cali≠gari & ベッド・イン + 色々な十字架「炎のねるとん2023 2本目 @ Veats Shibuya 2023/10/09」

夢の祭典に参加しし者†となってきました。

 

 

■色々な十字架
01.凍らしたヨーグルト    
02.蜜
03.花言葉がうまれる会
04.機械じかけの変態 ~ラケット女王様~
05.TAMAKIN

 

色々な十字架に対する印象は何度も上書きされていっていて、最初は「大きな大きなハンバーグ」のMVを見たとき。
次はアルバムを通しで聴いたとき。そしてこの日も同じ感触を味わうことになりました。

 

アルバムの時点で彼らの本気度合いはしっかり感じていたのですが、ライブで見ることにより新たな気付きを得たのでここで共有したいと思います。
まず、ライブはキャッチーな2曲「凍らしたヨーグルト」「蜜」で開始。LUNA SEA的煽りから繰り出されるツインギターの掛け合いはヴィジュアル系らしさ満点で、まずここでヴィジュアル系おたくのハートをキャッチ。


かと思うとステージ後方のスクリーンにデカデカと映しだされる謎の歌詞がギャップを加速します。客席で聴いていても初見らしき周囲からクスクスと笑い声が聞こえてきてこちらもうれしくなりました。

 

歌詞の奇抜さに目をとられがちで、音源でもそうなりがちなのですが、ライブでよい音響で聴いて強く感じたのはギターアレンジの巧みさ。
この手のツインギターバンドは片方がリズムギターを担当し、もう片方がリードギターとして単音フレーズやソロを担当するのが定石ではありますが、彼らはどちらも同じ比重でこなせる2人という印象。


次はどちらのソロが聴けるのかな?というワクワク感もありますし、Versaillesのようなメタル系でない形でこういうツインの楽しさが味わえるのはシンプルに強みですね。
ドラム、ベースのリズム隊の技術も確かで、多彩な楽曲を見事にさばききっていました。最近は飛ぶ鳥を落とす勢いでライブを重ねていることもあり、バンド感が想像以上に強くてアツかったです。

 

「オヤスミナサイ」「君と僕」あたりを彷彿とさせるカリガリサウンドな「花言葉がうまれる会」をしっとりと歌い上げた後は本日の白眉、「機械じかけの変態 ~ラケット女王様~」。


音源で聴いたときはインダストリアル要素を取り入れたクールな楽曲なのかな、と思っていたのですが、まさかのテニミュ要素だったの!?
ここで彼らへの印象が「ヴィジュアル系イメージバンドを応援しよう」というより「俺たちやんけ!」に変わりましたね。

 

普通、ヴィジュアル系バンドで演劇要素を取り入れようとしたときにテニミュは参照しないんですよ。
耽美系だったらマリス~ラレーヌ~Versaillesあたりの空気を漂わせるし、サブカル系だったら筋少聖飢魔Ⅱが香るはずなんですよね。
テニミュて。それはニコニコ動画で生きてきた者達のチョイスなんですよ。
わかるぞ…最後の微妙に聞き取りづらい「試合…終了だ!」の質感とか。ベストテンション…ベストコンディション…ユーアーザベストだ…。

 

というわけで、完全にこの日を境に彼らへの親近感がMAXになってしまったのでワンマンもどうにか行きたいなと予定を調整しようとしているところです。
最後のTAMAKINもよいTAMAKINでした。TAMAKINを鳴らしてくれってどういう煽りなの?


cali≠gari
01.マッキーナ
02.ファニソン
03.ハラショー! めくるめく倒錯
04.コック ア ドゥードゥル
05.デリヘルボーイズ!デリヘルガールズ!
06.都市人
07.暗中浪漫
08.さよなら、スターダスト
09.アレガ☆パラダイス
10.コズミック然れど空騒ぎ
11.淫美まるでカオスな

 

カリガリはそれはもう何度も見ていますが、対バンのときはまた違う表情を見せてくれるのでよいですね。
この日のセトリはベッドイン合わせでディスコ的4つ打ち曲の祭典。というかそういう曲ばかりで1時間組めてしまうあたりが彼らの懐の広さを感じさせますね。

 

いつもはマッキーナの中盤でジュリ扇コーナーが設けられるのですが、今回は特別編としてそのパートの長いバージョンに乗ってバンドが入場。
さんざん踊って煽っての後で演奏開始となりました。

こういう4つ打ち曲ではやはりリズムが強調されるのでベース村井さんが大活躍で、「ハラショー」「コック ア ドゥードゥル」あたりは痺れました。


ヒットソング!といいつつあまり実演されない「暗中浪漫」もレア感あってよかったですし、「さよなら、スターダスト」も夏の終わり感があって、踊りまくりの中にしっかりいつものカリガリらしさも香るところが最高でした。

MCでは普段のワンマンのときよりもちょっと攻めてましたね…。ベッド・イン相手でもないと、最近はわざわざ積極的にそっち方面を広げる感じではないので少し新鮮だったりしました。

 

最後3曲は定番曲たちで。まずはFC配布として「淫美まるでカオスな」が存在したのですが、それが大人気になったので、接続する目論見で同じテンポでの「アレガ」が作られ、さらに発展形として「コズミック」が作られているという背景がふわっとあります。なので何気に関連がある3曲ですが、すべてつなげて演奏されることは意外とまれ。アルバム「13」ツアーも思い出すような膝破壊ゾーンでしたね。楽しかったです。


■ベッド・イン
01.あゝ無情
02.男はアイツだけじゃない
03.女神 -GODDESS-
04.嘔吐
05.FREEDOM!
06.Give me!~哀・してる~
07.メチャギラ★乙女 ~今しかねぇ!
08.「男」
09.We Are “BED・IN”
En.
10.嘔吐 (with 桜井青、村井研次郎)

 

ベッド・インは何かにつけ名前を目にする機会がありましたがライブで見るのは初めて。
バブル期をテーマにした作風は一貫していて小気味よく、それでいて単調でなく多彩な楽曲群にあっという間のライブでした。

 

メンバー2人(Vo、Gt/Vo)とバックバンドという編成なのですが、見た目からは想像できないほどロックバンド然としていて嬉しい驚き。
バンドが終始楽しそうに演奏していたのも良かったですし、特にドラムの切れ味は痺れました。タイトかと思いきやテンション上がるところでは煽ったりして職人技ですね。

 

ヴォーカル2人の声のキャラクターの違いも効果的でしたし、ギターがバリバリにリードだったのもカッコよかったです。会場のサウンドが良かったのもあって各メンバーの音がしっかり分離して聴こえて初見には理解にかなり助かりました。


中盤ではカリガリの楽曲のカバーを披露したのですが、それがまさかの「嘔吐」。第2実験室からの超人気曲ですが今では本家はあまりやらないのでなかなかコアな選曲と言えるでしょう。これぞ密室系というドロドロとした原曲がガッツリ4つ打ちのダンサブルなビートになり、後半では加速まで。原曲は何と言ってもベースのチョッパーがウリなのですが、ここでは基本は普通に指弾きしつつ、要所(おはなばたけ付近)で少しスラップするスタイル。ベースソロもバッチリ決まってかっこ良かったですし、バンギャ感強めなシャウトもかなり質感があって良かったですね。

 

特に好きだったのは「メチャギラ★乙女 」で、急にラテンのビート。バブルあるいは平成初期のアイドルポップ感のあるラテンかと思いきや、この日のヴィジュアル系文脈の中で聴くとラクリマ・クリスティが感じられてくるから不思議です。
「We Are “BED・IN”」で本編終了となりました。ここでも歌詞の「We are…」が「vier(フィーア)」に聞こえるというヴィジュアル系文脈が。いや私だけかもしれませんが…。

 

アンコールでは桜井、村井が参加してふたたび「嘔吐」。ベースソロパートでの村井さんの気合入った演奏で心の中のバンギャが昇天すると同時に終演となりました。
とても楽しい一夜でしたね。10/23までは配信でアーカイブも観られるようなので、オススメしし者です…†