Coaltar of the Deepers x Boris「"hello there" tour 2023 @ 渋谷 CLUB QUATTRO 2023/11/29」

好きなバンドと好きなバンドの対バンに好きなバンドがOAとして出るという夢のイベントを観てきました。
渋谷クアトロはPITBでよく来るところだったり、前回はAmorphisだったりと耳にやさしい音量で聴くことが多かったのですが、今日の3バンドはいずれも轟音。耳栓持って行っておいて良かったです。
 
■明日の叙景
01.土踏まず
02.私はもう祈らない
03.青い果実
04.遠雷と君
05.キメラ
 
5曲という短いながらも彼らの良いところが詰まったセットリスト。特に冒頭「土踏まず」でガッツリとシューゲ感と疾走感を見せたあとに「すべてか弱い願い」からの楽曲を挟んで特にキャッチーなギターメロディが印象的な「遠雷と君」「キメラ」で締めるのはメリハリがきいていてよかったです。彼らを見るのは4回目くらいだと思いますが、見るたびにエネルギーが外向きなポジティブなものになっていっているように見え、頼もしさも感じるほど。遠雷の冒頭のポエトリーでは「こんにちは、こんにちは」に挨拶を返す観客もいてほっこりしました。キメラのギターソロ前ではVoの布がギター!と煽るなど、今までになかったようなアクションも。轟音ながらもギターメロディがしっかり聞こえるバランスだったこともあり、Gtの等力のソロも決まっていてカッコ良かったです。
 
01.Anti-Gone
02.She is burning
03.Question 1
04.キキノウエ (with 布 from 明日の叙景)
05.Nosferatou
06.Luna
08.Serial Tear (COTD Cover)
 
サウンドチェックから音量が圧倒的でビビったのですが、これでも通常よりは抑えめらしいというツイートを見て驚きました。セットリストは近年の作品「NO」「Heavy Rocks(2022)」からのものを中心に、今回の再録スプリット収録曲を追加したもの。中でもアップテンポで畳みかける曲が多く、ライブ初見でも見やすかったです。轟音の中でもVoのatsuoのニュアンスにあふれた歌唱は印象的に響いていました。「Question 1」での静と動のスイッチングや「Nosferatou」でのドゥームメタル的音響(鈴も印象的)などは他ではなかなか聴けない音響体験なのではないでしょうか。「キキノウエ」では明日の叙景の布がゲスト参加。最後の「キキノウエ」連呼を交互に歌う様子が印象的でした。再録・カバー曲では原曲の香りを残しつつかなり生っぽい解釈での演奏に。カバーもしっかりBoris印になっていてまるで組曲を聴いているように一息で聴きとおせました。
 
01.Wipe out
02.Waterbird 
03.Melody (Boris Cover)
04.SHIOSAI
05.LANGSAM BLUT
06.LIGHT OF THE WORLD
07.Ribon no kishi
En.
09.Killing Another(with Boris, 明日の叙景)
 
最後はディーパーズ。ビジターズチームなので初期曲多めかと思いきや後期のモダンな楽曲ばかり。Yukari Telepath曲はいずれもキャッチーなこともあり大変な盛り上がりでした。まずはスプリット収録の再録とカバー曲群。重低音を活かした縦幅の広い轟音でありながら、ビジターズチームらしいバンド感が強く、思わず身体が動くような縦ノリのサウンドでした。数日前に発表された「SHIOSAI」はしっとりと。いつもよりVoが大きめに聞こえるバランスだったこともあり、歌メロが綺麗に聴こえてとても良かったです。「Ribon no kishi」ではリボンの騎士タオルを振り回していましたが、この曲の後半のおもちゃ箱をひっくり返したような展開がこのメンバーの力でさらにがちゃがちゃと面白く感じられ、本編最後の「HALF LIFE」ではギターメロディの疾走感が印象的でした。この曲、ライブで聴くと思っていたよりサンバなんですね。
 
アンコールでは明日の叙景、Borisのメンバーも参加してKilling Anotherのスプリット版アレンジ。これは最近も再録されていましたがそれとも全く異なる方向性で新解釈。前半はフューネラルドゥーム的に酩酊感を誘う轟音に包まれた後、切れ味鋭いリフに導かれて全員での爆走。そしてドラムを誰も叩かなくなりわちゃわちゃした混沌のまま終演に。
 
好きなバンドばかりを見ることができてとても幸福な空間でした。
またこの組み合わせでやってほしいですね。