Cynic「Cynic Japan Tour 2023 @ 渋谷サイクロン 2023/12/09」

Cynic来日を観てきました!

 

■Exist Immortal
この日最もスタンダードなメタルに近かったEXIM。エモーショナルなボーカルと熱い演奏が印象的で、観客の反応にも満足していたようでした。ステージングも華があり好印象。とてもよい幕開けになったと思います。

 

■Cyclamen
主催の今西氏がボーカルを務めるバンド。拍子の複雑さではこの日ナンバーワンだったかも。
とにかくころころと表情を変える楽曲と飽きさせない展開はある意味日本らしいとも言えるのでは。
効果的に差し込まれるクリーンボイスとハードなパートのメリハリが心地よく聴けました。

 

■Cynic
01.Veil of Maya
02.Celestial Voyage
03.The Eagle Nature
04.Sentiment
05.I'm But a Wave to ...
06.Uroboric Forms
07.Textures
08.How Could I
09.Kindly Bent to Free Us
10.Adam's Murmur
11.Aurora
12.Integral
13.Space
14.In A Multiverse Where Atoms Sing
15.Evolutionary Sleeper

 

名盤Focusの再現を含む充実したセットリスト。メンバーの急逝によりオリジナルメンバーはギターのポールのみですが、ライブメンバーの面々も非常に技量が高く、圧倒されました。
まずはFocusの曲が最初から順番に演奏。Veil of Mayaこそ少しサウンドバランスに難を感じたもののどんどん改善され、アルバムの世界観に浸ることができました。
生で聴いてあらためて思うのはそのサウンドの独特さで、デスメタル的な要素で構成されつつもパーツのひとつひとつはジャズ的な即興感や浮遊感に彩られ、そこにボコーダーを通した声が乗ることにより別世界が演出されていました。演奏がいい意味で淡々と進められていくのもその異物感というか別物感に拍車をかけていて良かったですね。常温で繰り出されるキメとギターソロの数々にはしびれました。


再現のあとのセットリストは他国でもやっていたものの中間にRe-tracedからのIntegralとSleepを追加したもの。このパートに入る前に黙祷を促すパートが設けられたのですが、1日目は少し伝わりきらなかったためか、2日目では「モクトー」と日本語でのアナウンスに切り替えていたようでした。この2曲は同期音源に乗せてポールのソロとして演奏されたのですがこれが絶品で、Focusで興奮した気持ちを一気に引き締め、今度は瞑想の別次元に誘われたようにも感じました。
最新作からも数曲選曲されていたのも嬉しかったですね。最後のEvolutionary sleeperまであっという間の楽しい時間でした。翌日のライブはなんと生配信も行われ、たいへんクリアな音質でほぼ同様のセットリストを楽しむことができました。終演後は観客席から主催の今西氏に「ありがとう!」とい声も飛んでいましたが、本当に感謝です。よいライブでした。