだった箇所が後半はバンドサウンドによる実演に。続いて「銀河鉄道の夜」、「リンチ」と畳み掛けるのもお馴染みですが最高の流れでした。ツアーで何回も聴いたこれらの楽曲も秦野さん、yukarieさんを含む編成で聴くとまた味わいが異なり、ゴージャスでした。赤色矮星のキーボードソロなどは音源でも秦野さんなので、本物が聴けた!という興奮がありましたね。

 

「狂う鐫る芥」などの激しい曲ではyukarieさんの叫ぶサクソフォンが素晴らしく、原曲の味を損なわずに時に効果音的に、時にリフの補強として機能するこのパートはやはり面白いなと感じました。続く「夜陰に乗じて」も楽器が増えたことによる多彩な演奏で、その中でシャウトする石井さんのVoが映えていました。この日の石井さんは体調の問題でヘッドフォン(ポールギルバートもよくつけている、耳を保護する目的のもの?)をつけていたのですが、歌唱はそんなことを感じさせない凄まじいものでした。

 

「紫陽花の午後」~「冷たい雨」の雨セットは一転してじっくりと聴かせます。Zepp Shinjukuはやはりライブハウスよりは広がりを感じる音響で、ギターなど中低音は少な目でしたが5弦の低音はしっかり聞こえるバランス。なので紫陽花の後半でのズシンとした最低音もしっかり感じることができました。

 

「禁断の高鳴り」「都市人」のビートロック的パートをはさんでマッキーナからの膝破壊パートへ。フロアの全員がジャンプを始めた瞬間、めちゃくちゃ床が揺れてて笑ってしまいました。けっこうジャンプで揺れるんですね、ここは…。

 

本編最後の「Engaging Universe」は気合の入った演奏。以前「向日葵」で演奏した際はサクソフォンががっつり入ったりとけっこうアレンジされていましたが今回はアルバム版を忠実にという感じで、yukarieさんはコーラスを担当。女声コーラスが入ると原曲に近い味わいが出ますね。

 

アンコールでは新曲「廃線された未来駅にて」(告知されていたタイトルに「にて」が追加されたんですね。)。リンチと銀河鉄道をつなぐ曲という前情報が出されていたのでどういう曲になるかと思いましたが、こう来るかという感じ。ダークでしっとりとした始まりから祝祭的な後半への移ろいはシアトリカルでとても印象的でした。廃線というワードは銀河鉄道からの鉄道モチーフつながりかと思っていたのですが、そういうことだったんですね。似たモチーフでは筋肉少女帯の「ノゾミ・カナエ・タマエ」が想起されましたが、あれが救いのない結末だったのに対しこちらはどこか爽やかで力強さも感じさせるようで、酸いも甘いも嚙み分けてきた今の青さんならではのストーリーテリングなのかなと。

 

ダブルアンコールはいつもの4曲。構築するステージングは「廃線~」まででやりきったとばかりに晴れ晴れとした青さんから日比谷野音や毎月30日にライブをする旨の企画が発表され、一気呵成に終演へ。こうして見ると今回の「16」ツアーは銀河鉄道を軸に一貫していて、近年の中でも最も構築されたツアーファイナルだったと思います。もともと「実験室」をうたって制限を設けずいろいろな挑戦をしてきた彼らですが、こういう筋の通ったものもいいですね。映像化されるのが楽しみなライブでした。